AMPure XP のプロトコル

本プロトコルでは、弊社SPRI磁性ビーズ技術を採用した AMPure XPを用いた96ウェルおよび384ウェルプレートでのPCR産物精製(クリーンアップ)方法について顔説します。本試薬キットは、100 bp以上のDNA断片を選択的に磁性ビーズに結合させるために最適化されたバッファーを採用しています。プライマー、ヌクレオチド、塩、酵素などは簡単な洗浄工程で除去することができます。

注意: 弊社以外の組織によって、AMPure XP を使用したDNAサイズセレクションのプロトコルが公開されていますが、弊社では性能の保証やこのアプリケーションについてのサポートは致しかねます。DNAサイズセレクション専用に開発された弊社SPRIselectのご使用をお勧めします。AMPure XP と SPRIselect の違いについては、こちらのページをご覧ください。

96ウェルプレートの場合の
PCR反応容量(μL)
製品番号
A63880
製品番号
A63881
製品番号
A63882
10 278 反応 3332 反応 25000 反応
20 139 反応 1666 反応 12500 反応
50 56 反応 667 反応 5000 反応
100 28 反応 334 反応 2500 反応
 
384ウェルプレートの場合の
PCR反応容量(μL)
製品番号
A63880
製品番号
A63881
製品番号
A63882
5 556 反応 6667 反応 50000 反応
7 397 反応 4762 反応 35714 反応
10 278 反応 3333 反応 20000 反応
14 198 反応 2381 反応 17857 反応

試薬と実験器具

注意: Biomek i5 Multichannel 96 Genomics Workstation での AMPure XP によるPCR産物精製の自動化の詳細については、こちらのアプリケーションノートをご参照ください

試薬

  • 70%エタノール(用事調製)
  • DNA溶出液:試薬グレードの水、TRIS-Acetate(10 mM pH 8.0)、TE Buffer(10 mM Tris-Acetate pH 8.0, 1 mM EDTA)のいずれか

96ウェルプレートの場合の実験プロトコル

  1. サンプルが入っているプレートが、そのまま使えるかの判断。

    現在の液量を2.8倍した液量が、プレートの容量を超える場合は、300 μLまたは1.2 mL容量に対応したプレートへの移し替えが必要です。

  2. AMPure XP のボトルを振り、沈殿した磁性ビーズを再懸濁します。その後、下の表に従って AMPure XP を加えます:

    サンプル容量(μL) AMPure XP 容量(μL)
    10 18
    20 36
    50 90
    100 180

    サンプル液量と AMPure XP 添加量は、以下の式から求めることができます:

    (AMPure XP 添加量) = 1.8 x (サンプル液量)

    この磁性ビーズ比率については、こちら をご覧ください。

  3. 100 bp以上のDNA断片を磁性ビーズに結合させるための混合を行います。ボルテックスよりもピペッティングの方が再現性は高くなります。溶液の色が均一になるまで混合します:

    —試薬とサンプルをピペッティング10回で十分に混合します。可能な限り高収量とするため、5分間室温で静置します。

  4. 反応プレートを SPRIPlate 96R Ring Super Magnet Plateの上に 2分間静置し、溶液から磁性ビーズを分離します。

    重要: 溶液が透明になるまで十分に分離させてから、次工程に進んでください。

  5. 本工程は、反応プレートを SPRIPlate 96R Ring Super Magnet Plate 上に置いた状態で行ってください:

    —反応プレートから上清を除去します。上清を 5 μL 程度残すようにすると、磁性ビーズの吸引ロスを最小限することができます。

    重要: 磁石に結合した磁性ビーズのリング状形状を乱さないようにしてください。

  6. 重要: 本工程は、反応プレートを SPRIPlate 96R Ring Super Magnet Plate 上に静置した状態で行ってください。磁石に結合した磁性ビーズのリング状形状を乱さないようにしてください。また、ウェル底の70%エタノールをすべて除去してください。

    200 μLの70%エタノールを添加し、室温で30秒間静置してください。その後、エタノールを除去してください。

    重要: サンプルと試薬の合計量が 200 μL 以上の場合には、少なくともこの合計量と同量の70%エタノールを添加してください。

    合計2回の70%エタノール洗浄を繰り返してください。

    磁性ビーズは、70%エタノール中では吸引ロスが起きづらいですので、70%エタノールを可能な限り除去してください。

    重要: エタノールを完全に除去するために、磁性ビーズを乾燥させることもできます。ただし、サンプルが10kb以上の場合は、極力乾燥させないようにしてください(過度な乾燥は収量が落ちます)。

  7. 反応プレートを SPRIPlate 96R Ring Super Magnet Plate から下ろし、溶出液40 μLを加え、ピペッティングで10回混合します。その後、2分間静置します。

    溶出量40 μLの液面は、磁性ビーズと接触するのに十分です。溶出量はさらに多くても問題ありませんが、40 μLより少ない場合には、溶出が不十分となり収量が十分に得られない場合があります。

  8. 反応プレートを SPRIPlate 96R Ring Super Magnet Plate の上に1分間静置し、溶液から磁性ビーズを分離する。

  9. 溶出液(精製DNA)を新しいプレートに移します。

    重要: 最終プレートへの磁性ビーズの持ち込みについては、多くの場合で心配ありません。精製DNAは磁性ビーズと一緒にフリーザーに保存することができ、磁性ビーズはその後の酵素反応に一般的には悪影響を及ぼしません。何らかの理由で磁性ビーズの持ち込みを防ぐ必要がある場合は、2-5 μLの溶出液を元のプレートに残すことで持ち込みを防ぐこともできます。さらに、再度磁気プレート上の分離を行うことも可能です。その場合には、SPRIPlate 96R Ring Super Magnet Plate の上にプレートを1分間静置し、磁性ビーズを再度分離させ、溶出液を別のプレートに移します。

  1. AMPure XP のボトルを振り、沈殿した磁性ビーズを再懸濁します。その後、下の表に従って AMPure XP を加えます:

    注意: ウェル容量の制限から、384ウェルPCRプレートでは14 μL以上のサンプルを精製することはできません:

    (反応液14 μL + AMPure XP 25μL = 39μL)

    サンプル容量(μL) AMPure XP 容量(μL)
    5 9
    7 12.6
    10 18
    14 25

    サンプル液量と AMPure XP 添加量は、以下の式から求めることができます:

    (AMPure XP 添加量) = 1.8 x (サンプル液量)

  2. 100 bp以上のDNA断片を磁性ビーズに結合させるための混合を行います。ボルテックスよりもピペッティングの方が再現性は高くなります。溶液の色が均一になるまで混合します:

    —試薬とサンプルをピペッティング10回で十分に混合します。可能な限り高収量とするため、5分間室温で静置します。

  3. 反応プレートを SPRIPlate 384 Post Magnet Plateの上に 2 分間静置し、溶液から磁性ビーズを分離します。

    重要: 溶液が透明になるまで十分に分離させてから、次工程に進んでください。

  4. 本工程は、反応プレートを SPRIPlate 384 Post Magnet Plate 上に置いた状態で行ってください:

    —反応プレートから上清を除去します。上清を 5 μL 程度残すようにすると、磁性ビーズの吸引ロスを最小限することができます。

    重要: ウェルの側面にスポットを形成している磁性ビーズには、触れないようにしてください。

  5. 重要: 本工程は、反応プレートを SPRIPlate 384 Post Magnet Plate 上に静置した状態で行ってください。磁石に結合した磁性ビーズに触れないようにしてください。また、ウェル底の70%エタノールをすべて除去してください。

    30 μLの70%エタノールを添加し、室温で30秒間静置してください。その後、エタノールを除去してください。

    合計2回の70%エタノール洗浄を繰り返してください。

    磁性ビーズは、70%エタノール中では吸引ロスが起きづらいですので、70%エタノールを可能な限り除去してください。

    注意: エタノールを完全に除去するために、磁性ビーズを乾燥させることもできます。ただし、サンプルが10 kb以上の場合は、極力乾燥させないようにしてください(過度な乾燥は収量が落ちます)。

  6. 反応プレートを SPRIPlate 384 Post Magnet Plate から下ろし、溶出液30 μLを加え、ピペッティングで10回混合します。その後、2分間静置します。

    溶出量30 μLの液面は、磁性ビーズと接触するのに十分です。溶出量はさらに多くても問題ありませんが、15 μLより少ない場合には、溶出が不十分となり収量が十分に得られない場合があります。

  7. 反応プレートを SPRIPlate 384 Post Magnet Plate の上に1分間静置し、溶液から磁性ビーズを分離する。

  8. 溶出液(精製DNA)を新しいプレートに移します。

    注意: 最終プレートへの磁性ビーズの持ち込みについては、多くの場合で心配ありません。精製DNAは磁性ビーズと一緒にフリーザーに保存することができ、磁性ビーズはその後の酵素反応に一般的には悪影響を及ぼしません。何らかの理由で磁性ビーズの持ち込みを防ぐ必要がある場合は、2-5 μLの溶出液を元のプレートに残すことで持ち込みを防ぐこともできます。さらに、再度磁気プレート上の分離を行うことも可能です。その場合には、SPRIPlate 384 Post Magnet Plate の上にプレートを1分間静置し、磁性ビーズを再度分離させ、溶出液を別のプレートに移します。

ご不明な点がございましたら、AMPure XP の取扱説明書をご参照いただくか、フォームにご記入の上、弊社スペシャリストまでお問い合わせください。

製品および実証されたアプリケーションは、診断手順での使用を意図したものでも、検証されたものでもありません。