密度勾配溶液
OptiMATE Cesium Chloride & Iodixanol
OptiMATE Cesium Chloride & Iodixanolは、現行のcGMP基準でのAAVベクターやEVsの精製工程でもご使用頂けるように、滅菌済みでかつ、エンドトキシン混入レベルが低い(≤1 EU/mL)高品質な密度勾配溶液です。液体試薬として提供されますので、試薬粉末を秤量ならびに溶解する調製作業が不要です。OptiMATE Cesium Chloride(CsCl:塩化セシウム)とOptiMATE Iodixanol(IDX:イオジキサノール)の2種類をご提供しています。
密度勾配遠心法は、密度勾配形成試薬によって形成させた密度勾配と、分子の浮遊密度または沈降係数の分離指標に基づいた分離手法で、生化学ならびに分子生物学などの分野でよく使用されています。
密度勾配溶液 OptiMATE Cesium Chloride & Iodixanolのお見積り
アプリケーション
生体分子の分離
細胞破砕液(ホモジネート)からDNA、RNA、タンパク質などの生体分子を分離
ウイルスの精製
ウイルスやウイルスベクターをキャプシドのタイプ別(中空、中間体、完全体、過充填体)に精製
細胞内小器官の単離
核、ミトコンドリア、リソソーム、生体膜などの細胞小器官の単離
細胞分画
不均一な細胞集団に含まれる個々の細胞ポピュレーション解析をするための細胞分画
速度ゾーン遠心法 | 等密度遠心法 | 平衡密度勾配遠心法 | |
---|---|---|---|
分離原理 | あらかじめ形成した連続的な密度勾配中で物質の沈降係数(サイズや質量を勘案した値)を指標として分離 | 試薬による自動的に連続的な密度勾配形成により物質を浮遊密度に基づき分離 | あらかじめ形成した不連続な密度勾配中で物質の浮遊密度によって分離 |
一般的な勾配 | 連続勾配(例:スクロース連続勾配) | 連続勾配(例:CsCl 勾配) | 分子の浮遊密度に応じた個別の層に分離 |
一般的に使用される勾配作製材料 | イオジキサノール、スクロース | CsCl、イオジキサノール | イオジキサノール(EV並びにウイルス分離時によく使用される)、スクロース |
利点 | 近い沈降係数の分子を沈降速度に基づき、高い分離能で分離 | 密度による最も高い分離能での分離が可能 | 密度差を利用した精製と濃縮をワンステップで可能 |
よくある質問
OptiMATE Cesium Chloride & Iodixanolは下水に流してはいけません。塩化セシウム溶液およびイオジキサノール溶液は、組織の廃棄物処理計画に従って、承認された有害廃棄物処理プラントで処理する必要があります。
OptiMATE Cesium Chloride & Iodixanolはステップ勾配(不連続)ならびに、連続密度勾配のどちらにも使用することが可能な溶液で、様々な種類のサンプルの精製に使用することができます。Cesium Chloride(CsCl:塩化セシウム)は、吸湿性の高いイオン結晶で、水に溶かすと低粘度溶液となることが知られています。CsClは一般的にウイルスや核酸の精製に使用されます。一方、Iodixanol(IDX:イオジキサノール)は非イオン性の高分子で、高粘度の水溶液です。イオジキサノールは細胞内小器官や細胞外小胞のような脂質膜を持つ生体高分子に対して不活性のため、生理活性の高い脂質膜を持つ生体高分子の回収が期待できます。