悪性リンパ腫の解析 おわりに



5.おわりに

従来、血液検査室での腫瘍細胞の観察は、急性白血病を中心に行われてきた。悪性リンパ腫については、分類法が各国の研究者により多数提唱され、5年から10年周期で大きく変化してきたため、混乱を窮めていた。新WHO分類が提唱され造血器腫瘍全体を包括するようになったことで、血液検査技師にとって悪性リンパ腫は、さらに身近なものとなってきた。

また、造血器腫瘍マーカー検査は、外注検査として行われていることが多い。検査オーダーは血液腫瘍を専門にした医師のみではなく、様々な診療科から依頼されるため、例え外注検査であってもデータの良し悪しや結果の解釈を行うことは必要であり、検査室が担当すべきと考える。さらにデータの管理・保存を検査室で行うことにより、細胞観察力の向上や後継者の育成にも役立ち、病院にとっても検査室にとっても重要なことと考える。


天理よろづ相談所医学研究所
林田雅彦先生