遠心機によるナノセルロースの分級

セルロースやセルロース誘導体を湿式高圧分散粉砕子したり、湿式摩砕粉砕したナノセルロースは、現在注目さ れているナノマテリアルです。セルロース誘導体の一つである低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを湿式高 圧分散粉砕処理したナノセルロースについてレーザー回折・散乱粒度分布測定装置 LS 13 320 を用いて粒度測 定した結果ならびに、遠心機によってナノサイズ領域として計測される部分だけを分離することができた結果に ついてご紹介いたします。

信越化学工業株式会社製 L-HPC(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)LODICEL LDC-H 2 wt% 分散液をスギノ マシーン株式会社製スターバースト試験装置にて 150 MPa 圧力で 10 パスした分散液を使用しました。

 

遠心前の粒子分布

ナノ化調製した分散液を LS 13 320 で測定し た結果を示しました。 ナノ化処理により生成したナノサイズの粒子が 検出されると同時にナノ化されずに残ったマイ クロサイズの粒子も検出されました。 この結果から、ナノ化処理後もマイクロサイズ にとどまる粒子が数多く存在することが示唆さ れました。 LS 13 320 を使うことにより、マイクロとナノ サイズの粒子を同時に測定でき、量的な比較検 討ができるようになります。

 

 

 

遠心後の粒子分布

高速冷却遠心機 Avanti JXN ‐ 26 と固定角 ロータ JA ‐ 14.50 を用いて、14,000 rpm (35,000 xg) で 1 時間遠心した後、その上清 を採って粒子径を測定しました。 遠心処理により、ナノサイズの粒子である部分 のみを分離回収することができました。遠心前 の 188 nm が遠心後には 117 nm で測定され ています。これは粒子が多分散している場合に 小さい方の粒子径値は、大きい方の粒子径値に 近づく傾向にあるためです。

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