ナノ粒子複合材の粒子径測定 - 密度勾配超遠心法と動的光散乱法を用いて -

近年のナノテクノロジーの進歩により、ナノ粒子の正確な径を求める ことがますます重要になってきています。 ナノ粒子の粒子径測定には、動的光散乱法(光子相関法)が最もよく使われますが、サンプルが複合材である場 合は、それを単一材に分離できれば、より正確な粒子径測定が可能になります。今回の実験では、密度の異なる 3成分からなる複合材を密度勾配遠心法により分離し、粒子径測定した結果を報告します。

 

 

考察

通常のペレッティングおよび密度勾配遠心 ・ 沈降速度法においては、粒子の大きさが最も大きな分離ファクタになっ て沈降しますが、この実験では密度が分離ファクタになる密度勾配 ・ 遠心沈降平衡法を行っています。固定角ロータ を使用することで、より大きな遠心力が使えるので、スウィングロータを使用する場合と比べて時間も 1/3 程度で分 離しています。チューブの中層にバンドを形成している成分の回収は、チューブ側面をシリンジで穿刺して採取し、 DelsaMax PRO で測定しました。底に沈殿している成分は、チューブをカットして採取し、Multisizer 4 で測定し ました。この実験結果から、ナノ粒子複合材サンプルの粒子径測定には、密度勾配超遠心・沈降平衡法は、非常に有効 な手段と思われます。

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