パーティクルカウンター資料集 気中パーティクルカウンター MET ONEの歴史

ルー・ペトラリーは、彼が1976年に設立したMET ONE社の最初のブレーンであり企業家でした。その駆け出しのビジネスは、サニーヴェール(米国カリフォルニア州)で営まれ、気象用計測器と共に最初のMET ONEパーティクルカウンターが製造されました。最初の数年は、風速、風向、相対湿度、温度、太陽放射線量計が第一次製品でしたが、ハイテク企業でメインフレームコンピュータを保護する需要があり、同時に製薬業界も急速に伸び始めた為に、METONEのパーティクルカウンターのセールスは、直ぐにその重要性を増しました。

MET ONEという名前の由来

ルー・ペトラリーの新聞インタビューによると、MET ONEの名前は、「METeorological(気象の)」の省略形と、ナンバーワン(ONE)カンパニーになるという彼の意思に由来するそうです。ユニークな製品の組合せは、一方が落ち込み気味でも、もう一方に依存出来るようにという彼の考え方がベースとなっていますが、それは良い選択でした。1980年、売上が急速に増大する中、ルーはグランツパスのL通りへ引っ越し、10人の社員を雇用したのです。

最初のMET ONEパーティクルカウンターは?

最初のMET ONEパーティクルカウンターは、「209」というモデルでした。 これは、米国連邦規格(Fed-Std-209D)と呼ばれる当時のクリーンルーム規格にちなんで名づけられたものです。このパイオニア的なパーティクルカウンターには、白熱灯から白色光を使いました。 似たような技術を使用した一連の他のモデル(3S、3D、5S、200を含む)が、直ぐその後に続いたのでした。

MET ONEで最初のレーザータイプパーティクルカウンターは?

1985年は、MET ONEにとっての分岐点でした。 大きな契約をハードドライブメーカーであるシーゲートから受注し、爆発的に成長しました。L通りの工場では、増大した生産に、もはや対応出来なくなったので、カリフォルニア通りの現在の工場に移転しました。それは、労働環境を一年中一定の温度に保てる革新的な地熱ポンプを特徴とした、目的優先で建設された工場でした。 その熱は、穏やかな雰囲気を持った大きな美しい池の地下水を利用することでバランスが保たれています。実は、市内に「大煙突やTVアンテナ」の景色があるのを避けることは、どうやらルーの最初のビジョンだったようです。ですから、METONEを白色光からレーザー光源へ切り替えて、最初の現代的なパーティクルカウンターが開発されたのは、そうした背景があるのです。 そうして製造されたレーザーパーティクルカウンターは、正確さ、頑健性、そして長寿命でよく知られ、たちまち業界標準となりました。定期的な修理と校正により、初期モデルのいくつかは20年以上使用され続けました。この頃の代表的なMET ONEパーティクルカウンターは、200L、217、203、227、3Cを含みます。

Pacific Scientificとの合併

1996年1月に、パーティクルカウンターのマーケットで大きな出来事がありました。Pacific Scientific(PSI)がMET ONEを買収し、液中と気中パーティクルカウンターの両方をカバーする前例のない幅広いブランドを提供することが出来るようになりました。 そのようにして下記のラインアップが揃ったのです。 HIAC ROYCO:液中パーティクルカウンター HYT:特別仕様(真空)用 気中パーティクルカウンター MET ONE:気中パーティクルカウンター 同じ頃、一人のエンジニアが会社を去り、オレゴン州グランツパスでARTIをスタートさせました。 ARTIは、オリジナルのPODS(オイル汚染分析用の液中パーティクルカウンター)とHHPC(ハンドヘルドタイプ気中パーティクルカウンター)を開発していきました。

最近の歴史

 

PSI時代のカルフォルニア通りの工場
この短い歴史が示すように、力強いビジョンを持つ個人によって前進してきたパーティクルカウンター業界は非常にダイナミックです。多くの変化が起こり、その一つ一つが、その時代の最先端の技術を存分に生かした、新しくてより良い製品の開発に寄与したのです。 そして1998年、ダナハーはPSIを買収し、その後MET ONE、HIAC、ANATEL、ORBISPHEREブランドは、HACH ULTRAとしてまとまりました。この連合は、気中・液中のパーティクルカウンター、TOC計、ppbレベルの溶存ガス濃度計の全てを一つの会社で初めて提供しました。ライフサイエンスとエレクトロニクス産業へのサービス提供には理想的な組み合わせです。 2003年にダナハーがARTIを買収して、ブランドのラインアップはさらに強化されました。

MET ONEパーティクルカウンターの今日

MET ONEブランドのパーティクルカウンターは、米国コロラド州グランツパスで開発され続けています。 2012年、MET ONEは“MET ONE 3400 Embedded Secure Data Transfer (Simply Paperless)”と呼ばれる新技術を発表し、こちらは現在特許出申請中です。 2014年1月から、パーティクルカウンターの事業はHACH社から同じダナハーグループのベックマン・コールターに移管され、ベックマン・コールターのコールターカウンターなどの製品群と共に粒子物性分野における新たなソリューションを創出していきます。

“MET ONE Simply Paperless”とは何ですか?

従来のパーティクルカウンターは、測定結果を感熱紙に印字しますが、これにはデメリットがいくつかあります。 感熱紙はカットとスキャンに時間がかかる 感熱紙ロールは、特に切り取る際にクリーンルームを汚染する繊維を放出する データはしばしば手入力で、エクセルや他のデジタルシステムにコピーする必要がある それは余計な時間を費やし、ヒューマンエラーに繋がりがちである 特許申請中の最新の技術を持ったMET ONEの新しいパーティクルカウンターは、これらのプロセスを完全に失くしました。 データは、紙に出力したものと全く同じフォーマットのPDFファイルに直接保存されます。 この保管データの移動は安全・確実で、FDA 21CFR Part11コンプライアンスを遵守しています。

 
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