Ⅵ. 目印の見つけ方 -モノクローナル抗体による染色-

 

ある目印を持った細胞を見つけ出すためには、抗原抗体反応を利用します。まず、蛍光色素を標識した、目印に対して特異性を持つ抗体(モノクロ―ナル抗体)を用意します。蛍光色素は、ある特定の波長の光を当てると、色素に特徴的な蛍光を発する物質です。使用する蛍光色素の多くは細胞に対する高い反応性を持っていないため、直接、細胞に結合することはほとんどありません。

次に、蛍光色素をつけた抗体を、詳細情報を調べたい細胞と反応させて、細胞表面の目印と結合させます。
これで、細胞が蛍光色素で標識された状態が出来上がります。一方で、抗体には特異性がありますので、特異性の異なる抗原(目印)を持った細胞は蛍光色素で標識されません。

下図の例では、CD3という目印を持った細胞だけが蛍光色素で標識され、それ以外の目印を持った細胞は標識されないということになります。

 

          

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