Echoアコースティックテクノロジー
MOVING LIQUIDS with SOUND
正確で高精度、かつコスト効率の高い液体分注
Echoリキッドハンドラーは、先進的技術の搭載により、従来のピペット式より速くて正確な分注を実現し、リキッドハンドリングの概念に革新をもたらしました。 Echoリキッドハンドラーが搭載するアコースティックドロップイジェクション(ADE)技術は、創薬、化合物管理、ジェノミクス研究、合成生物学、プロテオミクス、機能スクリーニング、その他の研究アプリケーションにおいても、研究精度の向上やコスト削減に寄与します。.
ADEの採用によりEchoリキッドハンドラーは、パワフルでありながら穏やかな液体分注が可能です。溶液表面に超音波音響エネルギーを収束させ、ソースウェル内の溶液から小さな液滴を射出し、上部のディスティネーションプレートに正確に液滴を分注します。
より少ないリソースでより大きな成果を
Echo技術を使うことで、「より少ないリソースでより大きな成果を得る」という、ラボ・サイエンティストが直面している課題にも対応することできます。Echoリキッドハンドラーは、複数のワークフローが実行可能で、結果が得られるまでの所要時間が短く、従来のチップ式リキッドハンドリングを使うことに伴う制約を取り除くことができ、そのうえ操作が簡単な単一系システムです。
主な利点
- 非接触分注によりクロスコンタミネーションリスクを排除
- 正確性と高い再現性を実現
- 分注時、サンプル分子構造やバイアビリティへの影響を極小化
- 様々なポジションや量での液体分注を可能にし、研究の柔軟性を向上
- 使い捨てチップの排除と廃棄物の削減による研究コストの削減
Echoアコースティックリキッドハンドリング
Echoリキッドハンドラーは音響エネルギーによる自動分注機で、リキッドハンドリングの概念に革新をもたらしました。超音波で、ソースウェル内の液から高精度で定量された液滴をマイクロプレートやスライドなど、ソースウェル上部に配置したディスティネーションウェルに正確に射出します。Echoリキッドハンドラーは1日に最大750,000サンプルを、384、1,536 および3,456 ウェルプレート、またはスライド、マイクロ流体デバイスに非接触で分注することができます。この技術は、ラボでのワークフローおよび、あらゆる規模の研究に役立ちます。
ダイナミックフルードアナリシス
刻々と変化する液性に対応するオン・ザ・フライ パラメータ調整
ダイナミックフルードアナリシス搭載により、Echoリキッドハンドラーは様々な種類の液体に容易に対応できます。この特許取得済みのアルゴリズムは
- リアルタイムで音響エネルギーの要件を自動調整
- 手動キャリブレーション不要
- 正確、精密な液体分注を実現
- 音響エネルギーにより取り扱えるサンプル物性範囲が拡大
Echoリキッドハンドラーは、ダイナミックフルードアナリシス機能で実験のセットアップを簡略化し、さまざまな実験やワークフローも柔軟性に行うことができます。
主な利点
- 機器の事前キャリブレーションが不要―Echoリキッドハンドラーが作動中に各試薬の分注パラメータを決定
- 同量の液滴分注を繰り返すことで大容量分注も可能ー計量は不要
- ダイナミックフルードアナリシスは動的なキャリブレーションプロセスであるため、静的なシングルポイントキャリブレーションに比べ試薬の変更による影響が低く、一貫性のあるダウンストリームでの実験データが取得できます
- ダイナミックフルードアナリシスがウェルごとに分注パラメータを決定するため、より複雑な試薬セットや様々な試薬の使用も可能
液滴分注とリキッドハンドラーの背景
液体の分注は、表面張力(液体の境界面が周囲環境と相互作用する性質)と粘性(液体の移動時に生じる抵抗)という2つの重要な液体特性の影響を受けます。ほとんどのリキッドハンドラーでは、オペレーターが使用する試薬の表面張力や粘性への対応方法を決めなければならず、試薬分注装置のキャリブレーションという負担をオぺレーターに強いることになってしまいます。
この負担は相当なものです。とういうのもキャリブレーションは、
- 該当する試薬を分注する全ての機器で繰り返しの検証が必要となります
- ほとんどの場合、限られた範囲のボリュームでしか対応できません
- 部品の摩耗により、リキッドハンドラーの性能に経時的な変動が生じる可能性があります
- 近似値しか得られないため、一貫性のない試薬(スクリーニングでの細胞溶解や粘性の高い試薬など)のキャリブレーションでは、分注が正確・精密に行われず、ダウンストリームでのデータエラーにつながる可能性があります
- マルチチャネルのリキッドハンドラーに使用される特定の試薬(市販の結晶試薬など、粘性や表面張力特性が異なる試薬で構成されるもの)用には開発が難しくなります
ダイナミックフルードアナリシス技術が、より優れたリキッドハンドリングを実現
Echoリキッドハンドラーは、音響エネルギーを使って試薬を2.5 nL または25 nL の液滴(モデルにより異なります)で分注します。全てのモデルに搭載されているトランスデューサーが、電気エネルギーを、液滴分注に使用する音響エネルギーに変換します。分注プロセスは大きく下記の2段階に分けられます。
計測:Echoリキッドハンドラーは、液体の高さと特性をソースウェル内で解析します。トランスデューサー(音響エネルギー発生器)は各ウェルにソフトなエネルギーピンを送り、3つのインターフェイス(ソースマイクロプレートの底面、ウェル底面、液体表面)から返ってくる反射波(エコー)を受信します。
分注:トランスデューサーは最初の分注ポイントに戻り、より大きなバースト波エネルギーを送信して、一滴ずつ等量の液滴を分注します。このプロセスで重要なのは、トランスデューサーが一度に処理するのは1ウェルである点です。これが、各ソースウェルへの確実な分注を実現しています。オペレーターが入力する液体タイプについての一般情報(DMSO、バッファー、グリセロールを含む試薬など)から、分注パラメータを絞り込みます。
ダイナミックフルードアナリシスでは、出力を、計測レベルから分注レベルへとゆっくりと上げていく出力調整プロセスを搭載しています。Echoリキッドハンドラーは、反響波(エコー)から、各ソースウェルでの分注に必要となる適切な出力レベルを算出します。このプロセスにかかる時間はミリ秒単位と短く、オペレーターの介入は必要ありません。