NGSライブラリやDNA/RNAサンプルの濃度によるノーマライズやプーリングを効率化

96サンプルのNGSライブラリやDNA/RNAを等濃度に合わせたり、等モルでプーリングするのは大変な手間のかかる作業です。マニュアルでの96サンプルの等モルプール作業では、サンプルごとにピペッターのダイヤルを変え、高濃度サンプルは予め10倍希釈しなければならず、全体で1時間半もかかるうえ、チップも1箱以上必要です。

そこで、音響エネルギーを用いた超微量・非接触式分注機Echo 525が役立ちます。Echo 525はプレート下から音響エネルギーを当て、液面に25 nLの微小ドロップを作り、下から上のウェルに非接触で分注します。どのウェルからどのウェルへも分注可能で、ドロップ数で濃度を均一化できるため、等モルプーリングも短時間で完了します。希釈の必要がなく、分注ドロップ数で指定濃度を分注可能です。最大700ドロップ/秒の高速超微量分注により、96サンプルの等モルプーリングが約5分で完了します。チップレスによるコストダウンとプール容量の微量化も実現できます。

従来型チップ式自動分注機よりも短時間の等モルプーリング処理

96サンプルの等モルプール作業は、従来のチップ式自動分注機でも可能ですが、シングルプローブ分注で約1時間、独立駆動型8本プローブ分注で10分少々かかります。どちらも高濃度サンプルの事前希釈や、大量の分注チップを必要とします。一方、Echo 525では約5分*で完了し、希釈やチップを必要としません。

* Mayday et al. (2019) PLoS ONE 14(1):e0206194
** 従来型チップ分注の場合には、別途高濃度サンプルの希釈作業の時間が必要となります。

NGSライブラリ調製やqPCR反応系の超微量化A&コストダウンを実現

Illumina DNA Prep（旧 Nextera XT DNA Library Prep）では、Echo 525を用いて容量を1/20に超微量化し、約1/10のコストダウンに成功しました。E.coli 50 pg DNA 128サンプルからライブラリ調製・シーケンシングを行い、参照配列にマップした結果、十分に再現された高いマップ率を示しました。
詳細はアプリケーションノートをご覧ください。

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また、ライブラリのqPCR定量キット Roche KAPA Library Quantificationを1/10容量に微量化した結果、希釈系列と定量データは高い相関を示しました。48サンプルのサンプル希釈（2系列）とqPCR反応系調製（n=3）に要した時間は合計で僅か20分でした。詳細はアプリケーションノートでご紹介しています。

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超微量・非接触式分注機Echo 525を活用することで、NGSライブラリやDNA/RNAサンプルのノーマライズやプーリング作業が劇的に効率化され、時間短縮、試薬や消耗品コストの削減を実現します。

Echoのアコースティック技術が実現する超微量分注

Echoアコースティックリキッドハンドリング技術は、音響エネルギーを用いて、nL ～ μL単位の液量を極めて正確に、非接触、自動で分注することにより、ゲノムアプリケーションに革新をもたらしました。超微量・非接触式分注機Echo 525は反応液量を微量化することで、反応効率の改善とともに試薬コストと時間を大幅に削減します。

Echoは、独自のダイナミックフルードアナリシス（動的液性解析：Dynamic Fluid Analysis = DFA）テクノロジーを用いて、正確な液量を分注するために液体の物性、液面高さを測定し、分注に必要な射出エネルギーを計算します。この解析は数ミリ秒で完了し、nL単位の液滴を、反転させたディスティネーションマイクロプレートに正確かつ高い精度で分注します。1 秒当たり数十滴の高速分注により、目的の液量を分注することができます。どのソースウェルからどのディスティネーションウェルへの分注も可能です。Echoのチップレスで非接触なテクノロジーはデータ品質を改善し、かつ複雑なアッセイを微量化そして自動化し、試薬コストとアセンブリ時間を大幅に削減します。