ISHAGEガイドライン

下記のCD34陽性細胞数測定の要件は、1996年ISHAGEガイドライン1、1998年の1998年の改訂版「シングルプラットフォーム法ISHAGEプロトコル」2、UK NEQASが2012年に公表したガイダンス文書6を根拠とするものです。

ISHAGEガイドライン

AQUIOS STEM システム

  • あらゆる状況に対応する予防措置を採用し、適切な安全手順を使用する1
  • AQUIOS CLではキャップ付きの検体チューブを使用できるため、オープンバイアルの採血管などバイオハザードの可能性がある物質への暴露を最小化します。
  • Acid citrate dextrose formula A(ACD-A)は、アフェレーシス手順で用いられる抗凝固剤である1
  • EDTAは、末梢血検体に用いられる抗凝固剤である1
  • AQUIOS STEMシステムは、Table 2. AQUIOS STEM System Parametersに示す検体タイプでパラメータの検出が実証されています。
  • 評価済の抗凝固剤には、アフェレーシス検体用のACD-Aと末梢血血液サンプル用のEDTAがあります。
  • 検体には、少なくとも、患者氏名、患者識別番号(ID)、検体採取の日時をラベルする1
  • 検体チューブにバーコードが付されており、かつ、LIS接続が有効である場合、システムはLISから検査依頼を自動的に読み出します。バーコードのない検体チューブの場合、検体IDと患者背景データ(年齢、性別等)をマニュアル入力することが可能です。
  • システムは内蔵のスキャナを使用してオートローディングするサンプルをトラッキングします。サンプルIDと検査依頼をマッチングし、患者情報は、サンプル処理の間いつでも容易にアクセスできます。
  • AQUIOS STEMソフトウエアでは、患者ID、性別、生年月日、検体採取日、解析実施日、担当医師名、担当医師コード、ロケーション、採取量、体重、検体希釈倍数などのデータを追加できます。
  • ラボ施設は装置の精度保証記録および基準を満たした精度管理手順を維持しなければならない。試薬は全て、反応性が適切であるか検証する1
  • AQUIOS STEM CD34コントロール細胞は安定化したヒト全血サンプルで、CD34およびCD45のパラメータの検証に使用するAQUIOS STEMシステムの構成品です。QCデータの結果はロットごとにQCデータベース内でモニタリングされます。
  • AQUIOS試薬は、試薬のタイプ、ロット番号、容器番号、使用期限、試薬残量を、固有のバーコード識別でトラッキングしています。システムは、サンプル処理時の試薬の使用量をモニタリングします。
  • 確立された標準作業手順書に従い、装置のPMTボルテージの確認と調整を毎日行う1
  • AQUIOS CLの装置ボルテージは、Flow-Check FluorosphereによりAQUIOS STEMシステム専用のモニタリングが行われます。
  • 確立されたラボの試験実施適正基準に従い、装置のコンペンセーションの確認と調整を行う1
  • コンペンセーションの調整が必要となるのは、下記のような状況を含む、ごくまれなケースに限られます。
  • コンペンセーションを初めて実施するイントール時。
  • アフターサービスの実施時、測定結果の確認によりオペレータがコンペンセーションの調整が必要と判断した場合。
  • 二重測定のCD45陽性細胞数に差(3%以上)がある場合は、装置のフロー系に問題があるか、あるいは赤血球溶血が不完全である可能性がある1
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、AQUIOS STEM ビーズの数 vs Timeパラメータを表示します。
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、各測定のCD45陽性細胞(WBC)について、生細胞数と総数の両方を表示します。
  • 全ての検体について、リストモードのデータを保存する1
  • AQUIOSシステムは、検査依頼、結果、ユーザ情報をサーバのデータベースに保存します。このデータベースのバックアップ版を作成することも可能です。
  • ゲーティングおよび解析ヒストグラムは、プリントアウトしてハードコピーを保存する1
  • AQUIOS STEMソフトウエアでは、選択した解析ヒストグラムを含め、各測定のレポートをプリントアウトすることができます。
  • 解析担当者の識別情報を記録する1
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、検査実施時にシステムにログインしたユーザの情報を記録します。さらに、検査を実施した医師の名前とIDをマニュアル入力することも可能です。プリントアウトしたレポートには署名欄があります。
  • CD34陽性細胞は、散乱光の特性とCD45-FITC/CD34-PEを用いた2カラー免疫蛍光法で検出する1, 2
  • AQUIOS STEMキットには、2カラー蛍光(FITC, PE)モノクローナル抗体試薬が入っており、ISHAGEガイドラインが推奨するゲーティングと陽性細胞検出法に沿ったものです。
  • CD34クローン:クラスIIまたはクラスIII抗体。PE等明るい蛍光色素で標識。推奨クローン:581、8G12、QBend101, 2
  • AQUIOS STEMキットはPEで標識したCD34クローン581(クラスIII)を使用しています。
  • CD45クローン:抗体は全てのアイソフォームと糖鎖の検出が可能でなければならない。FITCで標識。推奨クローン:J33。選択可能なクローン:HLe-1、KC561, 2
  • AQUIOS STEMキットはFITC で標識したCD45クローンJ33を使用しています。
  • 溶血試薬:末梢血およびアフェレーシス検体には全血溶血処理が望ましい1, 2
  • AQUIOS STEMキットには、そのまますぐに使える赤血球溶血試薬が含まれます。
  • 使用する溶血試薬は、固定剤を含まず、洗浄/遠心分離ステップを必要としないものでなければならない。塩化アンモニウムはこの要件を満たしている2
  • AQUIOS STEM Lysing Solutionは、特異性が高く、そのまま使用が可能で固定液を含まない、細胞に与える作用の穏やかな溶血剤です。AQUIOS STEM Lysing Solutionは、赤血球細胞の影響がなくパネルアッセイができ、白血球にダメージを与えずに解析できる程度までサンプル中の赤血球細胞を十分に溶血します。
  • フローサイトメーターAQUIOS CLは、 CD34 陽性細胞検出アプリケーションを「未洗浄」のサンプル調製プロセスで実行する定量的自動解析装置です。
  • 全サンプルの生存率について、7-AAD等の死細胞検出用試薬をアッセイに添加するか、サンプル測定の前にトリパンブルーで除外するかのいずれかで、ルーチン的に確認する1
  • AQUIOS STEMキットには、各測定で細胞生存率を解析するための7-AADが含まれます。
  • 全ての検体の細胞生存率を記録する1
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、全サンプルのCD45およびCD34生存率をレポートします。
  • メソッドには、7-AADなどCD34陽性細胞の生細胞と死細胞を識別し、CD34陽性細胞の絶対数の直接評価が可能な死細胞検出用試薬を含める2
  • AQUIOS STEMキットには細胞生存率を解析するための7-AADが含まれます。
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34陽性生細胞数およびCD34陽性細胞総数の両方を報告します。
  • 「全てのCD34陽性イベント」を表示する追加の生細胞プロットがあれば、解凍後サンプルなど死細胞を含む可能性のあるサンプルで有用である6
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、全CD34陽性細胞中の生細胞を表示するプロットを含みます。
  • 目的細胞集団を選択すると同時に、抗体が非特異的に結合するデブリスや成熟細胞からの干渉を最小化するため、階層化理論ゲーティングを用いる1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、ISHAGEガイドラインが推奨する階層化理論ゲーティングを使用しています。
  • ゲーティングストラテジーは、下記に示す真のCD34陽性細胞の特性を反映する1, 2
    1. CD34抗原を発現
    2. CD45抗原の発現強度は 幼若細胞の染色時の蛍光強度(CD45 dim)
    3. 幼若細胞の特性である、側方散乱のレベルが低く、前方散乱のレベルが低~中程度の散乱光を示す
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、ISHAGEガイドラインが推奨する階層化理論ゲーティングを使用しています。
  • 記述されているように、ISHAGEガイドラインが推奨する 階層化理論ゲーティングを使用することで、最も正確なCD34陽性細胞数測定が可能6
  • AQUIOS STEMソフトウエアはISHAGEガイドラインが推奨する階層化理論ゲーティングを使用しています。
  • 末梢血およびアフェレーシス検体の場合、前方散乱光に設定したノイズディスクリミネータ(閾値)以上のCD45陽性イベントの総数を使用することが望ましい。このディスクリミネータは白血球生細胞(WBC)を除外してはならない1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、4つのディスクリミネータ(前方散乱光、側方散乱光、FL1:CD45-FITC、FL2:CD34-PE)を用いて、確実に全てのCD34陽性細胞を測定します。一つのパラメータの値のみがディスクリミネータの規定値を上回った場合、イベントは取り込まれます。
  • ディスクリミネータは小リンパ球の前方散乱光以下に設定する1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、ISHAGEガイドラインが推奨する階層化理論ゲーティングを使用しています。これには、リンパ球の散乱光特性とCD34陽性細胞の散乱光のパターンを示す、Forward Scatter vs. Side Scatterのプロットが含まれます。
  • CD34陽性細胞の測定はデュプリケートで行うことを推奨する1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34陽性細胞の測定をデュプリケートで行うパネルを提供します。
  • AQUIOS STEMキットには、デュプリケート+ネガティブコントロールで50サンプルを解析するのに十分な試薬が入っています。
  • アッセイは下記の通り実行する1, 2
    1. CD45-FITC/CD34-PE
    2. CD45-FITC/CD34-PE
    3. CD45-FITC/Isotype-control-PE
  • AQUIOS STEMシステムでは、全てのサンプルをデュプリケート+ネガティブコントロールで解析できます。
  • AQUIOS STEMキットには、デュプリケート+ネガティブコントロールで50サンプルを解析するのに十分な試薬が入っています。
  • CD34陽性細胞数は、適切な繰り返し測定のCD34陽性細胞測定(CD45-FITC/CD34-PEによる染色で評価)の平均から非特異的染色を示すイベント数(CD45-FITC/isotype-PEコントロールで検出)を減じて求める1, 2
  • AQUIOS STEMシステムは、サンプルをデュプリケート+ネガティブコントロールで解析可能です。
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34細胞総数の平均、非特異的結合イベントをレポートします。
  • CD34陽性細胞数は、繰り返し測定のサンプル平均の10%以内であること1
  • デュプリケートで検査を実施するパネルを選択すると、AQUIOS STEMソフトウエアがCD34陽性生細胞数の平均の差異率を直接報告します。
  • PE標識したアイソタイプコントロールをCD45-FITCと組み合わせ、PE染色リージョン内の偽陽性シグナルを測定する1, 2
  • AQUIOS STEMキットには、CD34-PEモノクローナル抗体の非特異的結合を確認するためのCD45-FITC / IsoClonic Control-PE試薬が含まれます。
  • AQUIOS STEMキットには、デュプリケート+ネガティブコントロールで50サンプルを解析するのに十分な試薬が入っています。
  • [CD34測定に使用したリージョン]内のイベントは、CD45/CD34の組み合わせで同定したイベントの平均総数から減じる1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34細胞総数の平均および非特異的結合イベントをレポートします。
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34陽性イベントが50細胞/µL以上で非特異的CD34イベントがCD34陽性細胞平均数の10%を越えた場合に通知します。
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34陽性イベントが50細胞/µL未満で非特異的CD34イベントが5細胞/μLを上回る場合、通知します。
  • デュプリケートのCD34/CD45サンプル用に構築したゲーティングリージョンを、そのままアイソタイプ/CD45サンプルの解析に使用する1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34/CD45サンプルにゲーティングリージョンを構築するのとまったく同じ方法で、アイソタイプ/CD45サンプルのゲーティングリージョンを構築します。
  • 階層化理論ゲーティングストラテジーの選択性を考慮すると、ネガティブコントロールの使用は必要でない可能性がある2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、ネガティブコントロール有り、またはなしのどちらでもサンプルのランが可能なIVDプロトコルを提供します。
  • 溶血/洗浄なしの方法を使用すること2
  • AQUIOS STEMシステムは溶血/洗浄なしの方法での使用を意図しています。
  • 絶対数の測定には、既知容量で濃度アッセイ済の測定用ビーズを内部標準とするシングルプラットフォーム法を使用する2
  • AQUIOS STEMシステムはシングルプラットフォーム法であり、AQUIOS STEM細胞数測定用ビーズを使用して絶対数を測定します。
  • シングルプラットフォーム法によるISHAGEアプローチは、CD34陽性幹細胞の測定に最適なアプローチである6
  • AQUIOS STEMシステムは、シングルプラットフォーム法です。
  • CD34陽性イベントは最低100細胞、CD45陽性イベントは少なくとも75,000細胞を回収することを推奨する1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34陽性細胞100細胞かつCD45陽性細胞75,000細胞または300秒での停止基準を備えています。
  • 細胞濃度が原因でCD34 陽性細胞を100細胞回収できない場合、取り込まれるCD34 陽性細胞数が100細胞以下であることがユーザに通知されます。
  • 特にデュアルプラットフォーム法では、白血球の絶対数はPBSCサンプル中のCD34陽性細胞絶対数の測定に必須であるため、必ず測定する1
  • AQUIOS STEMシステムはシングルプラットフォーム法ですが、AQUIOS STEMソフトウエアは下記のパラメータをレポートします。
    • CD45陽性生細胞数
    • CD45陽性細胞総数(WBC)
  • 白血球数は20,000細胞/µLを越えないものとする2
  • AQUIOS STEMシステムは30,000細胞/µLまで検証されています。
  • 一部の血液サンプルやアフェレーシスサンプルでは、有核白血球数が装置での測定結果の信頼性を担保できる数よりも多く、サンプルの予備希釈が必要となる場合がある。最終の計算時には、この希釈倍数を必ず考慮するものとする1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは希釈倍数の入力が可能で、この値を使って自動的に補正値を計算します。
  • 各パックのCD34陽性細胞絶対数は、CD34陽性細胞の絶対数に白血球細胞絶対数を乗じ、続いてアフェレーシスパックの容量を乗じて求める1, 2
  • AQUIOS STEMソフトウエアは希釈倍率とアフェレーシスパックの容量を入力することが可能で、これらの値を使って各パックの絶対細胞数を自動で計算します。
  • 絶対数はCD34陽性細胞および蛍光粒子の正確な測定に依存しているため、サンプルおよび蛍光粒子の精密な分注が必要不可欠である2
  • AQUIOS CLは全ての試薬を自動分注し、人が操作する必要性を最小化しています。
  • 結果は、CD34陽性イベント率と絶対数x 106/L (末梢血)、または絶対数x 106(アフェレーシス検体)として報告する1
  • AQUIOS STEMソフトウエアは、CD34およびCD45陽性細胞絶対数と、CD45陽性生細胞数から導いたCD34陽性細胞率をレポートします。
  • 血液100 µLを各チューブに添加し、同量のモノクローナル抗体を適切にラベル付けされたチューブに添加する1
  • AQUIOS STEMシステムでは、溶血試薬の容量が少ないため、使用するサンプルの量は43 µLです。
  • サンプルは、調製後4°Cで暗所氷冷保存し、1時間以内にフローサイトメトリーによる解析を行う2
  • AQUIOS STEMシステムで使用する試薬は、自動でのサンプル調製および室温での解析が可能で、自動サンプル調製と解析に必要な時間内に細胞生存率が低下することはありません。

CD34陽性造血幹細胞とその前駆細胞解析の国際ガイドラインおよび基準


References

  1. Sutherland DR, Anderson L, Keeney M, Nayar R, Chin-Yee I: The ISHAGE guidelines for CD34+ cell determination by flow cytometry. International Society of Hematotherapy and Graft Engineering. J Hematother. 1996 Jun;5(3):213-26.
  2. Keeney M, Chin-Yee I, Weir K, Popma J, Nayar R, Sutherland DR: Single platform flow cytometric absolute CD34+ cell counts based on the ISHAGE guidelines. International Society of Hematotherapy and Graft Engineering. Cytometry. 1998 Apr 15;34(2):61-70.
  3. EDQM Council of Europe: European Pharmacopoeia (Ph. Eur.). 10th Edition 2019-2022. Website: https://pheur.edqm.eu/home
  4. Foundation for the Accreditation of Cellular Therapy (FACT), Joint Accreditation Committee – ISCT and EBMT (JACIE): International standards for hematopoietic cellular therapy product collection, processing, and administration. 8th Edition, Version 8.1, 2021. Website: http://www.factwebsite.org/
  5. Foundation for the Accreditation of Cellular Therapy (FACT): NetCord-FACT international standards for cord blood collection, banking, and release for administration. 7th Edition, 2019. Website: http://www.factwebsite.org/
  6. Whitby A, Whitby L, Fletcher M, Reilly JT, Sutherland DR, Keeney M, Barnett D: ISHAGE protocol: are we doing it correctly? Cytometry B Clin Cytom. 2012 Jan;82B:9-17.

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