CD85d (ILT4) 抗体

CD85d抗原(ILT4)は、ヒト第19染色体q13.4に存在する Immunoglobulin (Ig)-like transcripts(ILT)遺伝子ファミリーの新規分子です。ILT4は、Leucocyte Ig-like receptor (LIR)-2、Monocyte / macrophage Ig-like receptors (MIR)-10とも呼ばれています。ILT4は42D1抗体により認識される膜貫通タンパク質で、細胞外領域にIg-SFドメイン、細胞内末端にはSHP1などのフォスファターゼのリクルーティングによって細胞応答を抑制するITIMモチーフを持っています。ILT4の分布は骨髄単球系に限定され、単球、マクロファージ、樹状細胞(DC)に発現しています。ILT4分子は、古典的MHCクラスI分子への結合より3~4倍高い親和性でHLA-G分子に結合します。ILT4分子は、DCを介した抗原提示機能と、単球/マクロファージを介した炎症応答や細胞障害の両方を調節すると考えられます。HLA-Gが栄養膜に選択的に発現していることから、ILT4によるHLA-G認識が母体ー胎児間の寛容に一定の役割を担っていることが示唆されます。レシピエントのCD8+CD28-サプレッサーT細胞(Ts)がドナーの樹状細胞(DC)にITL3及びILT4の発現を増強することで免疫寛容を誘導し、抗原提示細胞(APC)であるDCに免疫寛容誘導性を与えている可能性が示されています。


Clone: 42D1 Isotype: IgG2a Rat

製品モデル