遠心機のメンテナンスとケア

分離プロセスを加速する遠心力場は、ロータ材料にも大きな力を加えます。ロータが故障した場合、チューブが破損した場合、またはその他の不具合が起きた場合には、遠心機が損傷する可能性があるだけでなく、ラボのスタッフを危険にさらす恐れもあります。そのため、いくつかの注意を守って、遠心操作中の安全性を確保してください。

サンプルの回収、清掃、維持

遠心操作中の注意

ロータの故障防止

分離プロセスを加速する遠心力場は、ロータ材料にも大きな力を加えます。ロータが故障すると、遠心機も大きな損傷を受けます。そのため、下記の点に注意してください。

ロータは、規定の重量内で、最高回転数まで運転できるように設計されています。メーカー指定の速度を超えるスピードでロータを運転してはなりません。また、高密度の溶液(1.2 g/mLを超える溶液など)を使用する場合は、ロータに過度な応力が加わらないよう、運転スピードを落とさなければなりません。詳細な方法については、取扱説明書をご覧ください。

チューブの破損

配置方法が不適切であったり、もともと欠陥がある場合、ガラスチューブが遠心中に破損することがあります。ガラス片は、次回の運転前にバケット、アダプタ、ゴム製ライナーおよびロータチャンバーから取り除かなければなりません。灰色の粉塵は、ロータチャンバーがガラス粒子によって削られて生じたものであるため、こうした粉塵が認められる場合は、それも取り除かなければなりません。サンプルをセットしない状態で何度か空運転を行い、運転と運転の間にチャンバーを清掃して、遠心機から粉塵が取り除かれていることを確認してください。

耐薬品性

一般的でない溶媒や溶液の遠心する場合は、取扱説明書を参照して、遠心機、ロータ、チューブおよびその他のアクセサリを構成する各種プラスチックや金属との適合性があることを確認してください。滅菌のために使用する溶媒に関しても、これらと同じ注意を守らなければなりません。当社では、一般的な遠心材料に関する19品目の耐薬品性の表を提供しています。

エアロゾルの発生

液体がロータ上にこぼれた状態で遠心機を運転すると、液体が細かなミストとなって飛散します。こうしたミストの一部は非常に細かく、比較的安定なエアロゾルとなって、ラボ全体に拡散される恐れがあります。液体がこぼれた場合は、遠心機を運転する前に完全に拭き取らなければなりません。

ヒト検体の取扱い

患者またはドナーが感染症またはウイルスを保有している場合、その血液や血液成分によって、感染症やウイルスが拡がる恐れがあります。遠心操作を含むあらゆるラボ操作中は、こうした可能性を踏まえて血液を取り扱わなければなりません。

疑問が生じた場合は、取扱説明書を参照してください

遠心機の実際の操作方法やメンテナンス方法に関して、たびたび疑問が生じることがあります。各装置に同梱されている取扱説明書は、そうした疑問に対処できるように構成されています。初回使用前に目を通し、その後も必要なときに参照できるようにお手元に保管してください。

 

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