ClearLLab 10Cシステム* エキスパートのご紹介

白血病および非ホジキンリンパ腫を対象とした唯一のイムノフェノタイピングソリューションである ClearLLab 10Cシステム*に関する質問に、Sandra Hernandezがお答えします。

Sandra Hernandez

Sandra Hernandez

Sandraはクリニカルフローサイトメトリーのグロ-バルマーケティングチームのマネージャーとして、市販の臨床用製品のコマーシャルマーケティング活動を担当。Medical Technologist SupervisorのライセンスおよびASCPのフローサイトメトリー技術者認定資格を保有。5年前にベックマン・コールターに入社する前は、マイアミ大学(米フロリダ州マイアミ)の臨床フローサイトメトリー・分子病理学研究室のスーパーバイザーとして十字していました。

内部参照としての残留細胞に関してですが、サンプルに正常な残留細胞が存在しない可能性はありますか?

はい、その可能性はあります。私がマイアミ大学にいたときに実行したサンプルには、正常な細胞が残っているものもありましたが、芽球の割合が90%、つまり正常なサンプルは存在しないか、ごくわずかしかないものもありました。ClearLLabパネル*は検証済なので、前後に実行したサンプルの染色を確認することにより、そのコントロールの妥当性を立証することができます。またパネルの性能に問題がないことがわかっていることで、安心して解析できます。

ClearLLab 10C*で使用できるのは、IOTest 3溶血試薬および固定試薬のみですか、それともVersaLyseなどの他の溶血試薬も使用できますか?

現時点で ClearLLab 10C と共に使用した場合の性能について検証がおこなわれているのは、 IOTest 3溶血試薬のみです。当社研究開発チームが実施したVersalyseとIOTest 3との比較研究では、塩化アンモニウムベースであるため細胞への影響が少ないIOTest 3試薬を使用した方がより優れた分離が得られました。IOTest 3は穏やかな溶血試薬で、壊れやすい芽球細胞と非常に壊れやすい形質細胞を保存に役立ちます。ClearLLab LS (欧州でのみ利用可能)と共にIOTest 3 Lyseを使用していただくことで、すべてのClearLLabプロセスを単一化されたアプローチとすることを目指しています。

ClearLLab 10C*と共に使用するLevy-Jenningsテンプレートをダウンロードするには?

Beckman.comからダウンロード可能です。テンプレートはロット固有なので、新しいロットごとに新しいテンプレートをダウンロードする必要があります。解析テンプレート、ダウンロードの手順を説明するシステムガイド、コントロールテンプレートの検索手順もBeckman.comにあります。コントロールの実行と解析に必要なものはすべてオンラインで入手可能です。

ClearLLabパネル*は、芽球が含まれないMPNを識別できますか?

ClearLLab*には様々なマーカーが含まれるため、発現パターンの変化や異なる発現パターンを検出することにより、芽球がなくても一部の骨髄増殖性腫瘍(MPN)を特定することができます。このような方法でMPNを検出した例が何件か論文で報告されています。MPN検出のための特定のマーカーは含まれていませんが、発現パターンの変化から鑑別診断につなげることができます。

ブルーレーザー搭載のDxFLEX 5カラーを使用していますが、DxFLEXでの免疫コントロール細胞の使用は望ましいですか?

いいえ。コントロール細胞の使用が検証されているのは、Naviosおよび Navios EX フローサイトメーターのみです。

ClearLLabコントロールの形態は?

ClearLLab コントロール は、サンプルの処理に使用されるのと同じ手順を使用して並行して処理される全血プロセスコントロールです。凍結乾燥とは違って全血コントロールと同じマトリックスを持つため、真のプロセスコントロールと言えます。

ClearLLab試薬の保存期間は?

ClearLLabの保存期間は12ヶ月間、 DURACloneドライ抗体 は最大18ヶ月間です。長期間の保存が可能なため安定性が維持され、同じロットの使用を継続したい場合に特に便利です。前ロットと新しいロットを並列で比較する必要がないため、保存期間が長い試薬を使うことで検査室での作業が減り、全体のワークフロー効率が向上します。

ClearLLab 10Cは、北米や欧州での使用が認可されていますか?

ClearLLab 10Cは、白血病およびリンパ腫の分析のための唯一のFDA認可IVDパネル・コントロールです。また、欧州での販売のためCEマークを取得しています。ClearLLabは、新しいIVDR規制プロセスを通過した最初のアッセイの1つです。日本国内においては研究用試薬です。

ClearLLab 10Cパネルで、ヘマトゴンやB細胞白血病/ALLを識別するには?

B細胞チューブには CD34, CD19, CD10 and CD38が含まれ、これらのマーカーを使えば、ヘマトゴンやB前駆細胞の有無が確実にわかります。また、これらは成熟期に一部のマーカーを失い、別のB細胞マーカーを獲得するため、未成熟B細胞と成熟B細胞に区別することも可能です。

ClearLLabのトレーニング用リソースはありますか?

ClearLLabケースブック は優れたトレーニングツールです。ClearLLabの新規ユーザーに、様々なポピュレーションの正常サンプルと異常サンプルを紹介しています。

フローサイトメトリーの要はパターン認識であり、新しいパネルを導入するたびに、違う抗体の組み合わせによるパターンについて学び、認識できるようにしなければなりません。ClearLLabケースブックは、新たに検査室に入った方やClearLLabの分析に慣れていない方に最適なトレーニングツールです。

ケースブックには25以上の異なる症例が収載されています。まず、読者に正常標本がどのように見えるかを理解してもらうため、骨髄、末梢血、リンパ節など、様々な正常標本が示されています。

正常な状態というものを理解して初めて、異常を見分けることができます。ケースブックでは、B細胞、T細胞、骨髄のそれぞれについて、未熟な例と成熟した例を見ながら、異常をさまざまな系統特異的タイプに分類しています。

ClearLLabケースブックに掲載されている解釈は、ワシントン大学のBrent Wood教授とそのチームによるものです。各症例には各患者の臨床情報と人口統計学的データが記載されており、疾患の特性の理解に役立ちます。正常および異常を呈するヒストグラムについて詳しい注釈、解釈に必要な追加の臨床情報で締めくくられています。このケースブックは、技術者、監督者のどちらであっても、ClearLLabパネルの実行時に参照としてお使いいただけます。

TDTおよびHLA-DRマーカーはCD117およびCD34と共にパネルに含まれていますか?

HLA-DR は骨髄チューブM1とM2の両方に含まれます。 TDT TDTはパネルに含まれないため、パネルのマーカー染色から細胞系統が明らかでない場合は、反射検査を実行して確認する必要があります。M2チューブにはCD34/CD117HLA-DRが含まれます。

ClearLLab M1チューブとM2チューブの違いは何ですか?また、どちらを先に使用すべきですか?

どちらも顆粒球マーカーと単球マーカーを含むチューブで、両方使用することを推奨します。また、M1チューブやM2チューブにはM6白血病細胞やM7白血病のマーカーは含まれません。どちらも低頻度の骨髄性白血病であるため、ClearLLab骨髄チューブにはこれらを検出するための赤血球前駆体および血小板抗体の特異的マーカーを含めていません。

T細胞チューブに含まれるNK細胞検出用マーカーはCD56のみですが、CD16も加えると(NKサブポピュレーションの検出などに)有用なのでは?

CD16 はM1チューブに含まれますので、それが役立つと思います。NK細胞腫瘍が疑われる場合は、より特異的なNK細胞の反射チューブ検査を行います。

検査室ではClearLLab 10Cシステムのコンペンセーションまたはキャリブレーションをどのくらいの頻度で実行すべきでしょうか?

(1)初期セットアップ時、(2)毎日のQCが失敗した場合、(3)Flow-Setビーズの新規ロットを使用する場合に実行します。ClearLLab 10Cパネルは、コンペンセーション試薬、凝縮キット、コンペンセーションビーズが含まれます。

TDTはパネルに含まれていますか?

いいえ。系統が不明な場合は、TDTを検出する反射テストを行う必要があります。

急性白血病の最終診断を確定するために、MPO、CD22、CD11cおよびCD1aが必要な頻度はどれくらいですか?

それは、検査室のワークフロー、患者集団、その患者集団における急性白血病の頻度によって異なります。

細胞質染色チューブが含まれていませんが、細胞質CD3がTリンパ芽球の系統マーカーであることを考えると、どのようにしてTリンパ芽球の系統を確立するのでしょうか?

それには CD3 ポピュレーションが表面で発現していないことを確認するための試験を設定します。

ClearLLab LS

LSチューブにはTDTが含まれていませんが、CD34陰性、TDT陽性の白血病を見逃してしまう可能性はありませんか?

側方散乱光で薄暗い CD45 ポピュレーションを検出し、必要であればTDTの反射試験で系統を確立できます。

ClearLLab 10C試薬は脳脊髄液に使用できますか?

いいえ。ClearLLab LSチューブは、骨髄、末梢血、リンパ節検体にのみ使用できます。

スクリーニングチューブは形質細胞腫瘍の同定に使用できますか?

いいえ。形質細胞はClearLLab LSスクリーニングチューブの検出対象ではありません。
※ClearLLabは日本国内においては研究用試薬です。

Leukemia and Lymphoma

お問い合わせ