汎用品の15/50 mLコニカルチューブの場合、 固定角ロータとスウィングロータ どちらを使いますか?
「超遠心機の固定角ロータとスウィングロータはどのように使い分けますか? 」では超遠心機のスウィングロータと固定角ロータの使い分けについてでした。
通常は、ペレッティングの場合にはスィングロータの方が理に適っていますが、固定角ロータがよく使用される理由と、またショ糖などを用いた密度勾配遠心の場合にはスウィングロータがよく使用されることをお話ししました。
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図1
スウィングロータで50 mLコニカルチューブを
遠心したときに形成されるペレットの位置
今回は、円錐底の15 mL / 50 mLコニカルチューブを使用するときのロータの選択についてお話します。
これらの遠心チューブはサイズ、形状がほぼ統一されているものが、各社から比較的低価格で提供されているため、非常に多くラボで便利に使用されています。
これらの遠心チューブをスウィングロータで遠心したときは、沈殿は図1のようにチューブの円錐の底に集まるため回収も容易であり、上清を回収する場合にもコンタミが危険性を少なくすることができます。
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図2
固定角ロータで50 mLコニカルチューブを
遠心したときに形成されるペレットの位置
それに対して固定角ロータを用いると沈殿は図2のようにチューブ下部側面に集まることになります。この場合には、ロータから遠心チューブを取り出すときにペレットは側面から剥がれてしまうことがあるため、ペレットも回収が難しくなったり、上清回収もコンタミの危険性が大きくなったりすることがあります。
これまで述べてきたように、コニカルチューブは、本来はスウィングロータで遠心してこそ、その特長が活きる遠心チューブなのです。それでも固定角ロータを使うケースは、高い遠心力(例えば15,000 ×g以上)が必要な場合などです。ベックマン・コールターは、スウィングロータであっても10,000 ×gにおいて50 mLコニカルチューブが12本、230 mLコニカルチューブが4本遠心できるロータを提供しており、コニカルチューブの用途が拡がります。
スウィングロータJS-7.5
最高回転数: 7,500 rpm (10,400 ×g)
50 mLコニカルチューブ: 12本
230 mLコニカルチューブ: 4本
250 mL平底チューブ: 4本
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