タンパク質精製-すべてのステップをこの1台で!-

高速冷却遠心機  Avanti シリーズ

タンパク質精製は、X 線結晶構造解析、NMR、質量分析や生化学的アッセイなどの様々なアプリケーションのために必要です。目的タンパク質を発現させたバクテリア・酵母・培養細胞や動物組織から精製する方法が一般的となっており、それぞれのタンパク質特有の性質であるアミノ酸組成・サイズ・形状・等電点・溶解度等の違いから精製を行います。不要なタンパク質のコンタミネーションを起こさずに、大量の機能性タンパク質を精製することが重要となります。多くのタンパク質精製のプロトコールにおいて、遠心機は重要なステップであり、ほとんどの場合は最初のステップで用いられます。

高速冷却遠心機Avanti シリーズは、タンパク質精製のどのようなステージにおいても利用できるロータを揃えています。容量と遠心力の異なる組み合わせを持つ幅広いロータを選択できるため、タンパク質研究ニーズの多くを満たすことができます。例えば、細胞のペレッティング、タンパク質沈殿、細胞内小器官やメンブレンの精製、密度勾配遠心、タンパク質濃縮などの、様々なプロテオミクスのアプリケーションのためのロータを自由に選択することができます。

Typical protein purification workflow for overexpressed protein

1. サンプル回収と溶解

目的タンパク質を含むサンプル(例えばバクテリア、昆虫細胞、哺乳動物細胞やその組織など)のペレッティングによる回収は、タンパク質精製の最初のステップとなります。このステップは低速であっても大容量のロータが求められます。Avanti シリーズでは、このステップに最適な最大6L の大容量固定角ロータJLA-8.1000 を始め、 JLA-9.1000、 JLA-10.500 があります。また、JCF-Z 連続遠心ロータは、バイオプロセスのセットアップに必要な、より大容量のペレッティングに適応できます。

2. ライセートの清澄化

細胞のペレッティングと溶解の後、タンパク質精製の2 つ目の重要なステップは、タンパク質成分と細胞由来デブリスからタンパク質を効率的に分離することです。高速での清澄化は、このステップで求められ、最適なロータの条件は、高速で小容量となります。Avanti シリーズでは、このステップに必要な最大10 万xgで使用可能なJA-30.50 を始め、JA-25.50、JA-25.15 といったロータがあります。

3. 粗精製(沈殿法)

硫酸アンモニウムやポリエチレングリコールのような沈殿剤よる遠心沈降ステップは、粗抽出物からのバルクタンパク質の回収や1次精製法として使用されています。この沈殿剤による分離工程では、中程度のスピードと少から中程度の容量のロータが必要です。Avanti シリーズでは、このステップに必要なスピードと容量を兼ね備えたJA-17, JA-18, JA-20 やJLA-16.250 のようなロータがあります。

4. 2次精製(クロマトグラフィー法)

目的タンパク質の2 次精製は、通常、アフィニティー、イオン交換、疎水性、サイズセパレーションなどの様々なクロマトグラフィー原理に基づいて行われます。微量遠心のスピンカラムと96-well キットにより、素早くシンプルな方法でリコンビナントタンパク質の少量の精製が行えます。これらのカラムは、クロマトグラフィーの条件検討のプレスクリーニングだけでなくハイスループットなプロテオミクスに最適です。JS-5.3 とJS-5.9 ロータは、96 well フォーマットのPrep カラムに使用できます。

5. 密度勾配遠心

密度勾配遠心は、タンパク質の第三次精製にしばしば用いられます。JS-24.15 とJS-24.38 ロータは、レートゾーナルや等密度遠心法に使用されます。

6. 溶媒交換と濃縮

プロテオームアッセイのため、精製したタンパク質の溶媒交換と濃縮は必須の工程です。溶媒交換や濃縮に使用可能なフィルターベースのカラムが種々あります。JS-4.0、 JS-4.3、JS-5.3 さまざまなサイズに対応するアダプタを持っているため、濃縮工程に最適です。

Relative Centrifugal Force

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