分析用超遠心機Optima AUCのご紹介
分析用超遠心法(Analytical Ultracentrifuge:AUC)とは、溶液中の生体分子やその他の粒子サンプルの流体力学的挙動を特性解析できる汎用的な手法です。この手法は、遠心力場でサンプルが遠沈管内を移動する現象である「沈降」の原理に基づいています。Optima AUC は、紫外可視吸収と屈折率に基づいてサンプルを検出することができます。
AUCを使用する目的
AUCは次の問題に対応できます。
創薬および学術研究:
- 複雑な集合の化学量論
- 結合親和性および平衡定数
- 形状変化およびアロステリック現象
医薬品品質管理:
-
- 遺伝子治療薬の純度(ウィルスパッケージ効率)
- 生体分子サンプルの純度(凝集/分解)
AUC解析の独自の利点
- 完全なネイティブ状態(溶液状態)での解析:基質やマトリックスとの相互作用はありません。
- 校正標準が不要:第一原理により結果が得られます。
- 幅広いダイナミックレンジ:ペプチドからインタクトウィルスまであらゆる生体分子を特性解析できます。
典型的なアプリケーション分野
探索研究:
- タンパク質/核酸/低分子相互作用
- ナノ粒子、ベシクル、ポリマー、ウィルスなど
医薬品品質管理:
-
- 遺伝子治療薬(AAVウィルスカプシド)
- 生物製剤、バイオシミラー、抗体、治療用ペプチド
まとめ
AUCは外部の校正標準を使用せず、さらにノンネイティブの相互作用を排除しつつ、溶液中の生体分子サンプルを特性解析することができます。このため、AUCは探索研究やバイオ医薬品の品質管理の両方の分析課題に答えることができます。これからAUCを用いた実験を始める方はこちらから詳細情報をご確認ください。