フローサイトメトリーによる造血器腫瘍イムノフェノタイピングに用いる標準化試薬およびガイドライン

Dr. Lisa Holey

Sandra Hernandez

このページでは、以下について説明します。

  • 血液腫瘍に対するフローサイトメトリーによるイムノフェノタイピングの利点。
  • ‌臨床フローサイトメトリーに適用されるコンセンサスガイドラインと規制の概要。
  • 標準化試薬と操作手順が自家調製検査法よりも優れている点。

はじめに

がんの罹患者数と死亡者数は世界中で急速に増加しており、その原因として人口の高齢化および増加、主要リスク因子を持つ人の割合や分布の変化が挙げられます1。造血器腫瘍(血液がん)は全てのがんの約6%を占め、2020年に新たに血液がんと診断された人は120万人、血液がんによる死亡者は70万人近くにのぼります1。血液がんが増加していることで、早期に的確な診断と特性解析を行い、少しでも早く最善の治療を開始することがますます重要になっています2

造血器腫瘍は免疫系細胞の疾患であり、腫瘍が最初に見つかった場所が血液中であれば白血病、リンパ節ならホジキンリンパ腫や非ホジキンリンパ腫、骨髄の場合は骨髄腫と分類されます。2020年の統計によると、血液がんで最も多いのは非ホジキンリンパ腫で、わずかの差で白血病が続きます1。白血病は、血液細胞ががん化(腫瘍化)することで引き起こされます。このがん化は造血の過程においていつでも起こり得ます。リンパ腫はリンパ球のがん化が原因で発症します。血液細胞のがん化が起こる時点は白血病の種類によって異なるため、どの種類の白血病であるかを正確に分類するには細胞系統を調べることが非常に重要です。血液がんは、表面マーカー、腫瘍構造、細胞形態、分化、遺伝子変異によって、いくつかのサブタイプに分類されます。最適な治療を選択するには、このサブタイプを早期に見極めることが重要です3

フローサイトメトリーによるイムノフェノタイピング

フローサイトメトリーによるイムノフェノタイピング(Flow cytometric immunophenotyping:FCI)は、造血器腫瘍の診断、分類、病期判定、モニタリングに有用なツールです。FCIでは抗体パネルで細胞のマーカーを検出し、腫瘍細胞とその系統を決定します。FCIは抗原発現量のわずかな違いを検出できるため、ごく少数しか存在しない異常細胞を識別し、特性評価を行うことができます4。フローサイトメトリーには、従来、血液がんの診断に用いられてきた免疫組織染色(IHC)法と比較した場合、フローサイトメトリーには以下のような利点があります5

  • 細胞径と粒度から細胞群を同定
  • 死細胞を識別して解析から除外
  • 発現の弱い細胞表面抗原を検出
  • マルチカラー解析で、複数の細胞内・表面抗原を同時に測定
  • ‌迅速な測定結果

最近まで、市販の造血器腫瘍FCI用体外診断(IVD)パネルが存在しなかったため、臨床診断検査室では自家調製検査法(Laboratory Developed Test:LDT)が用いられていました。どの手法を用いる場合でも、患者が的確な診断を得て、最善の治療を受けることができるよう、検査室が血液がんについての現行の分類や診療ガイドラインを参照し、体外診断(IVD)検査についての各国法規制を遵守することは非常に大切です。本文書では、これらのガイドラインと規制の概要を示します。

長年にわたり、血液がんの診断は、骨髄と末梢血の塗抹標本を用いた病理学的検査および細胞学的検査に基づいて行なわれてきました。ですが、遺伝子研究が進んだことで、この手法は疾患の遺伝的・臨床的多様性を完全には反映していないことが明らかになりました6。 この問題に対応するため、WHOは「造血器およびリンパ組織の腫瘍分類」第4版を2008年に発行しました。国際がん研究機関(IARC、フランス、リヨン)が発行したBlue Bookに含まれるモノグラフの1つは造血器腫瘍に焦点を当てたものであり、様々なサブグループの造血器腫瘍を、形態学、イムノフェノタイピング、ゲノミクス、臨床的特徴により分類するための情報が提供されています。2017年の改訂で、WHO分類第4版に、新たな研究結果がもたらした最新の科学的知見が反映されました789 。この改訂版は、血液病理学会(Society for Hematopathology)と欧州血液病理学会(European Association for Haematopathology)が共同で作成したもので、病理医、血液学者、放射線科医、臨床腫瘍医の間で国際的コンセンサスが構築される一助となりました。この改訂版WHO分類には、悪性度の定義に加え、それぞれの腫瘍の疫学、リスク因子、予後、ICD-O分類に関する情報も含まれています10

WHOは、情報を最新のものに更新し、全世界で受け入れられ使用されるヒト腫瘍の分類法を提供するため、腫瘍分類に関するリファレンス文書を定期的に改訂しています11

2006年のベセスダコンセンサス会議において、FCIが造血器腫瘍の患者の評価とモニタリングに一般的に使用されるようになったという事実にもかかわらず、使用される試薬と結果報告形式の両方に著しいばらつきが認められることが確認されました。どちらも、検査室間での結果の比較に重要な要素であることは明らかであったため、標準を定めるための専門家委員会が設立されました。専門家委員会は、白血病およびリンパ腫イムノフェノタイピングのため、クリニカルフローサイトメトリーを日常的に実施する検査室(民間、公立、大学病院)および大規模な画像診断検査室に所属する専門家で構成されました。委員会は協力し、特定の医学的適応に基づいて、どの細胞株を評価すべきかという情報を特定、公表し、それぞれの初期評価に適したコンセンサスマーカーについて概要をまとめました12。けれども、市販の抗体クローン、蛍光タグ、フローサイトメーターの品質や性能に差があり、さらには、5、6個以上のマーカーを同時に評価できるクリニカルフローサイトメーターが当時なかったことから、ベセスダで1つパネルをコンセンサスの得られた標準化パネルとする合意は得られませんでした。

ですが、この取り組みによって造血器腫瘍の初期評価に適した幅広いコンセンサスマーカーについての定義が始まり、以来、LDTおよび市販の抗体パネルの開発の基礎となっています。

Table 1. 造血器腫瘍の初期評価に用いるコンセンサス試薬12

Table 2. 分化する造血細胞系統を特定するための二次評価用試薬12

近年、10カラー以上のフローサイトメーターが登場したことで、パネルサイズが限定的という障壁はほとんどなくなったため、FCIを使用する診断検査室は、ベセスダガイドラインに記載されているコンセンサス試薬で、より広範囲なスクリーニングパネルが得られるようになりました。

CAPは、白血病およびリンパ腫のフローサイトメトリーの技能試験と、白血病および非ホジキンリンパ腫の疑いのある患者の検体を検査するためのプロトコルを提供しています13。これと平行してFDAは、IVD規制により米国内すべてのIVD製品を監督しています14。ですが、上に述べたFCIのLDTについては、同一検査室内で作製・使用されている場合、FDAまたはその他独立機関による規制審査を受けることなく市場への参入が可能です。メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は、臨床検査室改善修正条項(CLIA)の定めにより臨床検査室を管理していますが、LDTの品質、信頼性、有用性についての見識は限定的です15

これまでも、血液がんFCIにLDTが多用されることについては、業界内で重要な議題でしたが、2009年、CAPは、FDAによるFCI用LDTに監督に関し、さらに議論するよう勧告を行いました。2011年3月、国際血液標準化協議会(International Council for Standardization in Haematology:ICSH)および国際臨床サイトメトリー協会(International Clinical Cytometry Society:ICCS)所属の様々な国の専門家で構成される、臨床検査室向けの細胞ベースの蛍光アッセイの検証を目的としたワーキンググループが設立されました。同グループからの勧告は、2013年に臨床サイトメトリー特集号16に掲載され、公式のガイダンス文書としてFDAと臨床検査標準化機構(Clinical Laboratory Standards Institute :CLSI)に提出され、フローサイトメトリーガイドライン改訂版の基礎となりました。

体外その後、FDAは、学界、政府、研究者、産業界、医師、患者、その他関係者から、造血器腫瘍におけるクリニカルフローサイトメトリーの役割に関する意見を求め、同クラスに分類される体外診断用医療機器に対する規制方針を策定するため、「造血器腫瘍における臨床フローサイトメトリー」に関する公開ワークショップを開催しました17。ワークショップでは、FDAが最初にガイダンスを確立した時に使用されていたのは3カラーおよび4カラーのフローサイトメーターだったのに対し、現在ではLDTの多くが8カラーおよび10カラーのフローサイトメトリーを使用しているため、ますます複雑になっていることを含め、いくつかの問題が議論されました。こうした懸念は、2014年10月の「産業、FDA局員、および臨床検査室のための草案ガイダンス:自家調製検査法(Laboratory Developed Test:LDT)の規制監督の枠組み」にまとめられました18。2017年1月には、「自家調製検査法(Laboratory Developed Test:LDT)」に関するディスカッションペーパー」が発行され19、その中で、FDAによるLDTの監督に関する最終的なガイダンスは発行しないことが示されました20

こうしたイニシアチブと、そこから導かれた結論により、FDAは、フローサイトメーターメーカーの将来の開発に直接関与することとなり、白血病・リンパ腫のフローサイトメトリーによる検出に使用する、初のFDA承認検査であるClearLLab試薬(T1、T2、B1、B2、M)が、2017年6月29日に承認されました21。 2019年、4つの10カラーin vitro診断パネルで構成されるイムノフェノタイピング用試薬、ClearLLab 10Cが、リンパ系と骨髄系ともにFDAの承認を受けました22

最近では、2021年7月に「VALID Act of 2020法案 :Legislation for the Verifying Accurate Leading-Edge In Vitro Clinical Tests Development Act of 2020 (VALID Act)」23が議会に再提出され、体外臨床検査は既存の医療機器規制とは別に規制すべきであり、また、LDTおよびIVDの規制枠組みは、新しいFDAセンターによって構築されるべきである、と提案されました。この法案では、FDAに登録するためには検査室は新しい要件を遵守することが求められ、LDTのリスク分類に応じて、品質要件、上市前レビューと承認、有害事象の報告も必要になる可能性があります24

体外診断(IVD)機器の規制変更は、現行のFCI検査に大きな影響を与えるものと考えられます。2017年に欧州理事会、欧州議会、欧州委員会が合意した「体外診断装置に関する規則2017/746(IVDR)」25が、5年間の移行期間を経て、2022年5月26日より以前のIVD指令(98/79/EC)に代わり発効されました。 この新しいIVDRは、25年以上もの間変更が行われていない現在の欧州の規制システムの強化を目的とするものであり、大きな前進です。新IVDRには、IVDの製造業者とLDTを実施している臨床診断検査室の両方に関係する、以下のような重要な変更が含まれます。

  • 分類システム IVDは、リスクレベルによって4つのクラス(A:低リスク~D:高リスク)に分類されます。この分類クラスによって、規制と評価が異なります。分類の詳細は、本規則のAppendix VIIIに記載されています。
  • 適合性評価手順 旧指令では、多くのIVDは、認証機関の承認を受けなくても、製造業者の責任の下での自己認証でEU市場に製品を投入することができました。今後、IVDは、装置の分類クラスによって、適合性評価の対象となります。クラスB、C、Dに分類される IVDはすべて、適切な認証機関による評価と認証が必要となります。
  • 性能評価と臨床データ 新規則では、これまでよりはるかに詳細なIVDの性能評価が必要になります。臨床データの使用と臨床性能試験に関する特定の要件も定められています。
  • 検査室内でのIVD製造 自家使用を目的として医療機関内で製造されたIVDは、これまで、規制の対象外でした。新IVDRは、検査室内で製造されたIVDにも適用されます。

Figure 1. IVD指令98/79/ECおよび新IVDR規則に基づくLDTとIVDの検証ワークフロー。

新しいIVDRでは、「がんのスクリーニング、診断、病期分類に使用することを目的とした機器」(フローサイトメーターなど)はクラスC機器(Annex VIII)に分類されるため、認証機関による適合性評価の対象となり、性能評価要件を満たさなければなりません26。新規則に適合した臨床検査室は、同等の認定IVDが市販されている場合、LDTを使用することができなくなります。‌LDTを引き続き使用する検査室は、該当のLDTをCEマークし、IVDRのAnnex 1「一般的な安全性とパフォーマンスの要件」および品質管理システムフレームワークへの準拠等、いくつかの新しい基準を満たす必要があります。EUを拠点としない民間臨床検査室であっても、欧州市民の検体をLDTで検査する場合は「遠隔販売」と見なされる可能性が高く、CE IVDマーキングも必要になります27

EuroFlowコンソーシアムは、欧州委員会の支援を受けて、2006年に第6フレームワークプログラムの特定ターゲット研究プロジェクト(STREP)として設立されました。このプロジェクトは当初、血液腫瘍の迅速で高感度な診断とフォローアップのためのフローサイトメトリー検査の開発を主な目標としていました28。EuroFlowの主な目標として、イノベーション(血液腫瘍の診断と分類のための新しいフローサイトメトリーツールと戦略の開発)、および信頼性と再現性の高いアッセイの標準化、および、各ラボおよび国における自動化を掲げていました。

このプロジェクトの成果は、2012年に発表され2930、8カラー抗体パネル用の最適な蛍光色素の組み合わせの選択、機器設定に推奨されるプロトコル、蛍光色素補正とサンプル調製、採用されたデータ分析戦略の詳細が示されました。報告書には、このような手法の再現性について、マルチセントリックに評価した結果も含まれていました。

EuroFlowが開発した標準化パネルとSOPは、これまでさまざまなメーカーの8カラー以上のフローサイトメーターで検証が行われています31。これらの抗体パネルは、長い間、完全な技術的および多臨床施設による検証を受けた唯一の抗体パネルであったため、世界中の多くの診断センターで、ローカルパネルおよびイムノフェノタイピング戦略の評価に用いられました。このガイドラインを完全に採用している診断検査室も多い一方、検査室に合わせて適応させている検査室も存在しており、試薬をどの業者からでも自由に購入できることと併せて、検査室間で結果にばらつきが生じる原因となっています。

EuroFlowコンソーシアムはStrepプロジェクト期間終了時に欧州科学財団血液腫瘍学研究室(European Scientific Foundation for Laboratory Hemato-Oncology)に統合されました。以来、白血病やリンパ腫の診断・分類の分野で活動を拡大し続けています32

FCI用標準化試薬の利点

フローサイトメトリーによるイムノフェノタイピング(FCI)は、造血器腫瘍の臨床診断に大きな可能性を持ちながら、まだ十分には活用できていません。自家調製検査法(Laboratory Developed Test:LDT)が多く使用されていますが、LDTはセットアップが複雑で時間がかかり、特にSOPが厳密に守られていない場合、結果が一貫性に欠ける可能性があることから、検査室にはいまだに多くの課題が残ったままとなっています。FCIの試薬とガイドラインの標準化は、臨床検査室と臨床医、そして患者の双方に多くのメリットをもたらします。

信頼性の向上

FCIのLDTでは、スクリーニングパネルに用いる抗体カクテルをマニュアルで作製します。マニュアル分注を伴うプロセスは、人的ミスやピペットのキャリブレーションが正しく行われていないことが原因で、エラーが起こりやすいものです。また、液状試薬は、時間の経過とともに劣化するリスクを伴います。乾燥状態の試薬が事前調製(プレミクス)された標準化抗体パネルの場合、調製工程での上記のようなリスクが取り除かれます。コントロール細胞がとあらかじめ調製セットされた標準化検査パネルを使用することで、検査結果に確信を持つことが可能です。

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コストの削減

フローサイトメーターの購入に伴うコストは高額であるため、この投資に対するリターンを最大限に高めるには、フローサイトメーターで実施する検査の効率と精度を確保しなければなりません。LDTの抗体調製は非常に複雑なことから、フローサイトメトリーのパネル調製を専門に担う技師を配置する検査室もあり、コストが非常に高くなる一因となっています。一方、標準化された試薬では、マニュアルでの調製作業が不要で、ムダやエラーが減り、大きな節約につなげることが可能です。

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‌ワークフロー効率の改善

自家調製検査(LDT)では、検査室独自で開発したパネルをマニュアルで作製して使用することが多く、その場合、それぞれの抗体を個々に調製した後、バリデーションします。それが終わればカクテルを作製し、抗体を組み合わせたカクテルとしての特異性を再バリデーションしなければなりません。抗体を混合したことでバリデーション結果に影響が出てしまった場合は、さらに調整 が必要になることもあります。通常のバッチテスト、安定性テストに加え、品質保証全般で、各国の規制を遵守し、適正に文書を管理しなければなりません。調製にかかるこうした作業は、最先端の10カラーフローサイトメーターを使用している場合は特に、ワークフローの大きな部分を占めることになります。標準化された試薬の使用することで、ワークフローが短縮され、より早く結果が得られるだけでなく、手作業による繰り返し作業をなくし、データ解析に注力することが可能になります。

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施設間比較

検査のセットアップや結果解析が複雑でばらつきがあることが、最近まで、臨床データの共有と教育の障壁となっていました。別施設で行われた検査の場合、同じコンセンサスガイドラインに基づいて行われたとしても、標準化された単一のアプローチが使用されていなければ、結果を施設間で比較することはできません。世界規模で標準化された試薬および手順を用いて検査を行うことで、共同研究、データ共有、教育の体制が整い、臨床教育と臨床研究の質が共に向上します。標準化されたアプローチを用いて得られた結果は、国際ガイドラインへの準拠が確保され、プロトコルのセットアップや結果の解釈のばらつき等の交絡要因が取り除かれます。

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臨床医/患者さまへのサポート

臨床医が正しい診断、適切な治療決定を行うには、検査結果が正確である必要があります。検体検査結果の解釈や症例結論が適切でない場合、患者にとって深刻な結果が生じる可能性があります。標準化された検査では、臨床医は得られた結論について自信を深めることができ、その検査が仮に別の場所で行われたとしても、同じ結論が導かれたであろう、と認識できることで、患者に質の高い医療を提供することが可能です。患者にとっては、的確な検査結果をより速く得られることにより、適切な治療を可能な限り早期に開始することが可能となることから、良い転帰につながる可能性が高まります。

ケースブックは こちらからご覧いただけます。

おわりに

血液がんを扱う臨床診断検査室では、標準化された試薬と操作手順を用いることで、効率と信頼性を向上させ、コストを削減することが可能です。標準化により迅速かつ正確に治療を開始できるため、臨床医と患者の双方にメリットがあります。こうした検査の開発をさらに進め、治療マーカーと併用して治療効果を評価し、治療への応答者と非応答者を評価し、微小残存病変(MRD)を検出できる可能性があります。

検査がWHOのコンセンサスガイドラインと確実に一致していれば、報告された結果は世界中で認められます。また、体外診断分野は患者の安全確保のため規制の強化が進んでいますが、各国の規制に適合したIVDを使用すれば、検査室は追加評価のためにLDTの提出を求められることもありません。

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