部門長 鈴木 進 先生
助手(主任) 稲葉 岳彦 先生
助手(主任) 兒玉 なつ美 先生
愛知医科大学医学部附属総合医学研究機構
高度研究機器部門
愛知医科大学は、新時代の医学知識、技術を身につけた教養豊かな臨床医、時代の要請に応えた地域社会に奉仕できる医師を養成し、あわせて医療をより発展向上させるための医学指導者の養成を目的として1972年に建学されました。総合医学研究機構 高度研究機器部門は、医学部の共同利用研究機器の整備充実と効率運用によって、医学研究の支援を行っています。今回は、卓上型セルソーターCytoFLEX SRTを導入された高度研究機器部門の鈴木 進 先生、稲葉 岳彦 先生、兒玉 なつ美 先生にお話を伺いました。
鈴木 先生:愛知医科大学では「総合医学総合研究機構」の中に3部門があり、その一つが私たちの「高度研究機器部門」です。ここでは、個別の講座、研究室では購入が難しい高額 機器を中心に、共通利用機器として整備・管理しています。機器は多岐にわたり、生化学や細胞生物学、分子生物学など様々な分野に対応しています。
鈴木 先生:研究の基盤となる汎用性や需要の高い機器、フローサイトメトリーとかPCR、DNAシークエンサといった機器を長期的に維持することと、将来の研究に必要な新しい機器の導入のバランスが重要です。
新しい機器の導入においては、アンケートを取っても、希望がバラバラで…。大学として「5年後、10年後にどんな研究成果を目指すのか」というビジョンが必要だと感じています。今は「最大公約数的な選定」が難しくなっていて、むしろ「大学としての研究戦略に基づいた導入」が求められていると思います。
現在、登録制で誰でも使えるようにしていますが、トレーニングを受けずに使える分、誤使用や故障のリスクもありますね。利便性と安全性のバランスが課題です。
左から 鈴木 先生、稲葉 先生
鈴木 先生:旧機器が老朽化していたことがきっかけです。コスト面と多色対応やコンパクトな設計、操作性の高さ、そしてソーティング精度の高さが決め手でした。選定にあたっては、複数メーカーのデモ機を比較し、性能・コスト・操作性・サポート体制を総合的に評価して、最終的にベックマン・コールター社の機器を選びました。
稲葉 先生:当部門の運用にあった機器を選定することを大事にしました。とてもありがたいことに、各社がデモに応じていただけましたので、それぞれの装置の良さを実機で実サンプルを測定して判断できました。装置以外も、営業や技術の方と直接話せたのも安心材料で、導入後も一緒に仕事をしていけると感じたのも大きかったと思います。
兒玉 先生:セットアップやシャットダウンのしやすさ、時間の短さ、維持コストの見通しも重要でした。実際に使う先生方がスムーズに移行できるかどうかも重視しました。実際に、機能的にも、視覚的なソフトウエアも使いやすいと感じました。
左から 兒玉 先生、鈴木 先生
稲葉 先生:ゲノム編集細胞のソーティングで、従来よりも高い分離精度が得られました。旧機器では検出できなかった波長も使えるようになり、研究の幅が広がっています。利用者からの評価も高いです。毎週のペースで使っている研究者もいますよ。
鈴木 先生:私自身もがん細胞と線維芽細胞の混在している細胞集団を分離したのですが、非常にきれいに分離できていました。
鈴木 先生:機器の管理だけでなく、サンプル調製や測定支援など、より包括的な技術支援体制を構築したいと考えています。研究者が「測定だけでなく、準備段階から相談できる」環境を目指しています。
他大学や学内の他部門との連携も強化していきたいですね。特に高額な機器では、共通利用の方向性が必要ではないかと考えています。
稲葉 先生:新しい情報を収集、発信することで、学内の先生方の研究の相談、サポートが増えるように運営の幅を広めていきたいと思っています。
左から 稲葉 先生、鈴木 先生、兒玉 先生
稲葉 先生:トラブル事例や活用事例の共有もありがたいですね。実際に現場で起きたことを知っておくと、対応がスムーズになります。情報が循環することで、研究支援の質も上がると思います。メーカーさんとの連携は、今後ますます重要になるでしょうね。WEBサイトなどでの情報も充実してほしいと思います。
兒玉 先生:初心者向けの基礎セミナーやオンデマンド教材の提供をもっと充実させてほしいです。利用者との双方向の情報共有も大切だと思います。
鈴木 先生:価格面や装置のコンパクトさ、操作性の良さなど、ベックマン・コールター社の製品には期待しています。今後も継続的なサポートをお願いします。
鈴木 先生:研究支援体制は、単なる機器の提供ではなく、研究者とともに成果を生み出すパートナーであるべきだと思います。今後もその視点を大切にしていきたいです。
自動化テクノロジーを搭載した簡単に操作できる卓上型セルソーター
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・サイドストリームのモニタリングと自動最適化