Vi-CELL BLU 生死細胞自動セルカウンターとSartorius 社のAmbr® 250 ハイスループットバイオリアクターとの統合による細胞濃度および生存率の測定の自動化

vi-cell-bluambr-connector

はじめに

Sartorius 社のAmbr®250 ハイスループットは、12 連または24 連の100 ~ 250 mL ミニバイオリアクターを用いた、細胞培養あるいは微生物培養プロセス開発のためのハイスループット自動バイオリアクターシステムです。このシステムにアナライザーを組み込むことで、培養に付加価値を与えることができます。これまでは、セルカウンターVi-CELLXR をAmbr® 15 細胞培養装置およびAmbr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムに組み込んで、培養中に生細胞密度と生存率データを自動取得することが可能でした。そうして得たデータを基に、無人運転でもさらにプロセス制御を向上することができるようになりました。

そしてこのたび、Vi-CELL BLU 生死細胞自動セルカウンターと、Ambr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムとの接続が可能となったことで、生細胞数測定機能がさらに強化されます。Vi-CELL BLU はVi-CELL XRの優れた機能をそのまま継承する一方、サンプリングタイムの短縮とサンプル容量の削減を実現しています。さらに、組み込んだVi-CELL BLU 単独での測定も可能なため、当社の品質管理製品を使用した日常の性能チェックを簡単に実行できます。その結果、Ambr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムでは、ラボで行われる他の(播種)培養よりも再現性の高いデータが得られます。

Vi-CELL BLU をAmbr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムに接続することで、両装置の強みを活かし、細胞培養の操作や解析が自動化されます。この2 つのテクノロジーを組み合わせることによって、リアルタイムでの培養モニタリング、データ解析の強化、所要時間の短縮や必要な資源の節約が実現するといった利点があります。細胞培養解析を自動化することで、ワークフローが最適化され、拡張性が高まります。

本アプリケーションノートでは、Ambr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムで培養を行い、組み込んだVi-CELL BLU で毎日サンプルを採取し、細胞濃度と生存率をオンライン測定して得たデータを示します。この結果を、オフライン値と比較しました。Vi-CELL BLU の組み込みはBoehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG(ドイツ、ビーベラッハ)で行われました。Boehringer Ingelheim GmbH & Co. KGと社員の皆さんのご協力に感謝します。

方法

βテストにおいて、Ambr® 250 ハイスループットの12 連バイオリアクターに、別の前培養で得た細胞を接種しました。培養は13 日間、連続流加培養で行い、サンプルを毎日採取し、細胞濃度と生存率を測定しました。まず、2 つの装置を接続したオートメーションシステムとして、規定の細胞生存率測定を実施しました。Ambr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムは、サンプルを採取してデッキ上のサンプルカップに添加します。その後Vi-CELL BLU が測定を行います。次にVi-CELL BLUとAmbr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムとの接続を切り、Vi-CELL BLU をスタンドアロンモードで使用して12 の培養の細胞濃度と生存率を測定しました。オートメーションシステムでの測定結果とVi-CELL BLU 単独での測定結果とを比較し、その相関性を求めました。

測定は全てノーマルモード(サンプルボリューム:200 μ L)で実行し、Cell Type は使用する細胞に対応するよう変更しました。本実験では、細胞濃度と生存率の測定は、統合システム、スタンドアロンモードのどちらも、単回測定(N=1)で行いました。次に、高濃度サンプルの解析のため、サンプルを2 倍または4 倍に希釈しました。希釈は細胞懸濁液をサンプルカップに添加する前にAmbr® で行っています。その後、オンラインで測定した各バイオリアクターにおける生細胞密度(VCD)と生存率をVi-CELL BLU 単独のものと比較した培養グラフを作製しました。Vi-CELL BLU 単独での性能は、濃度0.5、10 million/mL(0.5M、10M)の濃度コントロールビーズを使って検証しました。

結果

Vi-CELL BLU セルカウンターの性能は、実験の開始前に0.5M および10M のシングルユースの濃度コントロールを用いた単回測定で検証しました。その結果、総細胞密度はそれぞれ0.51 ×106 cells/mL、10.19×106 cells/mLと範囲内の値になり、完全な線形の相関を示しました(Figure 1、トレンドラインは原点(0,0)を強制通過)。

濃度コントロールビーズをVi-CELL BLU生死細胞自動セルカウンターのスタンドアロンモードで測定

Figure 1. 濃度コントロールビーズをVi-CELL BLU生死細胞自動セルカウンターのスタンドアロンモードで測定。完全な線形相関が観察された。トレンドラインは原点(0,0)を強制通過。

Figure 2 は、培養実験で得た結果です。12 個のバイオリアクター全てが類似の増殖プロファイルを示し、ほとんどのバイオリアクターで4 日目まで急激に増殖した後、10 日目まで生存率が高い(>90%)プラトー期が続きました。実験最終日、生存率は低下し始めました。

全体として、オンラインデータはスタンドアロンモードで取得したデータと非常に類似していました。測定を2点とすることで、希釈、分注、混合等のミスが原因の外れ値を除外できる可能性があります。統合システムを用いた生細胞密度の全ての測定結果を、スタンドアロンモードでの測定値を比較すると、平均偏差は-5.2% で、生存率についてはわずか0.8% でした。

Ambr® と統合したVi-CELL BLU(赤)と、Vi-CELL BLU スタンドアロン(青)から得られた生細胞密度(実線)と生存率(点線)の比較(培養期間12 日間または13 日間の数値)

Figure 2. Ambr® と統合したVi-CELL BLU(赤)と、Vi-CELL BLU スタンドアロン(青)から得られた生細胞密度(実線)と生存率(点線)の比較(培養期間12 日間または13 日間の数値)。

おわりに

βテストにおいて、Vi-CELL BLU を統合システムとして用いた場合と、スタンドアロンで用いた場合とで、細胞濃度と生存率の自動計測の結果は、偏差が5.2% 以内となり非常に類似した結果となりました。両手法とも、増殖曲線は12 個のバイオリアクターで非常に類似したプロファイルを示しました。統合システムとしての利用とスタンドアロンモードの切り替えが簡単であるため、Vi-CELL BLU 品質管理製品による日常の機能チェックが可能です。

Vi-CELL BLU 生死細胞自動セルカウンターとSartorius 社のAmbr® 250 ハイスループットバイオリアクターシステムを統合することによって、効率的で精度の高い細胞培養解析に新たな可能性をもたらします。この自動化プラットフォームを使用すれば、プロセス開発の合理化、ワークフローの最適化、データに基づいた判断を行うことができ、バイオプロセス開発の加速や培養品質の向上につながります。こうした最新テクノロジーの組み合わせは細胞培養解析を大きく進展させるものであり、バイオ医薬品の研究・製造産業どちらにもメリットをもたらします。

  • バイオ医薬品開発に向けた
    細胞株開発

    細胞株開発のプロセスを2種類の特徴のあるシステムで自動化することにより、実験者の負担を大きく低減しつつ、より速く信頼性の高いクローンを獲得することを可能とします。

    詳細はこちら

  • 抗体医薬品開発ワークフロー

    モノクローナル抗体医薬品の開発には重要なフェーズが複数あり、それぞれのフェーズが治療薬の機能性に大きく影響を与えます。革新的な抗体医薬品開発ソリューションを是非ご覧ください。

    詳細はこちら

  • 抗体医薬品のプロセス開発

    治療や診断用途におけるmABの需要が高まりと共に、製造能力の拡大とプロセス効率および費用対効果の向上が求められるため、より効率的で経済的な製造プロセス開発が必要です。

    詳細はこちら

  • 自動分注ワークステーション
    Biomek i-Series

    拡張性・柔軟性に優れ、研究者の実験ニーズに応じて他社装置も含めた様々な装置との接続が可能なため、現在お使いのプロトコルを変えることなくワークフローを自動化します。

    詳細はこちら

    Data

  • 抗体産生株スクリーニングシステム
    Cydem VT

    最大96クローンを、より制御された環境で、より詳細なデータを取得することにより、細胞株開発プロセスを加速します。

    詳細はこちら

    Data

  • 生死細胞オートアナライザー
    Vi-CELL BLU

    リパンブルー染⾊法による細胞の⽣死細胞解析を⾃動化して行う、ユーザーフレンドリーな操作性の生死細胞オートアナライザーです。

    詳細はこちら

お問い合わせ