抗体に関するよくあるご質問(抗体FAQ)

  1. どのような抗体を提供していますか?
  2. どのようなタイプの抗体製品がありますか?
  3. アジ化ナトリウムを含まない製品はありますか?
  4. 通常の精製抗体とアジ化ナトリウム不含精製抗体の違いは何ですか?
  5. どのような蛍光色素標識がありますか?
  6. 抗体の濃度は?
  7. 製品の有効期限は?
  8. 各製品の用途・アプリケーションは?
  9. バイアル容量の単位はどのような表示ですか?
  10. 抗体の交差反応の情報はありますか?
  11. 同じ抗体で、クラスが異なるIgGとIgM、どちらが良いのですか?
  12. 納期はどのぐらいかかりますか?
  13. 抗体の試供品はありますか?
  14. ネガティブコントロールとは何ですか? 必要ですか?
  15. ネガティブコントロールにはどのサブクラスが最適ですか?
  16. ポジティブとネガティブの分離(キレ)がよくないのですが、どうしたらよいですか?
  17. 蛍光色素の蛍光強度の強い順番を教えてください。
  18. バルク注文は可能ですか?
  19. DimとBright、また、ダブルポジティブとはどのような意味ですか?
  20. 測定細胞数は何個が適当ですか?
  21. 抗体の受託サービスは?
  22. 溶血剤が複数ありますが、それぞれの違いは何ですか?

 

1.どのような抗体を提供していますか?

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弊社では、ヒトをメインに、CD抗体と他の表面抗原およびサイトカイン、シグナル伝達関連、アポトーシス関連抗原に対するモノクローナル抗体とポリクローナル抗体を提供しています。 抗ヒトCD抗体は、本WebのCD分類チャートまたは、の中にある抗ヒトCD抗体から、探すことができます。それ以外の抗体は、試薬・抗体・サポート製品抗ヒトnon-CD抗体{*もしくは動物抗体*}、ネガティブコントロールをご参照ください。

2.どのようなタイプの抗体製品がありますか?

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ご使用目的に応じて、多種類の形状の抗体製品を提供しています。アジ化ナトリウムを含む精製抗体と含まない精製抗体、ビオチンやFITC、PE、PC5のような蛍光色素を標識した抗体と未標識抗体、溶液と凍結乾燥品、抗体濃度やバッファーの違うものなどです。 また、大量のサンプル測定に適した1バイアルマルチカラー抗体も多数ご用意しております。また、同一抗体(同一CD抗体)でも複数の製品群(CYTO-STAT、IOTest 等)をご用意しております。 詳しくは、試薬製品の説明をご覧ください。

3.アジ化ナトリウムを含まない製品はありますか?

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はい。弊社ではIM精製抗体の大部分がアジ化ナトリウムを含まない抗体で、本Webの各抗体製品情報には“Azide free”と明記しています。本Webの各抗体製品情報の左端に、文献にて適用が確認されているアプリケーションが記号で明記してありますので、ご用途に応じてバイオアッセイやin vivoの研究にご利用ください

4.通常の精製抗体とアジ化ナトリウム不含精製抗体の違いは何ですか?

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抗体クローンの精製抗体はサンプルの無菌状態を保つためにアジ化ナトリウムを含んでいます。この抗体はウェスタンブロット、免疫沈降、免疫組織染色、フローサイトメトリーに用いることができます。 また、ご要望に応じて、アジ化ナトリウムやBSAフリーの精製抗体をご紹介することも可能です。詳しくは弊社担当までお問い合わせください。 
お問い合わせ先:  [email protected]

5.どのような蛍光色素標識がありますか?

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主としてFITC、PE、ECD(PE-TxRED),PC5(PE-Cy5)、PC5.5(PE-Cy5.5)、PC7(PE-Cy7)、APC、APC-Alexa Fluor700、APC-Alexa Fluor750、Pacific Blue、Krome Orange標識抗体を提供しています。当社は、すぐれた蛍光色素の合成技術を保有しており、安定性および特異性に優れた蛍光色素標識抗体を提供しております。また、目的の抗体にご要望の標識製品が無い場合には、別途有料にてご希望の色素を標識する受託蛍光標識サービス(CDS;Custom Design Service)も実施しております。CDSでは、APC7(PE-Cy7)や、PC5.5(PE-Cy5.5)、Alexa Fluor等、弊社通常製品でご提供していない蛍光色素もお選びいただけます。詳しくはご相談ください。

6.抗体の濃度は?

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抗体の濃度は、製品およびロットにより異なります。抗体濃度の情報が必要な場合には、製品番号およびロットをお知らせください。確認の上、弊社よりお知らせいたします。
お問い合わせ先:  [email protected]

7.製品の有効期限は?

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ほとんどの製品は、製造から2年ないし2年以上の有効期限を設定しています。ただし、医薬品に該当する製品等、一部の製品ではこれより短い有効期限設定のものもあります。実際にご購入された製品の有効期限については、製品ラベルおよびバイアルに記載された有効期限(Exp Date)をご確認ください。なお、これらはすべて適切な条件で保存した場合に保証するものです。保存条件の詳細については、本Webの各抗体製品情報の右端にあるデータシートをクリックしてご参照ください。

8.各製品の用途・アプリケーションは?

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主な用途は下記の通りです。
・フローサイトメトリーによる表面抗原の解析    
・フローサイトメトリーによる細胞内抗原の解析
・免疫組織染色
・イムノブロッティング(ウェスタンブロット) 免疫沈降
・ELISA
・ELISPOT
・マウスにおけるin vivo研究
・バイオアッセイ
・ブロッキング、中和アッセイ
各製品の適用については、製品情報の左端のアプリケーション記号をご覧ください。

9.バイアル容量の単位はどのような表示ですか?

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ほとんどの製品はテスト単位ですが、一部の製品はグラムで表示しています。テスト数表示の製品は、フローサイトメトリーで使用した場合のテスト数を表示しており、この場合に適切な濃度に調整されています。培養細胞等の染色における細胞濃度と抗体量については、本Webの各抗体製品情報のデータシートをご参照ください。グラム表示の製品の場合は、ご用途に合わせて適切な濃度に希釈してください。種々の用途に種々の濃度でご使用頂けます。
また、IOPath製品(MBL(株)医学生物学研究所様お取り扱い)については容量表示がmLになっています。

10.抗体の交差反応の情報はありますか?

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抗ヒト抗体の交差反応性は、本Webサイト内の抗ヒト抗体 交差反応表をご覧ください。

11.同じ抗体で、クラスが異なるIgGとIgM、どちらが良いのですか?

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IgGとIgMのどちらが良いかは一概には言えません。 一般には、IgGクラスの抗体の方がアフィニティーが高いものが多いと考えられる点や、抗原の凝集や補体活性化の強さがIgMの方が強い等の理由で、IgGが好まれる傾向にあります。その一方で、FITCで標識したIgMクラスの抗体は蛍光色素/抗体タンパクのモル比(F/P比)がより高い(IgG抗体が通常3~6程度なのに対して、IgM抗体は20~30)ことから、IgMが選択される場合もあります。
マウス免疫グロブリンの場合、IgG1抗体が最も非特異的反応が少なく、IgG2b抗体<IgG2a抗体の順に非特異的反応が強くなるとされています。

12.納期はどのぐらいかかりますか?

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ご購入の際は、最寄りの弊社サイトメトリー製品取扱い販売店にご注文ください。販売店様より午後2時までにご注文いただければ、当日出荷いたします(ただし、FAXでのご注文、在庫品のみ)。

13.抗体の試供品はありますか?

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一部の抗体・試薬製品で可能です。お問い合わせください。
お問い合わせ先:  [email protected] 

 

14.ネガティブコントロールとは何ですか? 必要ですか?

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ネガティブコントロールは、測定サンプルの対照となるサンプルのことで、非特異的反応による影響の判定、測定結果の判定やFCMの感度設定を行う際に必要です。特に、発現強度が弱いマーカーを対象とした測定や、マーカー発現強度の変化を比較する場合においては、必ず測定するようにしてください。 15.をご参照ください。

15.ネガティブコントロールにはどのサブクラスが最適ですか?

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抗体試薬の非特異的反応の程度は、その抗体のアイソタイプによって大きく異なります。したがって、ネガティブコントロールとして使用する抗体のアイソタイプは、マーカー染色に使用する抗体と同一のものに合わせるべきだと言えます。 したがって、ネガティブコントロールをアイソタイプコントロールと呼ぶこともあります。例えば、マウス免疫グロブリンでは、IgG1抗体が最も非特異的反応が少なく、IgG2b抗体<IgG2a抗体の順に非特異的反応が強くなるとされています。

16.ポジティブとネガティブの分離(キレ)がよくないのですが、どうしたらよいですか?

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蛍光色素の選択およびサンプルの調整によって改善できる可能性があります。 蛍光色素は、その種類によって蛍光強度に違いがあります。一般に、最も強い蛍光が得られるのはPE色素であり、FITCは最も弱いと言われています(Q17参照)。したがって、FITCではキレが良くないサンプルでも、PEなどのより明るい蛍光色素を選ぶことで、改善する場合があります。 また、もし未洗浄により測定しているのであれば、サンプルを洗浄してから測定することによってバックグラウンドのレベルが下がり、よりキレの良い結果の得られる可能性もあります。

17.蛍光色素の蛍光強度の強い順番を教えてください。

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一般に、蛍光色素の違いによる抗体試薬の相対蛍光強度は、下記の順に強くなるとされています (同一の抗体で、標識蛍光色素のみを変えて比較)。
PerCP≦FITC<ECD≦APC<PC7≦PC5<PE

18.バルク注文は可能ですか?

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可能です。また、精製抗体の場合はこの際にazide freeやalbumin freeの対応も可能です。

19.DimとBright、また、ダブルポジティブとはどのような意味ですか?

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Dimとは弱陽性のことで、Brightは強陽性を指します。ダブルポジティブとは、2種類の抗体で2重染色したサンプルを2カラーヒストグラムで解析した際に、共に抗体に染まったことを指します。

図解します。

20.測定細胞数は何個が適当ですか?

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抗体を用いてFCMで陽性率を測定する際、陽性率が10%のサンプルの測定の場合は、目的細胞を5,000個測定すれば、その測定精度はCV値で4.2%になります。また、陽性率が1%のサンプルの場合、目的細胞数が5,000個ではCV値は14%、10,000個でもCV値は10%です。5%の精度が必要ならば、40,000個測定する必要があります。400万個測定すれば、陽性率0.01%の測定データでも、CV値5%の高精度で議論できます。4000万個測定すれば、陽性率0.001%でも、精度5%(CV値)になりますが、高速型フローサイトメーター以外は、測定に多大な時間を費やします。なお、通常のサンプルは、目的細胞以外の細胞やデブリが含まれますので、総測定数ではこの数倍を測定する必要があります。

21.抗体の受託サービスは?

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弊社では、抗体作製受託サービスは行なっておりません。
しかしながら、多くの問合せをいただいておりますので、抗体作製受託サービスについての注意点を記載しています。

22.溶血剤が複数ありますが、それぞれの違いは何ですか?

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アプリケーションごとに選択いただけるように、固定剤を含む、あるいは含まない製品がございます。また、溶血力の強弱もございます。各製品の特長につきましては、サンプル処理試薬をご参照ください。