細胞数をカウントする方法
自動セルカウンター vs. マニュアルセルカウント
細胞数を正確にカウントすることは、セルベースアッセイや細胞培養アプリケーションの成功と再現性を確かなものにするためにとても重要です。
細胞の増殖と生存率のモニタリング、細胞培養条件の最適化、セルベースアッセイの前処理において、正確な細胞数計測が必要となります。
セルカウントには次の要素が求められます。
- 正確性
- 再現性
- 細胞タイプに依らない、つまり、細胞の凝集、細胞の形状、様々な大きさの細胞集団などの可変的な細胞特性を考慮します。
自動セルカウンター
自動セルカウンターは、細胞を素早く計数・分析し、効率的で信頼性の高い細胞数計測を実現します
画像ベースのセルカウンター
画像ベースのセルカウンターでは、明視野または蛍光顕微鏡を使って細胞の画像を取り込みます。流路を使うことで細胞画像を取得するシステムでは、細胞がキャピラリーに取り込まれて検出器を通過する際に撮像とカウントを行います。細胞生存率はトリパンブルーなどを使った色素排除法で計算することができます。ソフトウエアにより、細胞直径や輝度、真円度など、システムに特異的なパラメータに基づいて画像を解析し、細胞数と細胞生存率を求めます。
コールターカウンター
コールターカウンターは、電気抵抗の変化を測定することにより、サンプル中の細胞の数、体積、サイズを計測します。コールターカウンターの中には生細胞を死細胞やデブリスと区別して細胞数計測できるものもあります。
フローサイトメーター
フローサイトメーターは細胞計数のための専用機ではなく、サンプル中に、特定の特徴を持った細胞がどのくらいの割合で存在するかという、相対値を得るために使用します。細胞の絶対数を測定するには、カウントするサンプルの体積を算出する必要があります。そのためには、サンプルにコントロールとして細胞数計測用の蛍光ビーズを加える必要があります。
長所 | 短所 |
速い | 装置の初期費用 |
正確 | |
再現性 | |
主観の排除 | |
解析&グラフの表示 | |
データの保存&データのエクスポート機能 | |
21 CFR Part 11対応 |
マニュアルでのセルカウント
マニュアルでの細胞数計測は、光学顕微鏡と血球計算盤を用いて、液体サンプル中の細胞濃度を計数することができる、低コストな手法です。
細胞濃度 (cells/mL) | = | (1区画あたりの平均細胞数) x (希釈倍率) |
1区画あたりの液量 (mL) |
細胞の生存率は、細胞懸濁液をトリパンブルーなどの染色色素で処理して計算します。生細胞はトリパンブルーを取り込みませんが、死細胞は青く染色されます。
細胞生存率 (%) | = | 生細胞数 (非染色細胞) |
全細胞数 (染色細胞 + 非染色細胞) |
血球計算盤(ヘモサイトメーター)
区画 | 区画面積 | 高さ0.1 mmでの液量 |
1 x 1 mm | 1 mm2 | 0.0001 mL |
0.25 x 0.25 mm | 0.0625 mm2 | 0.00000625 mL |
0.20 x 0.20 mm | 0.04 mm2 | 0.000004 mL |
0.05 x 0.05 mm | 0.0025 mm2 | 0.00000025 mL |
1. 細胞懸濁液を注入し、サンプルをチャンバーに満たします。
コツ: 必要に応じて細胞懸濁液を希釈します。細胞は塊や重なりがなく、グリッド上に均一に分散しなければなりません。
2. 顕微鏡で、4つの正方形の区画の中の細胞数を数えます。
コツ: 細胞濃度が低いほど、多くの区画を数えて統計エラーを減らすようにします。
コツ: 区画内にある細胞と、下側および左側の線に触れている細胞のみを数えます。上側と右側の線に触れている細胞は数えません。
3. 懸濁液中の細胞の濃度を計算します。
長所 | 短所 |
安価 | 時間がかかる |
多用途 | 作業量が多い |
結果が変わりやすい | |
機能が限定的 | |
再現性が低い | |
主観的 |