Ⅶ.パルス処理系(3) ディスクリミネーション

Ⅶ.パルス処理系

3.ディスクリミネーション

ディスクリミネーションとは、検出された電圧パルスと、ある電圧レベルを比較し、それ以下の電圧パルスをすべてカットするプロセスのことです。ディスクリミネーションを行う回路のことを、ディスクリミネータと呼びます。各ディスクリミネータ値は、0Vから10Vまで0.01Vずつ設定することができ、オフにすることもできます。ディスクリミネータは、実際の測定結果からノイズあるいはデブリ(細胞片)を除外するのに使われます。
標準的なシステムでは、8種類までをディスクリミネータの比較対象として選択することができます。8種類の電圧パルスのどれか一つが、ある電圧レベルのディスクリミネータレベルを越えると、その細胞に関するすべての電圧パルスをADC(アナログデジタルコンバータ)に取り込み、デジタル化、すなわち数値化します。
通常の細胞表面抗原を測定するような場合、前方散乱光(FS)だけでディスクリミネータレベルを設定し、残りのディスクリミネータはオフにします。こうすることにより、ある細胞サイズで、足切りをかけ、それより大きい細胞に関してだけデータを取ることになります。デブリなどをデータから除いた測定ができます。
セルサイクルを測定する場合に、DNA量を表す電圧パルスでディスクリミネータをかけることがあります。DNA染色試薬に染まっていないデブリなどをデータとして、取り込まなくてすみます。ピークパルスを取得する場合、ピークパルスでディスクリミネータを設定しなければなりません。積分パルスと比べて、ピークパルスの立ち上がりが早いからです。