あなたのサンプルをセットした多本架ロータは、水平にスウィングしていますか? -多本架ロータのサンプル配置法 その3-
これまで「あなたのサンプルをセットした多本架ロータは、水平にスウィングしていますか? -多本架ロータのサンプル配置法 その1-」と「 -多本架ロータのサンプル配置法 その2-」において、多本架ロータに正しくサンプルを配置する方法をお話ししてきましが、かなりの反響があり、その中でもサンプルチューブを2本だけで遠心する場合の配置法について多くの質問が寄せられました。そのことにお答えする前に、かなり以前のことなのでここでおさらいをします。多本架ロータのサンプル配置では、次の2点を留意する必要があります。
①サンプルチューブは回転軸に対して対称になるように配置する。
そして、次が見落としがちなポイントでした
②水平にスウィングさせるために、バケットの中の重心がスウィング軸上にあるように サンプルチューブを配置する。

図1.丸型バケットの多本架ロータ(左)、角型バケットの多本架ロータ(右)
さて、ここで今回のご質問に対する回答です。
4本立てのアダプタを丸型バケットで使用して、サンプルチューブ2本を遠心する場合は、上記の①と②の条件を満たすように配置すると図2のようになります。

図2.4本立て丸型バケットでサンプルチューブ
2本だけで遠心する場合の配置
それでは次に4本立てアダプタを角型バケットで使用して、サンプルチューブ2本を遠心する場合はどうしたらよいでしょうか?
図3と図4などのように、どのように配置したとしても②の条件を満たすことができません。


図3.バケットの中の重心が、スウィング軸より内側にあります。
この場合は90°以上の角度で回転します。


図4.バケットの中の重心が、スウィング軸より外側にあります。
この場合は90°以下の角度で回転します。
この場合はダミーのサンプルチューブ2本を追加して、計4本で遠心しなくてはいけないのです。


図5.バケットの中の重心が、スウィング軸上にあります。
この場合は水平に回転します。
どうやら、丸型バケットの方が扱い易いようですね。
いずれにしても、バケットがどのような状態で回転しているか考えて遠心することが大切なのです。
トピック
- Webサイト活用術
- 遠心機の基礎知識/歴史
- 遠心機/分析用超遠心機
- ロータの種類と使い分け
- 遠心分離法
- 遠心条件の計算
- チューブ/ボトル/サンプル回収アクセサリ
- 安全性に関わるサンプルの配置や注意点
- メンテナンス
関連製品ページ