SPRI磁性ビーズ

SPRI磁性ビーズ技術

SPRI磁性ビーズの原理

SPRI技術は、DNA/RNAを磁性ビーズにサイズ選択的かつ可逆的に結合させる優れた手法です。この技術を用いれば、核酸の抽出・精製、正確なサイズセレクションを高い信頼性で行うことができます。

SPRI磁性ビーズ技術は1990年代にMITのホワイトヘッド研究所で開発された技術で、ヒトゲノムプロジェクト(特にサンガーシーケンシングプロトコルのPCR産物精製)において重要な役割を果たしました。

SPRI技術を利用した当社のゲノム抽出・精製試薬の利用で、より高純度にDNA/RNAサンプルを取得し、正確で信頼性の高いゲノム解析結果が得られます。SPRI技術で調製したサンプルは、PCR、サンガーシーケンシング、次世代シーケンシング (NGS)、マイクロアレイ解析などの様々なアプリケーションに使用できます。

 

SPRI Bead Structure—Beckman Coulter Life Sciences

SPRI磁性ビーズのしくみ

SPRI磁性ビーズは、サイズが1 µm ± 8%で、発泡ポリスチレンのコア部が磁性鉄の薄い膜で覆われているため、磁場で容易に回収することができます。カルボキシル基でコートされた磁性ビーズ表面は電荷を持ち、DNA/RNAと結合することができます。

SPRI磁性ビーズは、固相の核酸結合担体として機能します。当社の核酸抽出・精製試薬は、以下の2つの作用により、SPRIビーズと核酸とを結合させます。

  • 結合バッファーに含まれる試薬濃度により特定のサイズの核酸のみを結合させます。
  • 結合バッファーに含まれる塩がpHを調製し、核酸と磁性ビーズの結合を促します。

SPRI磁性ビーズ試薬の特長

主な特長 利点
磁性ビーズ Biomek i-Series 自動分注機を用いたDNA/RNA抽出・精製自動化が容易(遠心・濾過不要)
磁性ビーズサイズが均一 再現性が非常に高い
表面が負荷電を帯びている カオトロピック塩を使用せず、水溶液で溶出可能
表面にスチレンが露出しない 非特異的な結合が少ない
質量に対する高い表面積比率 核酸結合能が高い
磁性ビーズの集磁が速い 精製が速い
様々なサイズの製品を提供 自動化においても試薬の無駄を抑えられます
AMPure XP Bead Cleanup - Time-Lapse Video

96ウェルプレートを用いたAMPure XPによるDNAの手動精製工程で、SPRI磁性ビーズがに磁石に引き寄せられる様子のタイムラプス動画

SPRI磁性ビーズ試薬のDNA/RNA精製ワークフロー

STEP 1: 結合 STEP 2: 洗浄 STEP 3: 溶出
SPRI Bead Workflow—Step 1: Binding SPRI Bead Workflow—Step 2: Washing SPRI Bead Workflow—Step 3: Elution
SPRI磁性ビーズをサンプル溶液に加えます。結合バッファーの作用により、核酸は磁性ビーズ表面に結合します。 磁力で磁性ビーズを溶液から分離します。夾雑物を除去し、磁性ビーズを洗浄します。 磁性ビーズから、精製核酸を溶出させ、回収します。

SPRI技術の優位性とは

SPRI技術のメリットをご理解いただくために、こちらのウェビナーをご覧ください。

  • SPRI磁性ビーズによる核酸抽出・精製の利点
  • SPRI磁性ビーズの使用でパフォーマンスの向上が見込まれるアプリケーション
  • ワークフローにSPRI磁性ビーズを組み込む方法
  • ご自身のワークフローに最適な試薬キットを見つけるには

適切なDNA/RNA抽出・精製試薬キットを選ぶことが重要です

当社のSPRI磁性ビーズ試薬は、核酸の抽出・精製、サイズセレクションのソリューションを提供します。SPRI磁性ビーズ試薬をお客様のワークフローに組み込むことで、サンプルの品質と収量の向上、ワークフローの効率改善が可能です。

これらの製品は、疾患の診断への使用を意図したものではありません。また検証も行っていません。