合成生物学のためのEchoアコースティック分注機
Echoアコースティック分注機の利点
- サンプルをフェムトモル(fmol, 10-15)程度の量まで減少
- チェリーピッキング機能により、高い速度と精度での組み合わせ分注
- 遺伝子合成反応の反応系を、最大100分の1まで微量化
- TXTL無細胞発現系のバリデーション試験のコスト削減とスループット向上
- NGSによる検証も合理化
交換可能なDNAのピースのモジュラー化は、合成コストが削減され、設計、構築、テスト、学習のサイクルに沿ってより速くプロセスを進行させることが可能なため、DNA構築ワークフローで推奨される方法です。Echoアコースティック分注機を用いて、さまざまな合成ケミストリーによるモジュラー化DNAの組み合わせによるDNA構築を、微量化して実現する実証がされてきました。これまでのDNA合成方法では10-20 μLの反応容量が必要なところを、Echo分注機では最大100倍にまで減少させることが可能です。これは著しく反応コストを低減させるとともに、反復サイクル内のさまざまな要素が自動化、統合され、ワークフロー全体、プロジェクト全体を加速させることが可能です。
Echoアコースティック分注機での微量化による合成反復サイクルの向上
Echoアコースティック分注機を使用することにより、低コストで効率的なワークフローで、合成DNAを作製することが出来ます。これにより、設計した実験をよりハイスループットで実施し、科学者はより広い範囲での研究を進めることを可能とします。
より詳細な情報
Echoを用いた合成生物学に関する投稿論文
- Smart DNA Fabrication Using Sound Waves: Applying Acoustic Dispensing Technologies to Synthetic Biology. Kanigowska et al. Journal of Laboratory Automation. 2015:1-8. doi:10.1177/2211068215593754.
- Low-Cost, High-Throughput Sequencing of DNA Assemblies Using a Highly Multiplexed Nextera Process. Shapland et al. ACS Synthetic Biology 2015 4 (7) 860-866. doi:10.1021/sb500362n.
- Engineering DNA nanotubes for resilience in an E. coli TXTL system. Klocke et al. ACS Synthetic Biology 2018 3 (1): ysy001. doi: 0.1093/synbio/ysy001.
- Miniaturisation of high-throughput plasmid DNA library preparation for next-generation sequencing using multifactorial optimization. Suckling et al., Synthetic and Systems Biotechnology 4 (2019) 57-66. doi:10.1016/j.synbio.2019.01.002.
ベックマン・コールター ライフサイエンスのアプリケーションノート
- Modular DNA Assembly of PIK3CA Using Acoustic Liquid Transfer in Nanoliter Volumes.
- Nanoliter Scale DNA Assembly Utilizing the NEBuilder HiFi Cloning Kit with the Labcyte Echo 525 Liquid.
- Miniaturized Multi-Piece DNA Assembly Using the Echo 525 Liquid Handler.
- Miniaturization and Rapid Processing of TXTL Reactions Using Acoustic Liquid Handling.
- Effective Miniaturization of Illumina Nextera XT Library Prep for Multiplexed Whole Genome Sequencing and Microbiome Applications.
合成生物ワークフローにおける複雑さの克服
「Echoは非常に高速な装置です。時間の大幅な節約になります。われわれは約12時間のパイプラインを約3時間に圧縮することができました。」
-Dr. Sunil Chandran, Amyris Biotechnologies
Echoアコースティック分注機は、合成生物学のワークフローを大きく改善することが可能です。Echoテクノロジーにより、DNA合成の反応ボリュームを少量化し、処理を高速化し、さらに合成DNAの品質チェックのためのNGSライブラリー作製を低コストで効率的に実施することが出来きます。
Gibson Assembly (ギブソン・アセンブリ)、または、Golden Gate クローニング法のいずれの方法を使用する場合でも、Echo分注機で、チップを使用することなく、オリゴのプーリング、合成遺伝子の構築、コロニーのスポッティングを実施でき、さらに自動化システムAccess ワークステーションへ組み込むことにより、完全に自動化されたハイスループットシステムを構築することが出来ます。
Echoシステムにより、ワークフローをシンプルにし、時間とコストを節約できます。なぜなら:
- プレートのウェルからウェルに自由に分注することが可能で、複雑な組み合わせアッセイが簡単
- 最大100分の1の反応系で、劇的に試薬コストを減らし、貴重なサンプルの使用量も低減
- 1秒以下での分注で、オリゴやDNAフラグメントのプーリングを迅速に実施
- チップ不使用で、コンタミのリスクや吸着による損失なく、速く、精確に分注
Codex DNAでは、Echo 525分注機とAccessワークステーションが、BioXp™システムの遺伝子合成ワークフローの不可欠な部分になっています。従来の分注機では8時間かかるプロセスが、Echoでは30分未満で完了し、前例のない規模でDNAバリアントライブラリーを構築できるようになりました。さらに非接触のアコースティック分注の精確さにより、すべてのオリゴヌクレオチドを最大限の信頼性で提供できます。
John E. Gill, Senior Director of R&D, Codex DNA
最小25 nL~ の分注により、高濃度ライブラリーから希釈することなく、そのまま必要量を分注し、ノーマライゼーションと同時にプーリングが可能です。これにより、ライブラリーからプーリングまでのステップに係る時間が大幅に短縮し、単純化によりプロセスの信頼性が向上します。
さらに、Echoによる分注の精確さは、アッセイのノイズを低減し、より実験における検出感度を高めることにも貢献します。
合成生物マーケットをリードする企業や組織がEchoアコースティック分注機を使用し、いかに遺伝子合成を自動化し、複雑さを克服したかをご覧ください。
ノースウェスタン大学 Andrew Hunt博士によるWebセミナー
Accelerating Antibody Discovery with Cell Free Protein Synthesis and Automation
パスツール研究所 Olivier Borkowski博士によるWebセミナー
Active-learning Cell-free Protein Production Optimization
Echoアコースティック分注機で合成生物学を加速する
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