イムノフェノタイピングの基礎
フローサイトメトリーは、各細胞にある複数の特徴を迅速に解析することができる技術です。この技術を用いることで、不均一なサンプルにおいて、個々の細胞と集団に関する詳細な情報を得ることができます。抗体を用いて、特定の抗原またはマーカーを発現する細胞をイムノフェノタイピング アッセイで検出します。こうした種類のアッセイは、基礎研究と臨床検査室の両方で増えつつあります。
<動画概要>
フローサイトメトリーを用いて細胞の複雑さ、イミュノフェノタイプ、健康状態、サイズを定量的に分析するにはどうすればよいでしょうか?
フローサイトメトリーは、一点に集められたレーザー光をフローセルの中心を通過する細胞に照射し、そこから生じる散乱光と、蛍光を同時に測定する技術で、イミュノフェノタイピング、DNA/RNA解析、細胞増殖、生存性、アポトーシスアッセイ、機能性などに使用されます。
フローサイトメーターの主な構成要素は、フロー系、光学検出系、電気パルス処理系とソフトウエアの4つです。フロー系は細胞が1個ずつ順番に流れる状態を作ります。光学系はレーザーや光源、レンズ、ミラー、フィルターの他、光の反射を検出する検出器が含まれます、細胞がレーザーを横切るたびに散乱光や蛍光が生じ、各検出器から電圧パルスが発生します。電気パルス処理系がその電圧パルスを受け取り、複数のパラメータデータを分析するためのソフトウエアに表示させるための処理をします。
では、フローサイトメーターはどのように細胞を解析するのでしょうか?
サンプルがレーザー光を通過する際、レーザーの軸に対して前方向の小さい確度で散乱する光(前方散乱光)で細胞のサイズを、レーザーの軸に対して約90度の角度で散乱する光(側方散乱光)で細胞の内部構造の複雑さを測定します。追加情報として、特定タンパク質を発現するかで測定することもできます。検出された蛍光は、バンドパスフィルターとミラーを通して光波長別の検出器で検出します。
各検出器からのデータは専用ソフトウエアでヒストグラムやドットプロットなど様々な表示方法を用いて解析し、サンプル内の細胞集団に関する情報を明らかにすることができます。