1次スクリーニング
1次スクリーニングの目的は、ヒット化合物(創薬標的分子に対して活性が認められた化合物)を見つけることです。これが、リード最適化へのはじめの一歩となります。多くの場合1次スクリーニングでは、96または384ウェルプレートで行うハイスループットなELISA法(enzyme-linked immunosorbent assay)など、抗体-抗原間の結合を直接的に測定するアッセイ法を使用します。一般的なELISAでは、ELISA用プレートに結合させた創薬標的に対して、ヒットとなる可能性のある一次抗体や抗体発現細胞を結合させ、そこへ検出用抗体をさらに反応させます。ELISAを自動化することで、迅速かつ高感度な検出を行うことが可能です。この技術は、1次スクリーニング用のアッセイとして一般的なものとなっています。
ELISAの自動化
ELISAは、不均一に混ざった様々な細胞の中から、ターゲットとする抗体を発現している細胞集団をふるい分けます。一般的なELISAのワークフローでは、結合しなかった抗体を除去するために何度も洗浄を行った後、さらに基質を加えてインキュベーションし、発色させます。
ELISAは、その手順において多くの工程数を必要とするため、時間がかかることに加えて、アッセイ間のばらつきが大きくなる可能性があります。作業工程全体を自動化することによって、エラーが生じる可能性を低減できるとともに、取得するデータの信頼性を向上させることができます。
Biomek NXP自動化ワークステーションは、ELISAを自動で行います。Biomek NXPワークステーションにおいて、MultiWash™+マイクロプレートウォッシャーとEMax® Plusマイクロプレートリーダを統合することで、ELISAの作業工程および分析を自動化することが可能です。この自動化ソリューションによって、リソースが解放されるばかりか、ELISAの結果をより信頼性の高いものにすることができます。
プレートベースのフローサイトメトリー
CytoFLEXフローサイトメーター(ベンチに設置可能な小型分析装置)を、Biomek i-シリーズ自動化ワークステーションを用いて統合することで、サンプル処理を完全に自動化してデータを取得することが可能です。
Biomek i-シリーズ自動化ワークステーションでは、次の操作を統合・自動化することができます。
- プレーティング
- 薬剤処理
- 希釈
- トリプシン処理
- 再懸濁
- マイクロプレートの遠心
ハイスループットなアプリケーションでは、SAMI EXソフトウェアを使って染色および解析のワークフローをスケジューリングすることで、解析の一貫性を保証することができます。
1次スクリーニング自動化の利点
ELISAによる1次スクリーニングを、ハイスループットな完全自動化装置を用いて行うことで、アッセイ間のばらつきを防ぎ、結果の信頼性を保証することができます。Biomekワークステーションなら、ELISAアプリケーションに、柔軟な自動化ソリューションを提供することが可能です。構成可能なデッキレイアウトや多様なピペッティングツールを備えていることに加え、プレートリーダやプレートウォッシャーといったほかのデバイスとの統合も可能であるため、高速かつ正確な1次スクリーニングを実現します。
サマリー:
- 1次スクリーニングでは、抗体-抗原間の結合を直接測定するアッセイ法が使用されています。
- 自動化されたハイスループットなELISAが、1次スクリーニング法として一般的になっています。
- ELISAを自動化することで、エラーを低減し、取得するデータの信頼性を向上させることが可能です。
Biomek i-シリーズを使ったELISAの自動化
ELISA自動化のための効率的なアプローチ
創薬スクリーニング
アッセイ開発
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化合物管理
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2次スクリーニング
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ハイスループット
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