Biomek i-Seriesを用いたAMPure XPによる
PCR産物精製自動化システム
Biomek ゲノムサンプル前処理の自動化が研究を加速させます Introduction
ベックマン・コールターのAMPure XPキットは高収率のPCR産物精製キットであり、塩類の残存がほとんどない高品質の精製DNAを提供します。AMPure XPは遠心操作やフィルトレーションを必要としない Solid Phase Reversible Immobilization(SPRI)テクノロジーを用いています。高い精製度が要求されるNGSサンプル調製において、広く使用されており、マイクロチューブや96、384ウェルプレートなど様々なフォーマットで使用することが可能です。本アプリケーションノートでは、Biomek i5 Multichannel 96Genomics ワークステーションによる、AMPure XPを用いたPCR産物精製の自動化について評価を行いました。
BiomekによるAMPure XPを用いたPCR産物精製の自動化の概要
- 解析結果の改善のために標準化されたワークフロー
- エラーの削減
- ハンズオンタイムの削減とスループットの増大
- 短時間の最適化で使用可能なメソッド
- 試薬、ハードウエアと自動化アプリケーションに関する経験豊富なサポートを、トータルなシステムとして提供
Spotlight: Biomek i5 Multichannel 96 Genomics Workstation信頼性と安定性を兼ね備えたシステムにより、ユーザーの信頼とWalk-away時間が増大します。
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Figure 1.Biomek i5 Multichannel 96 Genomicsワークステーション |
Demonstrated Method Interface (DMI):
3つのシンプルなモジュールが表示する操作ガイドにより、メソッドのセットアップをミスなく実施することが可能となり、また、自由度の高い実験スケジュールを組むことが可能です。
1. Biomek Method Launcher (BML)
アイコン化されたメソッド選択画面で選択するだけで簡単に実行することができます。
Figure 2. Biomek Method Launcher のメソッド選択および開始画面
Figure 3. Biomek Method Launcherからのマニュアル操作画面
2. Method Options Selector (MOS)
オプションで各種調製条件を入力・選択することで、実験内容や実行ステップを柔軟に変更でき、様々な条件や、実験スケジュールに合わせて実行可能です。
Figure 4. AMPure XP Method Options Selectorによる実施条件の入力・選択画面
3. Guided Labware Setup (GLS)
MOSで選択したオプションを反映したセットアップ手順を表示します。試薬の種類や必要量の表示を含めたグラフィカルなセットアップ画面によって、ユーザー側で必要とされる作業内容を表示します。
Figure 5. Guided Labware Setup画面。サンプル数に応じた試薬の分注量とプレート類の配置を支援
Figure 6. AMPure XPのワークフロー
Major Process Description | ||
Batch Method | 2 plates | 4 plates |
Instrument Setup time | 15 mins | 15 mins |
Method Run Time | 39 mins | 1 hr |
Table 1. Biomek i5 Multichannel 96 Genomics ワークステーションでのAMPure XPによる精製の実施時間
Experimental Design and Results
500 bpのマーカーを60 ng/μLに希釈した後、50 μLをAMPure XP精製に使用しました。サンプルは5つのレプリケートをチェッカーフラッグパターンでPCRプレートに分注し、それ以外にはブランクとして精製水を分注しました。Biomek i5を用いた精製ののち、Agilent TapeStation 2200により、High Sensitivity D1000を用いて、精製サンプルの解析を行いました(Figure 7、8)。
Figure 7. Agilent TapeStation 2200にてHigh SensitivityD1000を用いてサンプルを解析した結果。サンプルは同じ結果を示しており、交互のブランクウェルの結果からクロスコンタミネーションが発生していないことが示された。サンプルの回収率は約95%であり、非特異的バンドは検出されなかった。
Figure 8. TapeStationでの泳動の結果から、精製物のDNAサイズが期待値どおりであったことが示された。
Summary
以上の結果から、Biomek i-Series によるAMPure XPを用いたPCR産物精製自動化システムは、高収率・高品質のDNAを提供するシステムであることが示されました。