Multisizer 4eを用いたブロッキング防止パウダーの粒子径の品質管理
ブロッキング防止パウダーはプリント用紙、ラミネートフィルム用スリップ剤に用いられる粘着防止剤に使用されています。このブロッキング防止剤の品質管理には、Multisizer が標準機に採用されており、様々な企業で使用していただいています。本稿は、コールターカウンターの最新モデルであるMultisizer 4eによる同サンプルの測定例をご紹介します。
測定条件
測定装置: Multisizer 4e(電気的検知帯法 精密粒度分布測定装置)
サンプル: ブロッキング防止パウダー
分散媒: ISOTONⅡ
測定範囲: 2~ 60 μm(アパチャー100 μm使用)
使用目的: ブロッキング防止パウダーの品質管理
測定結果
Multisizer 4eでブロッキング防止パウダーを測定した結果を図に示します。結果から、きれいな正規分布が得られており、品質に問題ないことが確認できます。最新モデルでは、最大400分割の高分解能データを出すことができます。さらに、旧モデルに合わせて粗い分布に変更して測定することも可能です。
図.ブロッキング防止パウダーの粒度分布(上図: 高分解能データ 下図:低分解能データ)
このように全く同じデータですが、分割を先代機である、Multisizer 3やMultisizer 2などと比較しても、違和感のないデータを得ることが可能です。
※必要な統計値や規格化されたリストに関しても、今までの装置と同じ表記が可能です。

Multisizer 4e について
測定原理: 電気的検知帯法測定範囲: 0.2 ~ 1,600 μm
最大カウント数: 500,000個
使用可能溶媒: 水、極性有機溶媒に対応
製品詳細はこちら
特長
- コールター原理(電気的検知帯法)を採用
- 粒子の体積を計測しているため、粒子の微小な変化でも検出可能
- 個数、体積、面積の粒子径分布を測定
- カウントする際に、粒子サイズをみているため、悪影響を与える凝集粒子が無いかの確認が可能
- FDA 21 CFR Part 11 準拠
原理
粒子が検知帯(アパチャー感応領域)を通過する際に生じる、2電極間の電気抵抗の変化を測定します。電解液溶液中に懸濁させた粒子が、バキュームによりアパチャー(細孔)の検知帯を通過する際に、粒子体積分の電解液が排除されます。この排除された電解液の体積を電圧パルスとして測定します。このパルスの大きさが粒子体積に、パルスの発生数が粒子数になります。これによって、粒子の正確な体積から粒子径(粒度分布)と粒子数を測定することができます。