お客様の声:ジェイミー・D・マクニコル

 

ジェイミー(アナリティカルプロジェクトマネジャー)は、カナダにあるマックマスター大学の免疫学部で、信頼性、再現性の高い高品質データの収集と解析のための戦略を考案する専門チームに所属しています。彼は、生物学的データから傾向やパターンを予測・推測するための方法やツールについて豊富な経験を持っています。

Jaime Mcnicol

Q: あなたのお仕事について詳しく教えてください。

ジェイミー:私はマックマスター大学免疫学部のHuman Immune Testing Suite(HITS)でデータサイエンティストとして働いています。私たちは、臨床試験の免疫モニタリングを支援しており、私は解析パイプライン全般の管理を担当しています。

 
Q: あなたにとって縦断的研究とはどのようなものですか?

 

ジェイミー:私にとって縦断的研究とは、治療の影響を見るために様々なタイムポイントで、複数の患者を長期間にわたって観察することです。こうした研究では、様々なタイムポイントで実施されたり、サンプル数が数百もあったりと1日ですべてのサンプルを取得することができません。また、非常に長期間となる場合が多く、複数の施設で実施されることもあり、同一の抗体やサイトメーターの校正ですべての研究を行うこととができません。そのため、データの取得、管理、解析を事前に詳細に計画することが必要です。

Q: そのような研究では、患者ごとのどのようなデータを保存する必要がありますか?
 

ジェイミー:私たちは高度に盲検化されていますので、保存するのはサンプルIDと治療日、収集したFCSファイルのみです。研究で血液を処理する際には、サンプルが同じように処理されていることの確認など多くの事務作業をして、得られたチューブには適切なラベルが付けられ、凍結保存されます。私たちはこれらの情報を保管するためのラボ管理ソフトウエアを保有しています。FCSファイルは、抗体の情報や、サイトメーターの校正設定情報、ユーザの入力データなどの大量のメタデータを含めることが可能です。その後の解析でも使用できるようメタデータの活用をぜひお勧めします。


Q: 縦断的研究を計画する際に考慮すべき最も重要な点は何ですか?

 

ジェイミー:研究の開始時に、解析用のテンプレートを設定しておくことが重要だと考えています。オペレーターは実験を行うたびにそのテンプレートを必ず使用し、必要なすべての情報を入力することが大切です。またファイルの命名規則も重要です。当然、抗体パネルが機能していることを確認することも必要です。抗体カクテルはプロジェクトごとに異なりますし、時間が経つにつれて、より良い試薬が研究に利用できるようになる可能性もあります。(中略)私たちは手動から自動ゲーティングに移行し、バイアスの少ない優れた結果が得られるようになりました。さらに、クラスタリングアルゴリズムを用いて品質管理を行っているため、データを手動でチェックする必要もなくなりました。

Q: 縦断的研究で得られたデータを解析する際の最大の課題は何ですか?

ジェイミー:研究終了時に、データが確実に比較できるようになっていなければなりません。それが私にとって最も重要なことです。使用した機器やデータを取得した日が異なる様々な患者のFCSファイルは大きく異なるように見え、うまく比較できないことがあります。縦断的な研究のための理想的な生データリポジトリとは、安全で、継続的にバックアップされ、検索しやすく、ソフトウエア解析プログラムで直接利用可能なものです。


Q: ファイルサイズはどうですか?

 

ジェイミー:縦断的研究の解析に関しては、FCSファイルのサイズは必ずしも制限要因にはならないと思います。むしろ処理時間の方が問題で、特にパイプラインでバイアスのない機械学習(マシンラーニング)アルゴリズムを実行する際に注意が必要です。

 

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