生物学における細胞培養アプリケーションの品質管理

タンパク質製剤療法には独自の複雑さがあるため、治療分子の製造および特性付けには各種の高性能ツールを必要としています。プロセスコントロールおよびサンプル試験のプロセスを強固にすることは、高い成功率を得るための中心的要素です。細胞の健康状態とタンパク質の品質をモニタリングし、良好な状態を維持することは、研究室の段階から市場に至るまで、極めて重要な要素です。 

タンパク質の生産工場としての細胞

生産性の高い細胞株、および最適な細胞培養環境を作製するには、そのカギとなる多くの変動性要素、すなわち培養培地、細胞増殖率、細胞生存、タンパク質発現レベル、その他の品質関連要素(径、凝集状態、糖化、および安定性など)についての理解が必要です。信頼性のあるプロセスモニタリングとコントロールには適切な分析装置が不可欠です。 
細胞培養プロセスの開発は細胞株の作製から開始されます。通常はHEK 293細胞またはCHO細胞などといった一般的な宿主細胞から構成され、発現または感染のシステムと選択を経て、その後小規模システム(96ウェルプレートまたは卓上バイオリアクターなど)でのプロセスおよび培地の最適化が行われます。

試験条件の最適化と定義づけが済んだら、スケーラビリティに関するパイロット試験段階に移行し、その後前臨床毒性試験が実施され、最終的に市販用に規模が拡大されます。この段階で、生物学的製剤の製造は、現行の医薬品の製造管理および品質管理に関する基準(cGMP)の下で行われます。最終的な細胞培養プロセスが確立されたら、企業は当該プロセスの特性付け、規模の拡大、技術移転および製造プロセスの検証などといった、市販化に向けて動き始めます。

バイオ医薬品企業は、需要を満たすために10,000L(またはそれ以上)の細胞培養バイオリアクターを複数備えた大規模工場を建設してきました。患者の健康と安全のためには製品品質および各バッチ間の一貫性が重要であることを念頭に、製造工程のすべての段階において、プロセスや製品の特性化およびコントロールの基準が上がり続けています。

パラメータの操作はプロセスの性能と製品品質に影響します

Vi Cell MetaFLEX細胞培養条件の最適化は、製品品質と回収量を最適化させるために必須の要件です。物理的および化学的に重要な環境パラメータとしては、温度、ガス流量、撹拌速度、溶存ガス、pH値、浸透圧、酸化還元電位、および細胞代謝物などが挙げられます。生物学的指標を継続的に測定することで、細胞密度や生存状態などといった培養の物理的状態を判定し、NADH、LDH、ミトコンドリア活性、細胞周期の分析などといった細胞内および細胞外の各種測定値について検討しなければなりません。これらの測定値と最適状態との間に差がある場合、製品の品質や性能に著しい影響を及ぼすことがあります。

Vi-CELL MetaFLEXは、微量から大規模培養までの細胞培養アプリケーションを備えた小型の生化学分析装置で、pH、pO2、pCO2、グルコース、乳酸、および電解質などを含む主要なパラメータの高速かつ正確な分析が可能です。 統合型の品質管理システムによって3つの専用QC溶液で自動的に測定し、異常を検出、修正し、QC不適合のパラメータを自動的にロックアウトします。

高速の直感的試験

ベックマン・コールター社のグローバル・プロダクトマネージャー、Lena Leeは次のように述べています。「研究およびプロセス開発の初期段階では、製品品質に影響を及ぼす重要な要素の1つが細胞生存です。細胞が増殖する環境には、そのコントロールとモニタリングが不可欠です。 Vi-CELL MetaFLEXは、細胞生存に不可欠なpHレベルを正確に保ちます。」

Vi-CELL MetaFLEXは、1サイクル60秒未満として1日22時間を超える稼働時間でデザインされ、セラミック厚板の複数の層、微小電極、および膜から成る厚膜技術に基づく先進のセンサーによって作動することで、測定時間および分析に必要なサンプル量(65uL)を効率的に減らします。 

最大2,000の測定結果が保存でき、自動サンプリングアームによってサンプリングの柔軟性を最大限に高めています(シリンジ、試験管、微量遠心管、Vi-CELLサンプルカップ)。必要な消耗品は、センサーカセット、試薬を含む溶液パック、洗浄液、QCコントロールおよび廃棄物の収集のみです。 

Vi-Cell XRバイオリアクターでの生存細胞および非生存細胞の染色および定量は正確であり、かつ、再現性がなければいけません。細胞密度および細胞の生存は、細胞培養プロセスに不可欠であり、培養条件に対する培養生理の判定、細胞の増殖率、代謝物の消費および産生、並びに細胞特異的な生産性の予測においても不可欠な要素です。細胞生存の測定法としてもっともよく用いられている方法はトリパンブルー色素排除試験法です。Vi-CELL XRは細胞の生存率(%)、並びに総細胞密度および生存細胞密度のモニタリングによって、細胞生存に有害な影響を与える条件を素早く検出、調査します。各種のバイオリアクターにおいて、定期的に、比較的高濃度で細胞が培養されている組換えタンパク質の産生については、1回のクリックでそれぞれのバイオリアクターのモニタリングが可能な個別プロセスも起動できます。 バイアスを排除した測定結果に最速でアクセスできるように、自動細胞分析装置Vi-CELLには、迅速なサンプル充填用に回転式システム(サンプルカルーセル)を搭載しています。充填されたサンプルはシステム内に吸引され、トリパンブルーと混合されて、チャンバーに充填された後、細胞数(個/mL)、生存率(%)および粒径分布が記録されます。 これに続いて自動洗浄サイクルが始まり、続いて次のサンプルがシステム内に吸引されます。 サンプル処理時間は、各サンプルにつき合計2.5分未満です

先進のデータ保護機能、ユーザーのセキュリティサインイン、電子署名、安定した作動性、並びにサンプル記録機能を備えたVi-CELL MetaFLEXおよびXR分析装置は、常に21 CFR 11への準拠が促されるように設計されています。

確実性という価値

高速、強固、かつ正確な装置で細胞培養をモニタリングして関連のパラメータ測定することは、細胞培養プロセスの開発および最適化を促進します。Vi-CELL XRおよびVi-CELL MetaFLEXは、pH値、細胞培養用ガス、代謝物、細胞数および浸透圧のモニタリングに使用する様々な装置の機能を1台にまとめた複合装置です。Vi-CELL MetaFLEXは、複数の細胞株の細胞培養用にデザインされています。これは、自動サンプリングシステムの利用に伴うリソースの削減の可能性、または小規模開発でのアッセイ実施の可能性の観点から重要です。

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