HIAC(ハイアック)システムでHRLDセンサーを使用する際の推奨ターボリューム設定

パーティクルカウンター資料集

推奨されるターボリューム(風袋容量)の設定

著者:ビル・F・バース

はじめに

アプリケーションに適したターボリュームを選択することは、正確で、再現性があり、反復可能性のある結果を生む為の最重要要素の一つと言えます。

以下の表は、基準として使用するための成功事例のガイドラインを示しています。これは、「万能」なアプリケーションノートでは無く、どちらかと言うと、足がかり的なものになることを目的として作られています。

HRLDシリーズセンサーを使用するHIACシステムのためのターボリューム (mL) 設定

センサー流量
サンプルインレットプローブ
シリンジサイズ vs. ターボリューム設定
外径 (mm) 長さ (mm) 容量 (mL) 1 mL 10 mL 25 mL
10 - 25 mL
1.6 81 0.091 mL 0.25 mL 1 mL 3 mL
1.6 149 0.172 mL 0.4 mL 1 mL 3 mL
6.3 149 1.02 mL ※1 3 mL 3 mL
60 - 100 mL
1.6 81 0.091 mL ※2 1 mL 3 mL
1.6 149 0.172 mL ※2 1 mL 3 mL
6.3 149 1.02 mL ※2 3 mL 3 mL

表1

※1 使える設定だが、推奨しない
※2 適切ではない設定

注記1: 各シリンジは、それぞれトータルボリューム中5%が最大ボリュームエラーとして決められています。
注記2: オプションの“DISCARD FIRST RUN(一回目の測定を除く)”を選択した場合には、ターボリュームなしでの設定が許容されます。この方法は、測定する過程にある何らかの残留液又は「デッドボリューム」を完全に置換させるシステムを通して十分なサンプル量が吸引されることを確実にします。

HRLDシリーズセンサーを使用するHIACシステムのための「最少」 ターボリューム (mL) 設定

センサー流量
サンプルインレットプローブ
シリンジサイズ vs. ターボリューム設定
外径 (mm) 長さ (mm) 容量 (mL) 1 mL 10 mL 25 mL
10 - 25 mL
1.6 81 0.091 mL 0.15 mL 0.5 mL 1.5 mL
1.6 149 0.172 mL 0.25 mL 0.5 mL 1.5 mL
6.3 149 1.02 mL * 1.5 mL 1.5 mL
60 - 100 mL
1.6 81 0.091 mL ** 0.5 mL 1.5 mL
1.6 149 0.172 mL ** 0.5 mL 1.5 mL
6.3 149 1.02 mL ** 1.5 mL 1.5 mL

表2

結論:

可能であれば、上記の表1の設定値を使用することを推奨しますが、高額なサンプルや極めて少ないサンプル量を扱う様なきわどいアプリケーションの場合には、表2に示されている最少ターボリューム設定をせざるを得ません。
ただし、最少ターボリューム設定を使用する場合、サンプル毎により高い確率で変動性を感じやすいでしょう。
これは、統計的な現実によるものです。少量サンプルにおける精度はトレーサブルな標準粒子を使用し検証することが可能です。

参考文献:

USP 1788 and the forthcoming USP 1787 Chapter (on protein sampling) will provide good general information and guidance on sample preparation, methods, and system maintenance.

著者 バイオグラフィー

ビル・F・バースは米国オレゴン州グランツパスに拠点を置く、ベックマン・コールターライフサイエンスのアプリケーションサイエンティストです。

彼は、多くの産業システムプロダクションプロセスや手順ツールをベックマン・コールター及び旧製造元であるハック・ウルトラのパーティクルカウンティングビジネスユニット製品のために作り出し、開発して来ました。そうした製品はHIACブランドのPODS(ポッズ)、8011シリーズ(8011, 8011+, 8012)、HRLDセンサーシリーズ、PM4000、ROC、そして校正用標準液などがありますが、それだけにとどまりません。また、HACHブランドのパーティクルカウンターのISO17025認定評価プロジェクトに主に技術面で携わった主要メンバーでもあり、結果A2LAから正式にISO17025の認定証明を受けることになりました。彼は電子工学技術の学位を1982年にDeVry Institute of Technologyで取得しており、ベックマン・コールター/ハック・ウルトラにてトータル18年間、計測学からサービストレーニング、そしてインダストリアルアプリケーションサポート等複数のエンジニアリング領域において現在も活躍しています。

 

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