RNAdvance Blood 性能データ
RNA安定化採血管からのRNA抽出
RNAdvance BloodはSPRI磁性ビーズ技術を用いたRNA抽出試薬キットで、PAXgeneチューブで採取した血液から高品質なRNAを抽出することができます。また、ベックマン・コールターの自動分注機Biomekシリーズを用いて、96ウェルプレートでの自動抽出処理も可能です。RNAdvance Bloodを用いてPAXgene保存血液から抽出したRNAには、検出可能なゲノムDNAやその他のPCR阻害物質は除去されています。
- PCRベースの下流解析に適する抽出RNA
- 高品質なRNAを抽出
- ゲノムDNAなどの夾雑物を効率的に除去
安定して分解程度の少ないRNA抽出
同じ日に同じドナーから採取された3種類のチューブからサンプル採取しました。すべてのサンプルは氷上または4℃に静置し、採血後6時間以内にRNA抽出しました。RINスコアの平均値は9.4、標準偏差は0.4でした。RINスコアは、Agilent Bioanalyzer 6000 RNA Nano Assayを用いて評価しました。

RNAdvance Bloodは他の試薬キットより高収量
Figure 3では抽出RNAをThermo Fisher NanoDropで定量し、Figure 4では抽出RNAをThermo Fisher NanoDropを用いて純度を評価しました。エラーバーは、3回のテクニカルレプリケートの標準偏差を示します。RNAdvance Bloodで抽出したRNAは、下流アプリケーションでの使用に適することが分かりました。

安定したパフォーマンスのRNAdvance Blood
Figure 5では2人のユーザーによって、それぞれ6人のドナーから供与された血液から24時間以内にRNAが抽出されました。抽出RNAはThermo Fisher NanoDropを用いて定量しました。どちらのユーザーも同程度のRNA量を抽出できました。エラーバーは、3回のテクニカルレプリケートの標準偏差を示します。

RNAdvance BloodはDNAとPCR阻害物質を除去し、下流のPCR解析での使用に最適
βアクチン遺伝子(ActB)のエクソン4と5にまたがるように設計されたプライマーセット(Forward: 5´- gacttcgagcaagatgg-3´; Reverse: 5´-agcactgtgttggcgtacag-3´)を用いて、PCR増幅(327bp アンプリコン)をqRT-PCRで評価しました。Figure 6は逆転写なしのコントロールで、下流解析で悪影響を与える可能性があるDNAが除去されていることを示しています。Figure 7では、RNAdvance Bloodで抽出したRNAが良好に増幅したことからPCR阻害物質を十分に除去できていることがわかりました。これらの結果は、抽出RNAが下流PCR解析の使用に好適であることを示しています。
PAXgene採血管で最大4日間保存した血液から、RNAdvance Bloodは高品質のRNAを高収量で抽出
6名のドナーからPAXgene RNA採血管で採血し、4℃で最大4日間保存した後にRNA抽出を行いました。Figure 8では、血液 400μLからのRNA収量は安定して1μg前後であることを示します。また、保存2~4日目の血液からのRNA抽出では、1日目に比べて収量のばらつきが大きい結果となりました。Figure 9では、4日間の血液保存を通して純度に大きな変化はなく、下流アプリケーションでいずれも使用できる純度を示しました。エラーバーは、3回のテクニカルレプリケートの標準偏差を示します。

RNAdvance Blood ワークフロー
- LysisバッファーとProteinase KでPAXgene保存血液を溶解する。
- 核酸を磁性ビーズに結合させる。
- 磁性ビーズと夾雑物を磁力で分離する。
- 磁性ビーズをWashバッファーと70%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
- DNase I処理をする。
- Bind 2バッファーでRNAを磁性ビーズに再結合させる。
- 磁性ビーズを70%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
- 磁性ビーズからRNAを溶出させる。
- RNAを新しいプレートに移す。
カラム式キットと比べて、少ないピペット操作回数かつ短時間でRNA抽出が可能

Figure 10はRNAdvance Bloodまたはカラム式キットを用いたときの、1~96サンプルのRNAを抽出時間を示しています。15サンプルの場合、RNAdvance Bloodの方が短時間で抽出可能でした。Figure 11は、1, 8, 24, 48, 96サンプルの場合に必要な、サンプル分注・混合・チップ廃棄を含むピペット操作回数を示しています。マルチチャネルピペットを使用できるため、カラムベース式キットと比較して必要なピペット操作回数が大幅に少なくなっています。
バッチサイズやスループットに応じて、手動実験と自動処理を選ぶことができます
8, 24, 48, 96サンプルのRNA抽出を行うために必要な手作業時間と合計時間(hour)を表に示します。自動抽出処理はBiomek i7 Hybridで行い、手動実験と自動処理の違いを示しています(NR = 推奨されない処理)。
| RNAdvance Blood | Manual | Automated | ||
|---|---|---|---|---|
| Batch Size | 8 | Hands-on-Time | 1.00 | 0.25 |
| Total Time | 1.50 | 2.50 | ||
| 24 | Hands-on-Time | 1.50 | 0.25 | |
| Total Time | 2.00 | 2.50 | ||
| 48 | Hands-on-Time | NR | 0.25 | |
| Total Time | NR | 2.50 | ||
| 96 | Hands-on-Time | NR | 0.25 | |
| Total Time | NR | 3.00 | ||
製品モデル
RNAdvance Bloodは、スループットに合わせて3種類の製品を用意しています。表の製品番号をクリックして、お見積もりをご依頼ください。詳細についてはRNAdvance Bloodのページをご覧ください。
| PART # | NAME | PREPS |
|---|---|---|
| A35603 | RNAdvance Blood | 50 |
| A35605 | RNAdvance Blood | 96 |
| A35604 | RNAdvance Blood | 384 |
病気などの診断に使用することを意図したものではなく、また検証されたものでもありません。
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