フローサイトメーターは、細胞のマーカー解析やセルソーティングをする強力なツールです。
しかし、蛍光標識抗体のコンペンセーションによって、「測定したデータの信頼性」や「再現性」など不安があり、スタートを切るのにためらってませんか?
まずは、3~4カラーから始めれは、簡単に信頼性と再現性の高い解析とセルソーティングが行えます。
市販されているフローサイトメーター用の蛍光標識抗体の20~30%が、FITC、PE、APCで標識されています(図1)。
FITC、PE、APC標識なら、フローサイトメーター用の蛍光標識抗体を探すのが容易になります。
図1
100以上の抗体メーカーと1200以上の蛍光標識抗体リストから、各抗体の蛍光色素ごとの市販の抗ヒト抗体数データ例(
Fluor Finder より)。
PE、FITC、APC標識がもっとも多い。
また、FITC、PE、APCの3つの蛍光標識抗体を使用すると、CytoFLEX SRTなら561nmレーザーを搭載しているので、各検出器間の蛍光補正は、ほぼ行わなくても測定ができます(図2)。蛍光補正によるアーティファクトを考慮する必要がなくなります。

図2
SRTにおける蛍光色素の各検出器へ蛍光漏れ込みの割合(FluroFinder によるシミュレーション)
PEは、488nm(Blue)レーザーと561nm(Yellow)レーザーの両方で励起されるため、
わずかに B525 の検出器に漏れ込みがあるが、それ以外の検出器には相互に蛍光漏れ込みがありません。
FITC蛍光波長(緑)
PE蛍光波長(黄)
APC蛍光波長(赤)
B525:488nm FITC用検出器
Y585:PE用検出器
R660:APC用検出器
コンペンセーションの必要がほぼないFITC、PE、APCの組み合わせは、測定設定の負担を大幅に軽減し、コンペンセーションによるエラーのリスクを低減します。これは、フローサイトメトリーに不慣れな方にとって、データ取得のハードルを大きく下げることに繋がります。
コンペンセーションカーソル調整や多色間の蛍光漏れ込みの影響をほとんど考慮する必要がないため、より正確で信頼性の高いデータを得られるだけでなく、測定間の変動も少なくなり、データ再現性の向上に貢献します。
このシンプルな3カラーパネルから始めることで、フローサイトメトリーの基本的な操作手順、データ取得、そして解析ワークフローをスムーズに習得できます。
CytoFLEX SRTの光学系とFITC、PE、APCという蛍光色素の組み合わせは、コンペンセーションの複雑さから解放され、質の高いデータを安定して取得するための理想的な出発点を提供します。
まずはこの基盤でスキルを磨き、自信を持って次のステップとしてより多くのパラメーターを用いた多色解析へ進んでいくことが期待できます。
信頼性と再現性の高いデータ取得への第一歩として、ぜひ3カラーのシンプルなパネルでCytoFLEX SRTを始めてみませんか?
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