SPRIselect 性能データ

SPRIselect の DNA サイズセレクション

次世代シーケンス(NGS)は、現在のジェノミクス研究における最も重要な技術です。NGSアプリケーションごとに様々なライブラリー調製手法があり、DNAのサイズセレクションについては柔軟なソリューションが求められています。ライブラリDNAのサイズは、シーケンス結果に非常に大きな影響を与えます。SPRISelectは、研究者がDNAサイズセレクション条件をより柔軟にコントロールできるプロトコルになっています。ベックマン・コールターのSPRI(Solid Phase Reversible Immobilization)磁性ビーズ技術により、SPRIselectは高い再現性と柔軟なカスタマイズ性を併せ持つDNAサイズセレクションを提供します。

  • 150~800bpの範囲でDNAサイズセレクションが可能であり、様々なアプリケーションやシーケンサーに柔軟に対応可能
  • SPRI磁性ビーズ技術により、ゲル電気泳動などの特別な装置が不要
  • 96ウェルプレートでのハイスループット処理は、手動実験から自動処理に簡単に移行可能

 

ダブルサイズセレクションの性能

レフトサイドセレクションでは目的のサイズよりも小さいDNAを除去し、ライトサイドセレクションでは目的のサイズよりも大きいDNAを除去します。レフトサイドセレクションとライトサイドセレクションを両方行うことにより(ダブルサイズセレクション)、より狭い範囲のDNAサイズにフォーカスすることができます。

SPRISelect-left size selctionSPRISelect-right size selection

 

SPRISelect-overlay of left and right size selectionsSPRISelect-double size selection
SPRISelect-overlay of left and right size selections

 

断片化した大腸菌ゲノムDNAをサンプルとしたダブルサイズセレクションに、SPRIselectを使用しました。(Figure A)400bpを取得するためのレフトサイドセレクション条件。(Figure B)200bpを取得するためのライトサイドセレクション条件。(Figure C)レフトサイドセレクション結果(赤)とライトサイドセレクション結果(青)の重ね合わせ。(Figure D)ダブルサイズセレクションでは、200~400bp間のターゲット領域が取得されています。DNAサイズはAgilent 2100 Bioanalyzer high sensitivity chipを用いて測定しました。35bpと10300bpのピークは内部マーカーです。

 

再現性と柔軟性

SPRISelectは、実験間および製品ロット間の再現性を保証する厳しい仕様で製造されています。

SPRISelectを使用して、断片化した大腸菌ゲノムDNAをサンプルとした2つの条件でのサイズセレクションを行いました。各条件で3回の独立した実験を行いましたが、各実験結果は非常に再現性の高い結果でした。(左)0.5x条件でレフトサイドセレクションを行っています。(右)0.5x条件でライトサイドセレクションを行っています。DNAサイズはAgilent 2100 Bioanalyzer high sensitivity chipを用いて測定しました。43bpと115bpのピークは内部マーカーです。

SPRISelect-Size selection ration of 0.5xSPRISelect-E coli size selection-ratio 0.5x

(左)0.5x サイズセレクション条件(右)0.5x サイズセレクション条件

 

他の試薬キットより短いハンズオン時間

SPRISelectと他の2つの試薬キットを用いて、断片化した大腸菌ゲノムDNA 8サンプルのサイズセレクションを行った。(左)レフトまたはライトセレクションまたはDNA精製に要する時間を表しています。SPRISelectは他の2つの試薬キットと比較して、それぞれ4.2倍、2倍早い処理が可能でした。(右)ダブルサイズセレクションに要する時間を表しています。SPRISelectは、サプライヤーAとサプライヤーBに比べて、それぞれ3.8倍と2倍早い処理が可能でした。SPRISelectは3つの試薬キットの中で最も処理が早く、少なくとも2倍の差がありました。

Genomics SPRISelect Cleanup TimeGenomics SPRISelect Size Selection Time

 

SPRIselect レフトサイドセレクション ワークフロー

ターケットサイズより大きいDNAを取得します。

Genomics SPRIselect Left Side Size Selection Workflow

  1. 磁性ビーズにDNAを結合させる。
  2. 磁性ビーズと夾雑物(必要のないサイズのDNAを含む)を磁力で分離する。
  3. 磁性ビーズを85%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
  4. 磁性ビーズからDNAを溶出する。
  5. DNAを保存用のプレートに移す。

 

SPRIselect ライトサイドセレクション ワークフロー

ターゲットサイズより小さいDNAを取得、またはターゲット範囲内のDNAを取得します。

Genomics SPRIselect Right Side Size Selection Workflow

  1. 磁性ビーズにDNAを結合させる。
  2. 上清(必要のないサイズのDNAは磁性ビーズに結合している)を新しいプレートに移す。
  3. 磁性ビーズにDNAを結合させる。
  4. 磁性ビーズと夾雑物(必要のないサイズのDNAを含む)を磁力で分離する。
  5. 磁性ビーズを85%エタノールで洗浄し、夾雑物を除去する。
  6. 磁性ビーズからDNAを溶出する。
  7. DNAを保存用のプレートに移す。

 

手動でも自動でも簡単にサイズセレクション

SPRISelectを使用して、8, 24, 48, 96サンプルでダブルサイズセレクションを行うために必要なハンズオン時間(手作業に要する時間)と合計時間(分)。手動実験および自動分注機Biomek i7 Hybridによる自動処理の両方でダブルサイズセレクションをそれぞれ行ったときの所要時間を表に示します。NR = Not Recommended

SPRISelect Manual Automated
Batch Size 8 Hands-on Time 10 10
Total Time 20 40
24 Hands-on Time 15 10
Total Time 25 42
48 Hands-on Time NR 15
Total Time NR 51
96 Hands-on Time NR 15
Total Time NR 60

 

製品モデル

PART # NAME PREPS
B23317 SPRISelect Reagent 5 mL
B23318 SPRISelect Reagent 60 mL
B23319 SPRISelect Reagent 450 mL

 

 

本製品は病気などの診断に使用することを意図したものではなく、また検証されたものでもありません。


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