PIDS技術
10 nmの小さい粒子も、偏光散乱強度差計測(Polarization Intensity Differential Scattering: PIDS)技術とレーザー回折法を組み合わせることにより、直接検出が可能です。
直径数μm未満の粒子は形状および強度が類似した光散乱パターンを示すため、光散乱パターンの識別が困難です。この領域は、低分解能になるため粒径の測定が不正確となり、実際の粒径を解明するにあたり不確実性が高くなります。
小さな粒子では、垂直偏光の散乱光は、水平偏光の散乱光とは散乱パターンや微細構造が異なります。小さな粒子における水平偏光の散乱光強度のおもな特徴は、90°付近で最小値が観測されることです。大きい粒子では、この最小値がより大きな角度に移行します。
このように、小さな粒子の場合、垂直偏光の散乱光強度および水平偏光の散乱光強度のコントラストはいずれも小さいのですが、その差によって識別しやすい微細構造が明らかになり、粒径の測定が可能になります。広い散乱角度において偏光効果と波長依存性を組み合わせることによって、粒径測定の下限値を限度値である10 nmの範囲にまで拡大することができました。
この組み合わせによる手法が、ベックマン・コールターが特許を取得したPIDS技術です。
大きい粒子は低角度で光を強く散乱させることから、散乱パターンにおける最大値と最小値を容易に検出できます。これは、検出器が光路に対して低角度で設置され、かつ、十分な角度分解能があれば、散乱パターンにおける最大値と最小値を検出できるということです。
これとは逆に、小さな粒子による光の散乱は弱く、測定の角度が極端に大きくならないと最大値と最小値を識別できません。このため、散乱パターンの検出が難しく、分解能は低くなります。各メーカーはこれらの限界を克服するため様々な方法を用いていますが、その成功率にはばらつきがあります。
その多くは後方散乱光の測定に焦点をあてた方法です。この方法は有用ではありますが、完全な解決法ではありません。そこでベックマン・コールターはPIDSシステムを開発し、サブミクロンの粒子の測定という問題に対する完全な解決法をはじめて確立しました。PIDSで用いられている技術は洗練されてはいますが単純なものであり、光散乱のミー理論の利点を利用しています。
PIDSは光の波動性を利用しています。つまり光は、その方向に対して90°の磁気ベクトルと電気ベクトルから構成されています。例えば、電気ベクトルが「上下方向」の場合、光は垂直に偏光すると言われます。サンプルに所定の偏光波長の光を照射した場合、電場の振動によって電子の双極子(振動)が形成されます。これらの振動は、伝播される光源と同一の偏光面に存在します。
粒子内の振動している双極子は、照射光源の方向を除いて全方向に光を発します。PIDSはこの現象の利点を活用しています。3種類の波長(475 nm、613 nm、900 nm)でサンプルを垂直偏光、つづいて、水平偏光で連続照射します。LS 13 320 XRは、サンプルからの散乱光を広範な角度で測定します。各波長について水平偏光と垂直偏向との差を分析することによって、そのサンプルの粒径分布に関する情報が得られます。測定するのは、特定の偏光の値だけではなく、垂直偏光シグナルと水平偏光シグナルとの差です。
つぎに、PIDSシグナルから得られた散乱強度と散乱角度の情報を、レーザー光散乱の散乱強度と散乱角度データから作成した標準的アルゴリズムに入力し、連続的な粒径分布を算出します。
PIDSデータを取得することによるもう一つの大きな利点は、得られたデータの簡単な解析によって、小さな粒子が実際に存在するかどうかを迅速に確認できることです。小さな粒子の場合にのみ検出される偏光散乱強度の差は、大きな粒子では検出されません。
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About the Technology
THE INSTRUMENT BEHIND PIDS TECHNOLOGY: LS 13 320 XR
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