遠心機用ロータの種類

 

ラボの遠心機におもに使用されるロータには、スウィングロータ固定角ロータ2種類があります

 

適切な遠心用ロータの選択

遠心機用ロータ:大容量スウィングバケットJS-5.3 スウィングロータは、遠心チューブをセットするバケットまたはラックが、遠心力の影響を受けて水平に回転するようにスウィングすることから、このように呼ばれています。したがって、遠心機を作動させると、粒子は回転の中心から遠ざかる半径方向に沿ってまっすぐに沈降し、チューブなどの容器の底に均一に堆積します。沈殿物の上表面は平坦であるため、ゆるく詰まったペレットから上清を簡単に取り除くことができます。各種のアダプタを用いることで、荷重のバランスが適切であれば、複数の種類または大きさのチューブを同時に遠心することができます

遠心機用ロータ:高性能固定角ロータ 固定角ロータは、回転軸に対して一定の角度でチューブを保持します。この角度はロータによって異なりますが、2540度が一般的です。水平ロータと同様、固定角ロータでも粒子は半径方向に沿って沈降しますが、すぐにチューブの反対側の壁に当たり、その壁に沿って底へと滑り落ちていきます。その結果、沈降距離が長い水平ロータに比べて、粒子は素早く沈降します。ただし、チューブの底面が遠心力の方向と一致していないため、一部の粒子はチューブの側面に溜まります。そのため、水平ロータを使用した場合に比べて、ゆるく詰まったペレットの回収がやや困難になることがあります

 

粒子の沈降の様子

粒子の沈降の様子

これらの2種類のロータには、容量と到達可能な最大RCFの組み合わせが異なるさまざまな遠心条件が設定できます。特にスウィングロータには、さまざまな用途に適したアクセサリが用意されています。ロータヨークからバケットを吊るし、血液バッグやボトルのような大型の容器をセットすることもできます。RIAなどの用途で、多数の小さなチューブを同時に操作するためにバケットに使用できるアダプタもあります。バケットではなく、RIAチューブやマイクロテストプレートの遠心に適したラックやキャリアをスウィングロータにセットすることも可能です

小さな粒子を素早く沈降させる必要がある場合は、固定角ロータを使用する必要があります。設計上、これらのロータはスウィングロータに比べて高速の沈降が可能です。細胞、タンパク質沈殿物、抗原と吸着物の複合体、尿中結晶などの大きな粒子の沈降は、スウィングロータを用いて低速で行うことができます。後者の方法では、ウィンドシールド付きのものを用いることで、最大の遠心力を得ることができます(ウィンドシールドによってロータの空力特性が改善され、速度を上げることが可能になります)。細胞の密度勾配遠心を行う場合は、スウィングロータが最適です

 

Ultracentrifuge Fixed Angle Rotor

遠心用ロータ

ベックマン・コールターのロータは、研究のニーズに合わせてお客様独自の要望にもお応え出来るよう、様々なサンプル量や遠心力、回転数にも対応可能な幅広いラインナップをご用意しております。

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Optima XE Ultracentrifuge

遠心機

1947年以降、ベックマン・コールターは世界中のラボ・病院・大学に遠心機を提供し続けています。小型や多機能な卓上型遠心機、超遠心機、分析用超遠心機(AUC)など、幅広く取り揃えております。

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