2次スクリーニング

2次スクリーニングでは、ハイスループットな1次スクリーニングアッセイで見つかったヒット化合物(創薬標的分子に対して活性が認められた化合物)を確認し、さらに一歩踏み込んだ生物活性の測定を行います。2次スクリーニングは、ヒット化合物を治療効果のあるリード化合物に変えるための作業といえます。

2次スクリーニングを高速化する手法を研究者たちが歓迎しているのは確かですが、スクリーニング工程におけるこのステージでは、ハイスループットな装置よりも、信頼性や感度の高い手法が優先されます。

2次スクリーニングでは、組織または細胞レベルで機能評価を行うアッセイが中心となります。受容体-リガンド間の相互作用を阻害するような抗体を特定するELISA法はその一例です。ELISAを手作業で行う場合、ユーザ間で作業にばらつきがあったり、洗浄やインキュベーション時間が一定でなかったりするために問題を生じることがあり、このような操作の差が検出時のエラーにつながる可能性があります。

2次スクリーニングにはフローサイトメトリーもよく使われます。この技術は様々な機能的パラメータを測定することが可能です。フローサイトメトリーのためのサンプル調製の手順は、サンプルや試薬の添加、洗浄、および遠心を何度も繰り返す煩雑なものです。自動化は、ELISAやフローサイトメトリーの作業工程の問題を克服する一助となります。

また別の問題として、2次スクリーニングにおいて必要となる、タンパク質-リガンド複合体を分離する信頼のおける技術が不足していることが挙げられます。一般的に用いられているのは、退屈で時間のかかる線形レートゾーナル密度勾配分離法です。この方法は、まず不連続勾配(ステップ勾配)の層を作製するところから始めなければなりません。しかし、この方法には再現性に乏しいという問題があります。この問題も自動化によって容易に解決可能です。

自動化によるボトルネックの解消

Biomekのワークステーションは、多様な2次スクリーニングのワークフローに合わせた柔軟な自動化ソリューションを提供します。ピペッティングはシングルから96チャンネルまで選択でき、チップタッチやミキシングといった分注ステップのカスタムも可能です。またこのワークステーションは、デッキレイアウトを構成可能であるとともに、デバイスを追加で統合でき、高い実用性を備えています。

Biomek 4000ワークステーションは、たとえば、不連続密度勾配の重層によるタンパク質-リガンド精製といった、手間のかかる操作をシンプルな形で自動化することが可能です。作業工程を自動化することで、サンプルの精製が行われている間、研究者は装置から離れてほかの大切なラボの仕事を行うことができます。

BiomekワークステーションをMolecular Devices社のEMax® Plusマイクロプレートリーダと統合し、セカンダリスクリーニングとしてELISA XTTアッセイによる細胞増殖や生存率の測定を行い、毒性のある化合物またはその他の細胞処理への応答を評価する場合、階段希釈、細胞のプレーティング、XTT試薬の添加、およびプレート測定を装置が自動で行います。

またBiomekワークステーションは、フローサイトメーターと統合することもできます。CytoFLEXフローサイトメーターをBiomek i-シリーズ自動化ワークステーションに直接統合することで、サンプル処理およびデータ取得を完全自動化することが可能です。ワークステーション化することで、階段希釈を行う際のピペッティング用チップを選択したり、プレートを部分的に処理したりでき、さらにプレーティングから薬剤処理、細胞染色に至るまで、すべての工程を自動で行うことができるようになります。

2次スクリーニング自動化の利点

どんなアッセイ法にも言えることですが、データの信頼性は、サンプル調製や解析の精度・精密さに左右されます。2次スクリーニングを自動化することで、スループットとラボ効率が向上するだけでなく、データの間違いが減少し、作業時間やターンアラウンドタイムが短縮されます。さらに、結果のトレーサビリティが確保されることに加えて、下流の工程に使用するデバイスを追加で統合できるという利点もあります。

サマリー:

  • 2次スクリーニングでは、どのヒット化合物がリード化合物となるのか確認します。
  • 2次スクリーニングでは、細胞レベルでの機能アッセイが中心となります。
  • 細胞レベルでのアッセイおよびサンプル調製を自動化することで、エラーが防がれ、スループットが向上します。
  • Biomekワークステーションは、ELISAやフローサイトメトリーなど、セカンダリスクリーニング工程を統合・自動化することが可能です。

 

創薬スクリーニング

アッセイ開発
 

Tubes

それぞれの化合物や分子が「ヒット」であるかどうかの判断は、アッセイによって得られたデータを元に行うため、適切なアッセイ開発を行うことが絶対に不可欠です。

化合物管理
 

Bubbles Abstract background

化合物管理において行われる候補物質の収集、処理、編成、保管といった作業は、創薬の成功に欠かせないものです。

1次スクリーニング
 

Stone stair steps

1次スクリーニングの目的は、「ヒット」を見つけることです。これが、リード最適化へのはじめの一歩となります。

ハイスループット
スクリーニング

Gold wave Abstract background

ハイスループットスクリーニングは、創薬やバイオマーカー研究などのアプリケーションにおいて、候補物質を特定する際の標準的な方法となっている強力なアプローチです。

 

2次スクリーニングをサポートする製品

Biomek i7

(ハイブリッド)HEPAフィルタ付きの閉鎖空間および滅菌フィルタチップが汚染を最小化

Biomekソフトウェア

デリケートな細胞モデルのためのピペッティング最適化を簡単に実施

DARTソフトウェア

統合した細胞分析装置のデータ完全性を保証

インテグレーションソリューション

ウォッシャーやディスペンサーといったデバイスを追加して、ワークフロー効率を改善

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