環境モニタリング

医薬品の製造管理および品質管理に関する基準(GMP)では、バイオ医薬品製造における、クリーンルーム内の空気清浄度に関する条件が規定されています。特に人体表面の微生物は、まさに危険性があります。人体から脱落する皮膚細胞は、1時間あたり約30,000個にもおよび3、そのすべてが潜在的に微生物を有しています。しかし、リアルタイムで浮遊微生物を検出できる技術は現状存在しないため、気中パーティクルカウンターが代用されています。 1

清浄度クラス/グレード

EUのGMPおよび米国のcGMPでは、空中浮遊粒子数/m3によって清浄度クラス/グレードを定義しています2。クリーンルームのクラス/グレードについては、米国のcGMPとEUのGMP間には根本的な違いがあります。最も大きな違いは、EUのGMPではクリーンルームを分類した上で0.5 µm以上の空中浮遊粒子だけでなく5 µm以上の粒子についてもモニタリングすることが求められていますが、米国のcGMPでは、クリーンルームを分類した上で0.5 µm以上の空中浮遊粒子についてのみモニタリングすることが求められている点です。

清浄度クラス(0.5 µmの粒子数/ft3) ISOクラス 0.5 µm以上の許容粒子数/m3 浮遊微生物濃度 (cfu/m3) 落下微生物濃度(直径90 mm;cfu/4時間)
100 5 3,520 1 1
1000 6 35,200 7 3
10,000 7 352,000 10 5
100,000 8 3,520,000 100 50

図1. 米国のcGMPで規定されているクリーンルームの清浄度クラス

 

各粒径以上の微粒子の1 m3あたり最大許容粒子数
非作業時 作業時
グレード 0.5µm 5.0µm 0.5µm 5.0µm
A 3,520 20 3,520 20
B 3,520 29 352,000 2,900
C 352,000 2,900 3,520,000 29,000
D 3,520,000 29,000 Not defined Not defined

図2. EUのGMPで規定されているクリーンルームの清浄度グレード

図1および2の表に示されているとおり、米国のcGMPでは非作業時におけるクリーンルームの清浄度を各クラスについては定められていませんがEUのGMPではこれら2つの状態を区別しています。また、2つの指針にみられる3つ目の大きな相違点は、米国のcGMPには Class 100(GMPのグレードAに相当)とClass 10,000(GMPの作業時のグレードBに相当)の間にもう1つクラスがあり、一方でEUのGMPには非作業時に0.5 µm以上の粒子数が3,520,000以下と定義されるグレードDがあることです。

 

参考文献

  1. Harrison, Tony. “Automating Biopharma Quality Control to Reduce Costs and Improve Data Integrity.” Beckman Coulter Life Sciences. Page 3, PART-3506WP02.18 February, 2018.
  2. Harrison, Tony. “Changes to GMP force cleanroom re-classifications.” Beckman Coulter Life Sciences. Page 1, PART -1352WP02.16-A. February 2006.
  3. Health How Stuff Works, How many skin cells do you shed every day?, by Ed Grabianowski. http://health.howstuffworks.com/skin-care/information/anatomy/shed-skin-cells.htm, published July 6, 2010.

Products for Environmental Monitoring

施設内モニタリングシステム(FMS)

EU GMP Annex 1、FDA、および各国の品質システムコンプライアンスに準拠した、オープンアーキテクチャーコミュニケーションに基づいたオンラインパーティクルモニタリングシステム

MET ONE 3400

クリーンルーム環境モニタリングに適したポータブル気中パーティクルカウンター

MET ONE 6000

0.3/0.5 μm の測定粒径でISO 21501に準拠したオンライン気中パーティクルカウンター

MET ONE HHPC+ シリーズ

MET ONE HHPC+シリーズは、 軽量なためISO Class 5から7までのモニタリングを容易に行えます。スクリーンの大きさと、USBケーブルやメモリースティック、ethernet接続から簡単にデータダウンロードが可能な点も特徴の一つです。

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