ラボオートメーションを始めるために

ここ数十年の間で様々な規模のラボで証明されてきたように、手作業や繰り返し行うタスク、中でも特に危険な作業やエラーを生じやすいタスクをオートメーション化することで、生産性の向上やターンアラウンドタイムの削減、スタッフの安全性向上、さらにはエラーの低減を見込むことができます。また、広く使われている複数の実験用デバイスをオートメーションシステムに統合することで、スループットの最適化や結果の質向上、さらなるコスト削減につながります。しかし、まったく同じラボは二つとないため、オートメーション化やラボ内のハードウエア・ソフトウエアの統合には、そのラボだけの戦略が必要となります。分析プロセスのうち数ステップだけをすぐに統合したいというラボもあれば、トータルラボラトリーオートメーション(TLA)の実現を強く希望するラボもあるのです。 

基本から始める

ラボのオートメーション/統合を成功させるには、それが単純なものか複雑なものかに関わらず、次の2点が最も重要です。

1. 短期的および長期的な計画を立てること

2. 現在抱えているニーズと長期的な目標を理解してくれるサプライヤーと協力すること 

お客様のラボを心に描いた将来像へと導いてくれる、万全な移行プランを作成するところから始めましょう。計画の中で避けては通れないのが、新しい製品・技術の評価です。この評価は、どのサプライヤー/パートナーが研究やラボオートメーションに精通しており、お客様のオートメーション化および統合プランを成功に導いてくれるのか見極めるための良い機会となります。

様々な業界からのニーズ

多くのグローバル企業にとって、研究開発で使われている多種多様な技術・機器の統合は、昔から難題とされてきました。医薬品およびバイオ医薬品、石油化学およびエネルギー、食料および飲料、法医学、農業、そして成長を続けているバイオテクノロジー関連の企業が、この壁を乗り越えられずにいたのです。

統合ワークフロー

ラボオートメーションに関するサービスを購入する際に、早めに決めておくべきことの1つは、ワークフローをどの程度オートメーション化するのかという点です。例えば、リキッドハンドラーを用いたオートメーション化を行うと、ピペッティングやマイクロタイタープレートの位置調整も自動化されます。しかし、リキッドハンドラーにプレートリーダーなどのラボデバイスを追加することで、ワークフローをさらにオートメーション化することも可能です。ワークフローの統合は、膨大かつ複雑なプロセスに関する経験と専門知識を要する作業です。次のような経験と知識が必要となります:生化学的および表現型スクリーニングアッセイ、細胞増殖およびその最適化、遺伝学的解析(次世代シークエンスなど)のための標的サンプル調製、様々な検体からの核酸抽出、アッセイ開発およびその最適化、品質管理(QC)に関する多くの重要なプロセス。

統合されたデバイス

オートメーション化を確実に成功させるには、標準的なラボデバイスおよび、可能であれば、これらのデバイスとともに使用されているソフトウエアを網羅的に調整し組み込む形で統合プランを立てなければなりません。次のようなものを考慮する必要があります(ただしここに挙げたものがすべてではありません):プレートウォッシャー、プレートリーダー、プレートイメージャー、移動用デバイスおよび管理用デバイス(シーリングやピアシングなど)、バーコードリーダー、温度調節機能付き保管デバイス、マイクロプレート用遠心機、バルク試薬ディスペンサー、チューブ操作およびキャッピング/デキャッピングデバイス、ならびに安全性確保および生物学的封じ込めのためのエンクロージャー。

システム統合のためのソフトウエア

システムのオートメーション化・統合は、ハードウエアに関してだけ計画すれば良いというものではありません。サンプルが移動するたびに、データも移動させる必要があるからです。

60分で終わる実験であっても、複数のプロセスを経て60日間かかる実験であっても、ほとんどのラボが望んでいることは同じです。つまり、複雑なサンプルやデータのハンドリングをインテリジェントな処理によってシンプルにしたいと思っているのです。ワークフロー全体を進行、スケジューリング、および追跡できるソフトウエアを使用することで、システム上にアッセイワークフローを簡単に配置することができます。

またソフトウエアには、ランが開始される前にエラーを検出したり、全プロセスを通して機器が動作していることを表示したりする機能や、あらかじめ設定した方法(eメール、アラーム音、スクリーン上の表示等)でデバイスの不具合を知らせることができる機能も必要となります。

どのソフトウエアソリューションを選んでも、ランや機器、サンプルに関する情報にいつでも簡単にアクセスでき、レポートを生成することが可能です。データは各処理間でシームレスに移行されるため、中間で生成されるテキストファイルを解読する必要はありません。最終的には、お客様の選んだソフトウエアが、外部の情報追跡システムやLaboratory Information Management System(LIMS)の直接的なデータソースとなる必要があります。こうすることで、データの流れから人間の影響を排除できるため、立ち上げたデータシステムに信頼性の高い結果を報告することができるのです。

Contact Us