ISO 11171の理解:NISTトレーサブルなパーティクルカウンター校正規格

自動液中パーティクルカウンター(LPC)は油圧オイル中の汚染度のモニタリングによって、成分および部品の清浄度を確認し、有効性をふるいにかけ、格付けを区分します。1999年以前は、油圧オイルに適応されるLPCの校正にはISO 4402、およびAC Fine Test Dust(ACFTD)が用いられており、その不十分さが指摘されていました。

1999年のISO 11171発行をもって、手順についての統計学的手法、汚染制御下でのサンプルの作成およびトレーサビリティなどを含む、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)トレーサブルな校正方法が確立したことで、オペレータの貴重な時間を節約しつつ、より正確かつ再現性のあるパフォーマンスデータが生成されるようになりした。LPCの正確度および信頼性もまた改善され、航空宇宙、油圧、発電、および軍事産業など、様々な業界において非常に有用なものとなりました。

校正の変化、影響、および課題

ISO 11171:1999によって、容量測定の再現性、分解能、計測の正確度に必要な、LPCの性能仕様の基礎が確立されました。 

NIST認定の校正用懸濁液(SRM 2806)
分析手順のバリデーションのための統計手法
最低限の装置性能要件および操作制限
重要なサンプル分析の規格(トレンドデータにおける体系的なエラーを明らかにするために、各サンプルについて多重計測を3回)
LPCの閾値ノイズレベル、同時計数誤差および流量限界を定義しなくてはならない 

光学的なパーティクルカウンターの校正に用いられる懸濁液においては、ISO MTD(Medium Test Dust)がACFTD(Air Cleaner Fine Test Dust)に替わって用いられることになりました。新たに一次校正用として用いる懸濁液(SRM 2806)は、パーティクルカウンターの校正用として、より優れた適切性が証明されており、NISTトレーサブルでもありましたが、SRM 2806を用いた校正規格では、ACFTDに基づく懸濁液とは異なる校正データが生成され、結果的に、MTDに基づく懸濁液を用いて校正した装置でのサンプルの測定に関しては、より汚染度が高いという結果がもたらされました。

これを受けて、ISO 4406の報告に関する規格が改訂され、粒径 4 µm(c) 超、6 µm(c) 超、14 µm(c) 超の粒子の計測についてまとめた、3段階で構成される清浄度コードが生成されましたが、実際のコード表は変更されませんでした。ラボ型パーティクルカウンターHIACH 8011+、およびポータブル型パーティクルカウンターPODS+などといったISO 11171に基づいて校正済みの光学的パーティクルカウンターでは、こうした計測が可能です。これらの改訂によって、油の分析報告書における計測データと清浄度コードの変化が最少化されましたが、過去に報告されていた粒径(2 µm、5 µmおよび15 µm)を4 µm(c)、6 µm(c)、および14 µm(c) に替える必要が生じました。

2014年の中頃、NISTは第3バッチの認定一次校正懸濁液であるSRM 2806bを発表しました。この新規格に基づく計測結果は、使用されたテストダストの濃度が高く、認定プロセスの正確性も高いため、前バッチのものより明らかに高くなりました。新たなMTDの成分が公表されていなかったことによる情報不足のため、高濃度、およびより正確な認定の影響を定量することは困難でした。  

実際のサンプリングでは、SRM 2806bトレーサブルに校正されたパーティクルカウンターで計測した場合の粒子数が、著しく増加していました。その結果、サンプルは汚染されていると「みなされ」、フィルターが「効果的ではない」と判断されました。これらは粒子計測についての2つの異なるISO校正に基づいて測定されたために、その結果が異なっていました。