Kaluza Cytobankプラグイン:処理済みのファイルをクラウドにアップロードして詳細な解析を行う方法

Kaluza Analysis*におけるコンペンセーションとデータ変換のためのインタラクティブなスライダーと、Cytobankプラットフォーム*上におけるマシンラーニング アルゴリズムのためのクラウドコンピューティングの力を組み合わせることで、データ解析のワークフローを加速させる方法を学びます。KaluzaからCytobankアカウントにデータを直接アップロードするためのステップ毎の説明が含まれています。プラグインはこちらからダウンロードしてください。

Detailed overview of the advanced analysis of flow cytometry data including pre-analysis steps

図1. KaluzaとCytobankプラットフォームの対象となるフローサイトメトリー解析ルートのステップ。Cytobankプラットフォームでは自動の補正演算が可能ですが、補正マトリックスの手動調整はKaluzaで行う方が簡単です。二軸プロット上におけるゲーティングのステップは、どちらのシステムでもうまく機能します。探索的なデータ解析、クラスタリング、データの可視化には、Cytobankが最適なソフトウェアです。

 

成功のためのヒント

  • Cytobankでデータファイルをまとめて解析できるようにするには、パラメータ名と軸ラベルが一致していることを確認してください。どちらもKaluzaで簡単に修正できます。

  • Kaluzaで大量のサンプルを処理する場合は、Batch Process Activity(バッチ処理アクティビティ)を利用して、パラメータ値の適用やあらかじめ決定した補正マトリックスの適用など、ステップを自動化してください。

  • Kaluza Cytobank Pluginは、元のデータ形式に関係なく、FCSファイルとしてデータをエクスポートします。


手順

  1. ファイルをKaluza Analysisにインポート
    Kaluza Analysisにファイルをインポートする方法は複数あります。推奨されるのは、解析リストにファイルをドラッグ&ドロップする方法です。その他の選択肢については、Kaluzaの使用説明書を参照してください。

  2. 必要に応じて、Parameter Values(パラメータ値)をチェックして調整
    Parametersペインには、元のデータセットで収集したパラメータのリストが含まれています。このペインでは、パラメータ名、説明、タイプ、検出器、および測定タイプを編集できます。

  3. Add All Plots(すべてのプロットを追加)とコンペンセーションの調整
    機械学習アルゴリズムは、不適切にスケーリングされたデータや過不足のあるコンペンセーションといった要因によって引き起こされるアーチファクト(人工的きず)を識別することができず、その結果、表現型的に類似した細胞間に差異を推測することがあります。これは、viSNEマップの収束を妨げる可能性があり、チャンネルごとのカラーリングに影響を与えるかもしれません。したがって、コンペンセーションおよび変換を適切に調整することが重要です。

  4. 関心のある集団のプレゲート
    細胞片やダブレット、そして多くの場合は死細胞、もしくはダンプチャネルで検出された不必要なイベントは、機械学習アルゴリズムを適用する前に除去する必要があります。これらのイベントは、下流の解析に情報を追加するものではなく、適切に識別して除外しなければ、データ表示に悪影響を与え、統計結果を混乱させる可能性があります。

  5. Kaluza Cytobankプラグインを使用してデータをエクスポート
    PluginsタブからKaluza Cytobankプラグインを開き、Cytobankアカウントにログインします。インストール方法については、Kaluza Cytobank Plugin Instructions for Useを参照してください。

  6. Kaluza Cytobank Plugin interface

    図2.Kaluza Cytobankプラグイン


    • 5.1. 複数ファイルのCompositeで作業している場合は、Data Setコンボボックスからエクスポートするデータセットを選択します。

    • Kaluza Cytobank Pluginは、KaluzaからのParameter names(パラメータ名)を適用し、作成されるFCSファイルに用います。デフォルトでは、Kaluza Analysis Softwareからの補正マトリックスは、行った調整も含めてFCSファイルに組み込まれるか、logicle変換されたデータをエクスポートする際にデータに適用されます。補正されていないデータをエクスポートしたい場合は、「Including the compensation matrix(補正マトリックスを含む)」のチェックを外してください。

      Kaluza で定義されている logicle 変換設定を適用するには、「Apply logicle transformation (logicle変換を適用する)」にチェックを入れます。このボックスにチェックを入れると、コンペンセーションとlogicle変換の両方がデータに適用されます。Cytobankソフトウェアでは、コンペンセーションや変換を設定することはできません。

    • 5.2. FCSキーワードを追加または変更するには、「New and Modified Keywords(新規キーワードと変更されたキーワード)」ウィンドウの「+」アイコンをクリックしてキーワードを選択します。編集可能なキーワードは緑色で表示されます。キーワードを選択して編集し、「New Value」列に希望の値またはテキストを追加します。
    • Nextを選択して、FCSファイルを保存する場所を選択します。

    • 5.3. FCSファイルを保存する場所を選択します。このステップでは、新しく生成された FCS ファイルをローカルに保存したり、一度のアップロードで複数のファイルをCytobank プラットフォームに手動で読み込んだりすることができます。
      • 保存場所を指定し、Saveを選択します。

    • 5.4. 既存の実験を選択するか、Cytobankプラットフォーム上で新しい実験を作成し、新しく生成されたFCSファイルを追加します。
      • 実験を選択するには、Experiment Selectionリストから実験を選択するか、ID、実験名、目的で検索します。

      Interface demonstrating files uploaded to the Cytobank experiment manager using the Kaluza Cytobank plugin

      図3. Kaluza Cytobankプラグインの実験選択。

      • 新しいExperimentを作成するには、「Create」を選択します。その後、Experiment Nam(実験名)、Purpose(目的)、Comments(コメント)(オプション)を入力し、Saveを選択します。

      • Uploadを選択して、データをCytobank Platformにアップロードします。

      • プロンプトが表示されたら、アップロードリクエストを確認します。

    FCSファイルがサイトバンクプラットフォームにアップロードされます。


  7. Cytobankプラットフォームにおけるデータの解析、共同作業、管理
    Cytobankアカウントにログインし、Experiment ManagerからExperimentを選択します。
  8. Cytobank Experiment Manager interface

    図4. CytobankのExperiment Manager。

     

    • 6.1. Experimentを選択して、Experiment Summaryを開きます。Advanced Analysis またはGatingを選択して実験に入ります。

    • 6.2. Scalesを選択し、データ表示を最適化するために必要な調整を行います。Logicle変換を適用した状態でKaluzaからエクスポートしたデータは、Cytobankプラットフォーム上では線形スケーリングで使用する必要があります。データ変換についてそれ以上の調整は必要ありません。ゲーティング目的での可視化を改善するためには、最小値と最大値の設定を調整するとよいでしょう。これは高度なアルゴリズムの結果には影響しません。
    • 変換が適用されていない状態でKaluzaからエクスポートされたデータについては、Cytobankプラットフォーム上で適切な調整を行ってください。

      • スケールエディタ内のフィールドの中の値を変更するには、そのフィールドをクリックするだけです。フィールドの編集が終わったら、キーボードのreturnキーを押すか、フィールドの外側をクリックして変更を確定してください。

      Cytobankプラットフォームでのデータスケーリングについての詳細は、Adjusting Scales in Cytobank and Making Beautiful Plots in Cytobankを参照してください。

      Cytobank scale adjustment interface

      図5. Experiment Scalesでは、データ変換の調整が可能です

       

      結論

      Kaluza Cytobankプラグインを使用すると、コンペンセーション、変換、匿名化されたデータセットを、KaluzaのデスクトップソフトウェアからCytobankのクラウドプラットフォームに移動し、Kaluzaがサポートする直感的なコンペンセーション調整と、Cytobankプラットフォームに統合された機械学習アルゴリズムを利用することができます。両方のパッケージを組み合わせることで、ユーザーは、幅広い機能の中から柔軟に選択し、研究ニーズに合わせて解析経路をカスタマイズすることができます。KaluzaとCytobankプラットフォームを組み合わせて使用することで、包括的なデータ解析ソリューションを提供します。

       

      *研究用としてのみご利用いただけます。診断用途には使用しないでください。

      この文書は取扱説明書に代わるものではありません。