ベックマン・コールター社の歴史

ベックマン・コールター社の技術革新への取り組みは、Beckman博士が最初のpH計を販売した1935年までさかのぼります。25年間で、pH計、新たに導入されたDU分光光度計、およびHelipot電位差計は、科学、産業、および医学界において、広範囲にわたって適用されてきました。1950年代から1960年代にかけての一連の買収によって、事業を補完し、拡大してきました。1970年代には、製品および施設共に大きく拡大し、ヨーロッパに新たな施設を建設し、中国における販売事業も開始しました。1980年代と1990年代には生物学的分析のためのラボラトリーシステムの開発、および臨床検査用ソリューションへの技術の転用に焦点を当てた事業を展開しました。1996年、Sanofi DiagnosticsからのAccessの製造ラインの取得によって、診断用製品に免疫測定が追加されました。

ベックマン社とコールター社はラボラトリー間で最も著名なブランド名を組み合わせました。当社は1997年10月にコールター社を買収し、それを反映して、1998年4月には社名をBeckman Instruments, Inc.から変更し、現在の社名であるベックマン・コールター株式会社(以下、「当社」)となりました。

1935年にArnold O. Beckman博士が創業したBeckman Instruments, Inc.は、世界で初めてのpH測定(酸性またはアルカリ性)用電子機器であるpH計と共にラボラトリー市場に参入しました。1952年、当社は株式公開企業となりました。1968年、Beckman Instruments, Inc.はラボラトリー装置部門への集中的な取り組みを拡大し、臨床診断における医療用アプリケーションを組み込みました。1982年にはスミスクライン社に買収されてスミスクライン・ベックマン社となり、1989年に再び公営企業となるまで、スミスクライン・ベックマンの子会社として事業を行いました。

コールター社は、1958年にWallaceおよびJoseph Coulterによって私企業として創業され、1997年にBeckman Instruments, Inc.に買収されるまでは、Coulter家が経営権を維持していました。コールター社は赤血球と白血球の分布測定用装置であるコールターカウンターを市場に出しました。この装置はコールター原理に基づいており、1948年に粒子数や粒計を自動的かつ電子的に測定するためにWallace Coulterが開発しました。これが自動血球計の基礎となっています。

ベックマン・コールター社の歴史は、レモンジュースのpHの正確な測定値の判定のためのBeckman博士の発明品、すなわち酸滴定器(pH計)に始まる、1つの技術革新です。カリフォルニア州パサデナのガレージ裏での小さな事業から、臨床診断およびライフサイエンス研究の世界的リーダーとして認知されるようになるまで、ベックマン・コールター社の成功は、科学と医療に革命を起こした3人の男性、Arnold O. Beckman博士、並びにWallaceおよびJoseph Coulter兄弟のおかげです。

2012年 ダナハー社がベックマン・コールター社を買収して会社を分割し、2つの事業体としてDiagnostics(HQ - カリフォルニア州ブレア)およびLife Sciences(HQ – インディアナ州インディアナポリス)に分けました。ベックマン・コールター ライフサイエンスは科学研究装置のリーダーであり、主に学術団体および製薬市場を対象とした事業を行っています。当社はまた、臨床研究市場を対象とした事業も行っており、同時に農業や飲食産業、ガス・オイル産業、航空宇宙産業、その他さまざまな市場も対象としています。

80年にわたって、世界は私たちに困難な課題への解決策を求めてきました。そして私たちは、その多くを解決してきたことに誇りを持っています。ベックマン・コールター社が重視しているのは、世界で最も効果的な研究施設を作り上げ、患者の健康改善と医療費の削減に役立つことです。私たちの主な競合企業にとって、生物医学検査は多くのビジネスの中の一つにすぎませんが、ベックマン・コールター社にとっては、唯一の中心事業なのです。今日の市場において、当社は、製品のデザイン、開発、製造、販売、およびサービスの提供能力を備えた、数少ない参入業者の1つです。