ドライ抗体と液体抗体の比較
不適切な保存条件や試薬の取り扱いによる抗体複合体カクテル(反応混液)の劣化は、アッセイのばらつきの一因となる可能性があります。
このような問題を回避するために、ベックマン・コールターは、抗体複合体を乾燥試薬のフォーマットで安定化し、室温での長期保存を可能にするDURA Innovations技術を開発しました。
熱ストレス試験:60℃で保存したドライ抗体

ドライ抗体は熱ストレスに耐性があります。9カラーパネルをDURA Innovations技術を用いて乾燥させました。3人の提供者から採取した全血を、室温で保存したロット(赤)と60℃で7日間保存したロット(緑)を使用して染色し、使用説明書のプロトコルを用いてVersaLyse(製品番号A09777)で溶解しました。ドットプロットのオーバーレイは、各条件での染色結果を比較したものです。熱ストレスを与えた後でも、乾燥試薬は、ストレスを与えていない試薬と一致した染色を示しています。
等価性試験:ドライ抗体と液体抗体

液体抗体とドライ抗体を用いた染色の比較。9カラーパネルをDURA Innovations技術を用いて乾燥させました。全血を乾燥(赤)および液体抗体(青)を使用して染色し、使用説明書のプロトコルを用いてVersaLyse(製品番号A09777)で溶解しました。ヒストグラムのオーバーレイは、リンパ球ゲートで分析した各試薬の染色結果を比較しています。染色プロファイルは、ドライ抗体と液体抗体で似通っています。
熱ストレス試験:ドライ抗体と液体抗体

熱ストレス後のMFIの比較。CD3をPEとそのタンデム、またはAPCとそのタンデムに結合させました。それぞれのサンプルを、DURA Innovationsの技術を用いて乾燥させました。ドライ抗体は40℃で、液体抗体は37℃で熱ストレスをかけました。グラフに示されているように、様々なタイムポイントで試薬を用いて細胞を染色し、MFIを測定、ストレスをかけていない0日目と比較してグラフ化しました。40日間で、液体抗体は劣化し、MFIの減少は35%から70%の範囲でした。しかしながら、ドライ抗体は、全ての複合体について、MFIの減少が10%未満で安定であることが認められました。
安定性試験:200日間経過したドライ抗体

時間が経った抗体でも、新しく製造されたロット同様の性能を示します。 9カラーパネルをDURA Innovations技術を用いて乾燥させました。全血は、新しいロット(赤)と200日間経過したロット(青)を使用して染色し、使用説明書のプロトコルを用いてVersaLyse(製品番号A09777)で溶解しました。ドットプロットのオーバーレイは、各ロットの染色結果を比較したものです。パネルを200日間おいた後の染色パターンは、調製したばかりの試薬による染色と一致しています。