演者

概要

Webセミナー「超遠心分析法を用いた生体高分子の特性評価の概要」では、超遠心分析法の基礎にならびに、いくつかのアプリケーション例についてご説明しました。本セミナーでは、分析用超遠心機Optima AUCを使った生物物理学的な生体高分子の分析の運用面についてお話しします。

最初に、AUCの技術背景の概要、主に現在のOptima AUCに搭載されている2種類の光学系と検出装置（紫外可視吸光測定計とレイリー干渉計）について、詳細をご説明いたします。さらに、前世代のProteomeLabと比較したOptima AUCの改良点についてもご説明します。次に、新しいサンプルを用いて実験を計画する場合に適切なパラメータを選択するための手順を行います。その際に、解析ソフトウェアのシミュレーションツールを利用することで、サンプルに適切な実験パラメータを設定することができます。例えば、2つの抗体フラグメントの分析の場合、これらの分子のシミュレーションで得たスキャンデータをもとに、ロータの回転速度に対するこれらの分子の沈降の影響を確認できます。シミュレーションデータから、分子が沈降度合い、2つの分子の分離状態を知り、回転速度、スキャン数、スキャン間隔などの実験条件を最適化する方法を学びます。また、典型的な遺伝子治療用ベクター（ウイルス粒子）のシミュレーションデータを使って、ロータの回転速度の増加に伴う、ウイルス粒子の沈降データ分解能がどのように改善されるのかを調査します。最後に、Optima AUCの機器操作、ならびに新しい実験methodプログラムの設定方法、スキャンデータのライブ表示、実験終了後のデータ転送に関連する手順をご紹介します。

セミナーの目的：

• Optima AUCの技術的進歩と、紫外可視吸光測定計とレイリー干渉計の検出方法の違いを学ぶ
• Optima AUCの新しい実験の設計方法を学ぶ
• 実験終了後のデータ転送手順を学ぶ
• 解析ソフトウェアのシミュレーションツールを使用した、2成分系のサンプルでのスキャンをモデル化する方法を学ぶ。