心血管疾患

心血管の疾患

心血管疾患(CVD)は心臓や血管に様々な病態をきたす疾患群であり、世界的に死因の第1位となっています。CVDには多様な病型が存在しますが、概ね、6つの主要な疾患に分類されます。

  • 冠動脈性心疾患 – 心筋への血流が遮断されることで発症する疾患で、通常、血管内に内腔を狭窄する脂質沈着物(プラーク)が蓄積することによって起こります。冠動脈が部分的に閉塞すると狭心症(胸痛)が生じ、完全に閉塞すると、心筋梗塞(心臓発作)を引き起こす可能性があります。
  • 脳血管疾患 – 脳血管内の血液循環が遮断される、または低下することで発症します。脳血管疾患(脳卒中)は、主に以下のタイプに分けられます。
    • 一過性虚血発作(TIA)– 神経症状が24時間未満で消失する閉塞。
    • 脳梗塞(血栓性)– 完全閉塞によって脳組織が損傷し、神経症状が長期間に及ぶ、より重篤な病態。
  • 末梢動脈疾患 – 四肢(主に下肢)への動脈血流が妨げられることで生じ、最も一般的な症状として、歩行時生じる足の痛み(片側または両側)が挙げられます。末梢血管疾患とも呼ばれます。

CVDおよび血管障害に含まれるその他の疾患には、以下が含まれます。

  • 不整脈(心臓の正常な拍動リズムが乱れる状態)
  • リウマチ性心疾患(連鎖球菌感染に起因する心筋および心臓弁の損傷)
  • 先天性心疾患(先天的な欠陥により、心臓の発生や機能に異常が生じる疾患)

心血管疾患改善のための新技術

成体の心臓は体内で最も再生能力の低い器官の1つであり、心臓組織の損傷は、それが進行性疾患によるものであれ、心臓発作のように突発的に生じるイベントによるものであれ、容易には回復しません。予後および治療成績の改善を目指す取り組みが継続的に行われる中、近年の医学的・技術的進歩が、複数の分野で有望であることが示されています。

  • 心筋組織作製–心筋細胞(CM)は、これまで実験室で培養が困難とされてきました。開発が進められている新しい三次元の「足場基質」は、心筋細胞の増殖と成熟をより効果的に促すことが期待されています。
  • ゲノム編集–遺伝子変異の修復や心筋細胞の成熟促進に用いられる幹細胞ベースの治療法で、アポトーシス(プログラム細胞死)に関与する遺伝子の指令体系について有用な知見をもたらす可能性も示されています。
  • 機械学習–自己学習型のコンピュータアルゴリズムを用いて、成熟過程および成熟後における幹細胞由来心筋細胞の特性を評価します。
    心筋細胞のゲノム編集

参考文献

4 Types of Heart Disease — and How to Help Prevent Them. Keck Medicine of USC. Available from URL: https://www.keckmedicine.org/.

Cardiac Tissue Engineering: Current State-of-the-Art Materials, Cells and Tissue Formation. PubMed Central (PMC). Available from URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/.

Cardiovascular Disease - Illnesses & Conditions. NHS Inform. https://www.nhsinform.scot/.

Cardiovascular Diseases (CVDs). World Health Organization, https://www.who.int/.

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