ClearLLab 10カラーパネルの性能:ロット間再現性

Li Yang, Jin Zhang, Lidice Lopez Research and Development, Beckman Coulter Life Sciences, Miami, FL 33196

はじめに

ClearLLab 10C*パネルは、リンパ系および骨髄系抗原に結合する抗体が乾燥試薬フォーマットでプレミックスされた4本のマルチカラーチューブ(T細胞、B細胞、M1細胞、M2細胞チューブ)で構成されています。各チューブは、異なる細胞表面抗原に結合する10種類のモノクローナル抗体試薬またはポリクローナル抗体試薬で構成され、それぞれに特定の蛍光色素が標識されています。 本試験の目的はClearLLab 10C*パネルの4本のチューブそれぞれについてロット間の変動性を評価することです。それぞれのマーカー/ポピュレーションについて陽性率を求め、各マーカーの再現性(%CV)を評価し、合格基準と比較しました。

方法

ClearLLab 10C*の4つのパネル試薬の3種類のロットを、3ドナーから得た試料を用いて、3回繰り返して検証を行いました。通常は正常な試料で発現しないマーカーの評価を行うため、代替の細胞/細胞株を使用しました。CD123の評価には好塩基球細胞、CD10の評価には巨核球細胞を使用しました。CD34の評価には、KG1a細胞を正常血液試料にスパイクして使用しました。CD117の評価にはMo7e細胞を正常血液試料にスパイクして使用しました。データの取得にはハイエンドクリニカルフローサイトメーターNaviosを使用しました。データ解析にはKaluza Cソフトウエアを使用し、各マーカー/ポピュレーションの陽性率を評価しました。サンプルごとに変動要因の分散成分を推定しました。サンプルの変動は、繰り返し可能性とロット間ばらつきの合計から推定されました。標準偏差(SD)と変動係数(%CV)は変動要因の推定から求めました。サンプルの変動性(%CV)を、再現性の合格基準(≤20%)と比較しました。

材料

  • 正常ヒト全血試料(ベックマン・コールター社内ドナープログラムより提供)
  • KG1aおよびMo7e細胞株(ベックマン・コールター社製品)

Table 1. ClearLLab 10C*パネル

1Pacific Blue. 2APC-Alexa Fluor 700. 3APC-Alexa Fluor 750.

Table 2. 評価するマーカー/抗原および細胞ポピュレーション

Table 3: 陽性率を評価するマーカー/ポピュレーション*

* List as marker/input gate; Leukocyte=CD45+CD34-

Table 4. B細胞チューブのドナー別%CV

Table 4~Table 9の表中、「P」はパーセント、「CV% of Within Sample」は標本ごとの各マーカーの再現性を示す。

Table 5: T細胞チューブのドナー別%CV

Table 6: M1細胞チューブのドナー別%CV

Table 7: M2細胞チューブのドナー別%CV

Table 8: M2細胞チューブのドナー別%CV(CD117の評価)

Table 9: M2細胞チューブのドナー別%CV(CD123の評価)

おわりに

ClearLLab 10C*の4つのパネル試薬のロット間再現性を、3種類のロット、3ドナーからの試料を用い、3回繰り返して検証した結果、変動は仕様の範囲内である20% CVでした。従って、合格基準を満たす結果が得られました。

得られたデータから、ClearLLab 10C*の4つのパネルは、異なるロット間でも一貫した性能を有することが実証されました。

謝辞

この研究にご協力いただいたRobert Magari、Karen Lo、Fatima Boudiaf、Cecile LoucifそしてApollo 10Cプロジェクトチームの全メンバーに感謝を表します。

*研究用試薬です。非ホジキンリンパ腫のみに対応。

Leukemia and Lymphoma

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