RNAdvance Viral 性能データ

RNAdvance Viral

RNAdvance Viralは、SPRI磁性ビーズ技術を用いたRNA抽出試薬キットであり、最大200µLのだ液またはスワブ輸送液からの高品質なRNA抽出を実現します。マイクロチューブと96ウェルプレートのいずれでも抽出可能であり、さまざまな自動分注機で自動化できる柔軟性も有しています。ウイルスRNA抽出はウイルスカプシドの溶解から始まり、溶解後にSPRI磁性ビーズがRNAと結合し、PCR増幅阻害物質を含む夾雑物を除去する洗浄を行います。

  • qRT-PCRや次世代シーケンス(NGS)などの使用に好適な高品質のRNAを抽出
  • SPRI磁性ビーズ式のRNA精製は、自動化によるハイスループット処理に最適
  • 1 copy/μLの検出性能限界(LoD)をサポートする抽出性能

RNAdvance Viralによるだ液・スワブからのRNA抽出性能

RNAdvanceウイルス性能データ表1

Table 1.  Exact Diagnostics SARS-CoV-2 Standardを1および2 copy/μLのRNA濃度でスパイクした輸送液から、RNA抽出を4回に実施しました。N1、N2、N3遺伝子のqRT-PCRによりCt値を測定しました。1および2 copy/µLを含むサンプルは同じCt値を示し、1 copy/µLの検出限界(LoD)を確認しました。

RNAdvanceウイルス性能データ図1

Figure 1. 1 copy/µLのSARS-CoV-2をスパイクした5つのだ液およびHealthlink UTMサンプルから、それぞれRNAを抽出しました。Ct値は、N1, N2の遺伝子についてqRT-PCRで評価しました。だ液とUTMを比較すると、だ液の方が平均Ct値が1~2低く、N1とN2のSDはそれぞれ0.85と1.78とばらつきは小さかった。

RNAdvance Viral ワークフロー

RNAdvance Viral性能データワークフロー

  1. Lysis LBFとProteinase Kでサンプルを溶解する。
  2. RNAを磁気ビーズに結合
  3. 磁性ビーズと夾雑物を磁力で分離する。
  4. 磁性ビーズをWash WBEで洗浄し、夾雑物を除去する。
  5. 磁性ビーズを70%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
  6. 磁性ビーズからRNAを溶出させる。
  7. RNAを新しいプレートに移す。

50%組織培養感染量(TCID50)試験:Lysis LBFによるSARS-CoV-2の不活化

SARS-CoV-2ウイルスをLBFと混合し、室温で20分、室温で60分、60℃でそれぞれ20分インキュベートしました。ウイルスとLBFの混合物は、ろ過と遠心分離によって細胞の毒性を避けるためにLBFをPBSで置き換えました。この混合液を10倍希釈して細胞に播種しました。Table 3ではTCID50/mLが計算され、LBFがSARS-CoV-2ウイルスを効果的に不活化できることが示されました。

RNAdvanceウイルス性能データ表3

Table 3. TCID50アッセイの結果。3.16 x 102 TCID50/mLに相当する10-2希釈液では、ウイルス誘発細胞変性効果(CPE)のエビデンスは認められませんでした。60℃で20分間の熱不活化を行っても同様の結果が得られました。

ウイルスの不活化をさらに確認するために、細胞にSARS-CoV-2 / LBF溶解混合液を播種しました。5日間の培養後の上清をナイーブ細胞を播種し、TCID50を算出しました(10 TCID50/mL)。この結果から、室温で20分間のLBF溶解により、ウイルス活性が7,940倍以上減少または99.987%以上の効果的なウイルスの不活性化が確認されました。

RNAdvance Viral ワークフロー

RNAdvance Viral 性能データワークフロー

  1. Lysis LBFでサンプルを溶解する。
  2. RNAを磁気ビーズに結合
  3. 磁性ビーズと夾雑物を磁力で分離する。
  4. 磁性ビーズを70%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
  5. 磁性ビーズからRNAを溶出させる。
  6. RNAを新しいプレートに移す。

バッチサイズやスループットに応じて、手動実験と自動処理を選ぶことができます

RNAdvanceウイルス性能データ表4

Table 4. 24, 96, 192サンプルのRNA抽出を行うために必要な手作業時間と合計時間(hour)を示します。自動抽出処理はBiomek i5 Nucleic Acid Solutionで行い、手動実験と自動処理の違いを示しています(NR = 推奨されない処理)。

 

製品情報

RNAdvance Viral  - 768 preps
製品番号:C63510

RNAdvance Viral試薬キットは、RNAを唾液輸送培地およびスワブ輸送培地から単離

 
本製品は研究に用いられるものです。


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